たゆまぬ進化を続ける二輪車テクノロジー

時代を切り拓いた革新のエポックマシン〈世界初〉’04〜’09セレクション×7台

※本記事で取り上げる「初」は、公道走行可能な量産二輪市販車としての”初”を意味します。なお、その定義には諸説ある場合があります。

’04 ホンダ フォルツァZ〈世界初・スマートキーシステム〉電子制御の充実化でライバル勢を凌駕

激戦区となった250ccスクーター市場を制するべく、2代目に進化したフォルツァの上級仕様は、二輪車初のスマートキーや電子制御式6速Sマチックを採用。4連メーターはLED透過式。

【’04 HONDA FORZA Z】■水冷4スト単気筒SOHC4バルブ 249cc 22ps 2.4kg-m 車重174kg(乾) ●当時価格:59万9000円

NSR250Rのカードキーとは異なり、フォルツァのスマートキーは車両への装着が不要。ボタンを押すことですべての操作が行える。

’04 トライアンフ ロケット3〈世界初・2400ccオーバー〉怒涛のトルクが満喫できる

’04年に初代が登場し、’20年から2代目の販売が始まる「ロケット3」は、量産車最大排気量となる2294/2458ccの並列3気筒エンジンを搭載。最大トルクは20.4/22.25kg-mで、この数字も量産車最大。

【’04 TRIUMPH ROCKET-III】■水冷4スト並列3気筒DOHC4バルブ 2294cc 142ps 20.4kg-m 車重320kg(乾) ■当時価格:220万5000円

2代目はスポーツ性を強調。徹底した軽量化を行い、車重は初代-約40kgとなった。

’07 スズキGSX-R1000〈世界初・パワーモードセレクター〉走行状況に応じたエンジン特性を選択

’01年にデビューしたGSX-R1000の最高出力は、世代を重ねるごとに向上。185psを獲得した’07年型では常用域での扱いやすさを高めるため、量産車初のエンジンモードセレクター・S-DMSを採用。

【’07 SUZUKI GSX-R1000】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 185ps 11.9kg-m 車重172kg(乾) ※輸出車

3種の特性が選択できるエンジンモードの切り替えボタンは(セカンダリーバルブの動きが変化する)、右側スイッチボックスに設置。

’07 ヤマハWR250R/X〈世界初・オフロード用アルミフレーム〉開発目標は林道のYZF-R1

’00年代前半のオフロードレーサーの世界では、アルミフレームが急速に普及。その技術を量産モデルに初めて転用したのは、林道のYZF-R1をコンセプトに掲げるWR250R/Xだった。

【’07 YAMAHA WR250R/X】■水冷4スト単気筒DOHC4バルブ 249cc 31ps 2.4kg-m 車重123kg(乾) ●当時価格:70万1400円(R)

メイン部はレーサーと同様のアルミ製だが、剛性バランスと耐久性を考慮した結果、WRのダウンチューブはスチール製を採用。

’07 ホンダ ゴールドウイング[エアバッグ]〈世界初・エアバッグ〉前面衝突時の衝撃を大幅緩和

’60年代から四輪で培った技術の転用に熱心だったホンダは、’07年以降のゴールドウイングの上級仕様にエアバッグを搭載。衝撃感知からエアバッグの展開までに要する時間は約0.015秒。

【’07 HONDA Gold Wing〈Air Bag〉】■水冷4スト水平対向6気筒SOHC2バルブ 1832cc 109ps 16.4kg-m 車重403kg(乾) ●当時価格:346万5000円

エアバッグは言うまでもなく、衝撃センサーやインフレーターやECUなど、関連部品は2輪用としての小型軽量化を図った専用品。

’07 MVアグスタF4CC〈世界初・200psオーバー〉創業者の名を冠したF4シリーズ最高峰

’98年から発売が始まったMVアグスタF4シリーズは、これまでに数多くの限定車を販売。フルカーボン外装の’07年型CCは、公道用モデル初となる200psオーバーの最高出力を公称。

【’07 MV-AGUSTA F4CC】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 1078cc 200ps超 12.7kg-m 車重187kg(乾) ●当時価格:10万ユーロ(約1500万円)

当時のMVアグスタの社長だったクラウディオ・カスティリオーニの名を冠したCCは、レースを度外視した1078ccエンジンを搭載。

’09 ホンダCBR1000RR〈世界初・電子制御式前後連動ABS〉速度域などに合わせ前後配分も自動調整

昨今の大排気量車ではABSや前後連動ブレーキが定番になりつつあるが、その2種をリッターSSに初めて導入したのは’09年型CBR1000RRだった。フルパワー仕様の最高出力は178ps。

【’09 HONDA CBR1000RR】■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 999cc 118ps 9.7kg-m 車重211kg(装) ●当時価格:155万8200円


●文:沼尾宏明、中村友彦 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。

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