※本記事で取り上げる「初」は、公道走行可能な量産二輪市販車としての”初”を意味します。なお、その定義には諸説ある場合があります。
’99 ホンダCB400 SUPER FOUR〈世界初・ハイパーVTEC〉油圧で制御を行う可変バルブ機構
’92年の発売開始以来、400ccネイキッドの世界で王座を維持してきたCB400SFは、その地位を盤石にするべく、’99年型でフルモデルチェンジを敢行。動弁系に採用されたハイパーVTECは、’83~85年型CBR400FのREVや4輪のVTECとはまったく異なる構成で、当時のスポーツバイクの主流だった直打式カム&バルブのままで(REVと4輪のVTECはロッカーアーム式)、油圧を用いて2→4バルブへの切り替えを行っていた。当初は6750rpmだったバルブ切り替え回転数は、’03年型で6300rpmに変更され、’07年型以降はアクセル開度に応じて、6300~6750rpmの範囲で緻密な制御が行われるようになった。

【’99 HONDA CB400 SUPER FOUR】■車重168kg(乾) 水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 3.9kg-m ■当時価格:60万9000円 [写真タップで拡大]

ハイパーVTECの要となるのは、バルブリフター内に設置された切り替えピン。低中回転域では切り替えピンの穴にバルブステムが潜り込むため、カムとリフターの動きはバルブに伝わらないが、油圧を受けた切り替えピンがスライドすると、カムの回転でバルブが作動する。 [写真タップで拡大]
〈参考〉’90年代はネイキッド全盛時代だった

【’89 KAWASAKI ZEPHYR】往年の空冷Zの雰囲気を再現すると同時に、当時の流行だったカスタムテイストを取り入れたゼファーは、今になってみるとネオクラシックの原点と言うべきモデル。パイプハンドル/ダブルクレードルフレーム/ツインショック式リヤサスという構成は、以後の日本製ネイキッドの規範となった。

【’93 YAMAHA XJR400】ライバル勢のエンジンが他機種の転用だったのに対して、XJRの空冷4気筒は、500㏄以上の排気量拡大を視野に入れて新規開発。’98年以降はブレンボ製フロントキャリパーとオーリンズリヤショックを標準装備。

【’94 KAWASAKI ZRX-400】ZRXのモチーフは’80年代前半のZ1000Rだが、’95年以降はノンカウル+丸型ライトのIIも併売。水冷4気筒エンジンはZZR400がベースで、吸気系はダウンドラフト→サイドドラフト化。

【’94 SUZUKI GSX400 IMPULSE TYPE S】400カタナの基本設計を転用して生まれた新世代のインパルスは、往年のGSシリーズを思わせる雰囲気。ビキニカウルを装備するタイプSは、’79〜’82年型GS1000Sのイメージを再現。

【’97 SUZUKI INAZUMA】GSF750をベースに開発されたイナズマは、クラス唯一にしてスズキ独自の油冷エンジンを搭載。’98年には、逆にこの車両を大幅に発展させたモデルとして、イナズマ1200が登場した。
●文:中村友彦
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