’20 ヤマハ YZF-R1:新モデルは大幅ポテンシャルアップ
【顔つきはより鋭く】’19年型のスタイリングイメージを踏襲しながら、MotoGPマシンYZR-M1の雰囲気をより多く取り入れた外観に。LEDデュアルヘッドランプとポジションランプも新作だ。
【ヘッドを刷新し細部を熟成】クロスプレーン型エンジンは、スロットルバルブと燃焼室を近づけるために新作されたシリンダーヘッドを採用し、バルブ傘裏狙いの斜流噴射インジェクターを搭載。フィンガーロッカーアーム式バルブシステムはアーム形状が見直され、潤滑系や冷却系も改良。
【強靭な骨格は踏襲】アルミ製デルタボックスフレームにマグネシウム製リヤフレーム、アルミ製スイングアームやマグネシウム鋳造ホイールなど、骨格は基本的に’19年型から引き継がれている。
【足回りもセッティング変更】スタンダード仕様はKYB製の前後サスペンション(もちろんフルアジャスタブル)を搭載。’20年型ではセッティングが最適化され、とくにフロントの接地感向上が実現された。
空力特性を高めた新作フロントカウルは、上体を伏せた姿勢のときにライダーがカウル内側に収まるように配慮。ヘッドライトは、ロービーム時の照射範囲が大きく向上した。
4.2インチTFT液晶カラーメーターは’19年型と同様だが、エンジンブレーキマネジメントとブレーキコントロールの電子制御機構追加に伴い、表示機能が変更されている。
“R1M”はさらにハイグレード
【カーボンがより際立つ】上級仕様のYZF-R1Mは、カーボン外装やオーリンズ製の電子制御サスペンション、専用サイズの後輪、アルミにバフ掛けした燃料タンクやスイングアーム、データロガー機能も採用する。
【オーリンズは別タンク付きに】オーリンズ製の電子制御サスペンションもアップデート。フロントフォークは、ブレーキキャリパーサポート付近にガスシリンダーが埋め込まれた新型となった。ガスによる加圧でキャビテション(サスペンションオイルの泡立ち)を抑制し、減衰力の安定に貢献する。
ニューデザインのカーボン製フロントカウル&サイドカウルを採用。’19年型よりもカーボン地のエリアがかなり拡大されている。
これまで一般的な樹脂で成形されていたテールカウルも、20年型はカーボン素材(=炭素繊維強化プラスチック)となった。
’20年型は、燃料タンクカバーの上面にシリアルナンバーが刻印されたエンブレムを搭載。これまで以上にプレミアムな雰囲気だ。
【’20 YAMAHA YZF-R1/R1M】■全長2055 全幅690 全高1165 軸距1405 シート高855[860](各mm) 車重201[202]kg キャスター24.0度 トレール102mm ■水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 997㏄ ボア×ストローク79.0×50.9mm 200ps/13500rpm 11.5kg-m/11500rpm 変速機形式6段リターン 燃料タンク容量17L ■ブレーキF=Wディスク R=ディスク ■タイヤF=120/70ZR17 R=190/55ZR17[200/55ZR17] ●価格:236万5000円(R1)/319万円(R1M) ●色:青 黒(R1)/カーボン(R1M) ●発売日:8月20日 ※使用写真は一部を除いて海外仕様車 ※[ ]内はR1M
●文:田宮徹 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
MotoGPもようやく再開されましたね。ただ、関係者を最低限に絞り全員にPCR検査を行い、無観客で行われています。国内でも、4輪のSUPER GTは無観客、短縮スケジュールで開催されています。 国内の[…]
ヤマハYZF-R1は、1998年に初代が登場して以来、スーパースポーツ市場を牽引してきたヤマハのフラッグシップモデル。当初は“セカンダリーロード最速”を標ぼうし、公道ワインディングでこそ最も楽しめるマ[…]
2019年夏に欧州および米国で発表された2020年型YZF-R1/Mだが、その際に日本仕様は2020年夏頃に発売予定とされ、プレストコーポレーションによる逆輸入車の導入も見送られてきた。なぜなら、世界[…]
総合部門2位のYZF-R1が、順当に海外モデル部門首位をゲット。'17年は1位、前回は2位に甘んじたが、再び栄冠を手にした。前回トップのNinja H2がビッグバイク部門に移籍したとはいえ、この強さは[…]
ブリヂストンの公道用ラジアルとして、最もハイグリップなタイヤとなる「RS11」。そんな製品に対し、筆者は「サーキット専用のR11をストリート向きにアレンジしたタイヤだろう」と、安直な予想を立てていた。[…]
最新の記事
- 定番125ccスクーター! ホンダ「PCX」歴代モデル図鑑【2018年モデル:「美しさと力強さ」がコンセプト】
- 「俺の嫁に会いに行く」スズキ×ストリートファイターのコラボ『GSX-8R Tuned by JURI』が展示開始
- 「やっぱヤマハは尖ってる」世界初のキャブターボ:1982 ヤマハXJ650ターボ【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 同じ天気予報でもここまで違う!? ライダーのハートに刺さる、お役立ちスマホアプリ5選を紹介してみた
- 安全第一! 雪にまつわるバイクのQ&A「雪道や凍結路は通れる?」「融雪剤でバイクが滑る?」