環境規制の端境期にあり、世代交代の節目を迎えているバイク。ラインナップに大変動が起きるのは必定だ。そこでヤングマシン創刊48年の知恵とカンをベースに、願望&妄想も織り交ぜながら、バイク未来予想を導き出してみた。本ページでは、ホンダNCシリーズがユーロ5に合わせてエンジンの改良を施すと予想。NC800S/XやX-ADV等への派生車展開について考察する。
エンジンを中心に特許申請。ライバル追従で排気量増か
イージーな乗り味やメットインで人気のホンダNC750シリーズと、車体設計を共有する新感覚クロスオーバーのX-ADVがフルチェンジを果たすと予想する。やはりこれらも現行型がユーロ4対応。’21年のユーロ5適用に合わせて改良を施すと見るが、なんと新型エンジンになる可能性も出てきた。
ホンダは’18年にDCT関連の特許を複数申請しており、’20年4月に公開された。図面にはNCらしき車体が描かれるが、エンジンの寸法が従来型よりコンパクトになっている印象。これに合わせて、鋼管フレームが新作となり、車体の軽量化も促進されるだろう。
また、特許によるとセミオートマのDCT機構を小型化。従来のDCTはクランクケースと変速機軸との間に大きなクリアランスが必要だったが、ベアリングを介した二重構造のカウンターシャフトなどでミニマム化に成功した。加えてDCTを動作させるアクチュエーターを横配置からエンジン上に移設し、横幅も抑制されている。
合わせて排気量は800ccにアップすると予想。従来も’12年の初代700から、’14年に750と50cc増加してきた実績があり、800cc台が主流の海外勢にも対抗できる。定番のNCと欧州を中心にブレイクしたX-ADVだけに、全力でテコ入れを図るのだ。
NC800S/DCT:特許図のエンジンでは現行よりコンパクトな印象
NCシリーズにおけるネイキッド仕様で、大型教習車としても活躍中のNC750S。特許図に本作らしきバイクが描かれるが、現行型とシルエットを重ねるとエンジンがかなり小さく見える。一方で、ユーロ5対策のためか腹下の膨張室が大型化。外装はダミーの場合もあるが、タンクやテールの形状も異なる。
ホンダ NC800X/DCT:400Xに倣って19インチ化もありえる
Sがフルチェンジとなれば、基本設計を共有するクロスオーバーのNC750Xも当然刷新されるだろう。DCT付きなどフル装備だと車重231kgだが、エンジンが小型化すれば軽量になるハズ。さらにフロントの17→19インチ化も期待。弟分の400Xもプラットフォーム展開されるシリーズだが、’19でXのみ19インチ化。出力特性やサス設定、ABSもオフ向けに最適化した。NCでも個性の強化を希望したい。
【ベース車:’20 HONDA NC750X】NC系はタンク部分のメットインが魅力。前傾62度エンジンにより低重心設計で扱いやすく、トルク特性も優秀だ。Xは、S非装備のトラクションコントロールも搭載する。
【ファミリー:’20 HONDA 400X】系列である400Xはミドルクラスでは貴重なSUV。400ccスポーツのCBR400Rとは兄弟車だ。
ホンダ X-ADV/DCT:人気のX-ADVも当然フルモデルチェンジに期待
’17のデビュー以来、欧州で支持されている都会派SUV「X-ADV」。国内でも弟分のADV150が人気爆発中だ。ベースのNC750が800になれば、変更を受けるのは必然。イメージを共有するアフリカツインが新型になっただけに、外装のリニューアルにも期待したい。ユーロ5の適用を考えると、NCともども発売は’20年内か?
Gスイッチやスマートキーと装備充実のX-ADV。現行はモノクロ液晶メーターだが、新型アフリカツインのカラー&タッチパネルを希望。※写真はCRF1100L アフリカツイン
【YM-LABから提案!】800cc前傾エンジンのビッグモトラ!
ヤングマシンが欲しいバイクを勝手にデザインする「YMラボ」。ゼヒ提案したいのがモトラの現代版だ! モトラは’82~’87年に販売された50㏄モデルで、低くスクエアな車体に前後キャリアを備えたへビューデューティな外観が斬新。絶版後、人気に火が着き、中古車はプレミア価格だ。NCの車体はモトラにジャストフィットするハズ。いかがッスかホンダさん!
●文:沼尾宏明 ヤングマシン編集部 ●CG:白圡学 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
創刊48年のヤングマシンが蓄えた知恵とカンをベースに、願望&妄想も織り交ぜながら導き出すバイクの近未来予想。次ページでは、中型4気筒クラスの展開としてCB400SF/SB、CBX400F、テージ25Rについて予想する。
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