オフロードマシンビギナーや、林道走行にこれからチャレンジする人たちに向けた「初めての林道ツーリングブーツ選び」。林道ツーリングで最適となるプロテクション性能と歩行性能を両立したオフロードブーツの最新モデルを『オフロードマシン ゴー・ライド』より2回に分けて解説。今回は前編として5足を紹介しよう。
●文:小泉裕子 ●写真:堤晋一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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使用目的によって、オフロードブーツは大きく違う!
オフロード用ブーツには、大きく分けてモトクロス、エンデューロ、トライアルがある。
モトクロスは速度域が高くジャンプの着地など衝撃も大きいため、インサイドにプラスチックが入るなどプロテクション性と堅牢性が重視される。
エンデューロはモトクロスより速度は低く、足を着いて車両を押し引きしたり急斜面などでバイクを支えることもある。そこでブーツはプロテクションを装備しつつも足首の自由を奪うガッチリしたプラスチックプロテクションはなく、操作性やグリップ力が重視されている。
繊細なマシンコントロールが求められるトライアルは、ブーツも柔らかくライダーの動きを妨げない程度のプロテクション性となり、完全に操作性に重点を置いた作りになっている。
これらに加え、アドベンチャーブーツと称されるカテゴリもあり、その名のとおり、悪天候に対する防水性能はもちろん、ライダーを疲れさせないほどよいプロテクションと歩行性を持ち、オンでもオフでも使えるものが多いのが特徴だ。
オフロードにはいくつものジャンルがあり、ブーツもそれによって使い分ける必要がある。
“ライディング時のプロテクション性”はもちろん、林道ツーリングに欠かせないのが”歩行のしやすさ”。加えてシフトペダルやブレーキペダルの”操作性”など項目別に評価しているので、自分のツーリングスタイルに合わせたベストな1足を見つけよう! サイズは別記しているもの以外は25.0cmを選んでおり、重量は片足の編集部実測値を掲載している。各ブランド別のサイズに対するブーツの大きさや違いなども参考にしてほしい。
ガエルネ EDプロ アート405:革の持つ性能を最大限に活用。オールマイティに使えるモデル
「歩きやすく、履きやすく」というコンセプトどおり、履いた瞬間から足にしっかりとなじみ、驚くほどしなやかな動きが可能だ。また極力プロテクションをそぎ落としつつも、革本来の性能を発揮させる裁断法や技術により、プロテクション効果も必要充分に確保されている。フラットからハードな林道まで安心して走れる&歩けるブーツだ。
【GAERNE ED-PRO art.405】■素材:フルグレインレザー 重量:1480g サイズ:23.5〜29.0cm(0.5cm刻み) ●カラー:ナチュラルブラウン(オイルドレザー) ホワイト ブラック ●価格:4万2900円|ジャペックス
[1}ブーツ内側のグリップガードがマシンのホールド性を高める。[2]ビブラム社のブロックソールを装備。ソール自体の軽さに加え、歩きやすさとダートでの確実なグリップ力を持つ。[3]バックルの取り付け位置を変更すれば、ふくらはぎ部を拡張可能だ。オプションのエクストラロングストラップを用いることでさらに拡張の幅が広がる。足首の前後方向への可動域は大きく革の性能を活かしたプロテクション性も確保。[4]内装は場所によりパッドの厚みを変えることでフィット感向上に貢献している。
編集部による5段階評価
フォーマ アドベンチャー:柔らかい履き心地に防水性も。タフなアドベンチャーブーツ
ちょっとしたプロテクション性能を持ちつつも、油分を多く含んだ高級本革に透湿防水メンブレンを採用するなど、ツーリングでの快適性や利便性が追求されている。その履き心地と歩行時の快適性は群を抜いており、全天候で使用可能なタフさは、ハードめな長距離の林道ツーリングにも耐えうるブーツだ。
【Forma ADVENTURE】■素材:本革 透湿防水DRYTEX 重量:1055g(40サイズ) サイズ:39(25.0cm)〜45(28.0cm) ●カラー:ブラウン ブラック ●価格:4万6200円|岡田商事
[1]履いた瞬間から足首をスムーズに動かせるのは、高級本革を使用した素材の柔らかさゆえ。くるぶしにはパッドを内蔵し、プロテクション性をサポート。[2]ソールには耐久性の高いラバーソールを採用し、高い歩行性を確保。[3]締め付け調節を可能にするベルクロとプラスチックバックルを採用。[4]ブーツ内部は抗菌仕様のインナーソールを採用し、履き心地を高める形状記憶ポリマー素材の使用でフィット感を高めている。
編集部による5段階評価
シディ X-3エンデューロ:ミドルハイエンドモデルにエンデューロソールを採用
SIDI X-3シリーズのエンデューロソール採用モデル。X-3はモトクロスブーツならではの堅牢さと硬さを持つが、このレベルのプロテクション性を持つブーツの中ではかなり軽量で操作性やフィット感に優れている。ソールがブロックソールなので高いグリップ力を備える。林道ツーリングでも完全なプロテクションを求めるライダーに最適。
【SIDI X-3 ENDURO】■素材:テクノマイクロ 重量:1650g(9.5サイズ) サイズ:7.5(25.5-26cm) 8.5(26-26.5cm) 9.5(26.5-27.5cm) 10(27-28cm) 11(27.5-28.5cm) 11.5(28.5-29.5cm) ●カラー:ブラック×ブラック ●価格:5万8080円|ウエストウッドMX
[1]操作性に優れたピボットを採用し、激しいライディングまで可能。[2]ソールをブロックソールにすることで、マディでのグリップ力、エンデューロ走行にも対応。[3]横方向への可動域を制限しながらも前後方向の可動域に優れたピボットは、シフトやブレーキ操作を楽にしてくれる。[4]簡単に脱着できるバックルやベンチレーションを備えるほか、ニーブレース装着に対応した長めのストラップが標準装備されている。
編集部による5段階評価
フォックス コンプエックス:重さを感じさせないフィット感。スピード走行にも対応する一足
トラクション性能に特化した高いグリップ力を持つアウトソールを採用し、足首の動きが柔らかめの設計でブレーキングやシフト操作がしやすい。バックルがストラップのアームをつかんだ状態で上下に可動するので、足を踏ん張った時にブーツ前側が可動し足に追従してくれる。アクティブに林道を攻めつつ、歩行性も重視する人にオススメ。
【FOX COMP-X】■素材:シンセティックレザー 重量:1700g(8サイズ) サイズ:8(26.0cm) 9(26.5cm) 10(27.0cm) 11(27.5cm) 12(28.5cm) ●カラー:グレー ブラック ●価格:3万8500円|ダートフリーク
[1]耐久性にすぐれるラバーコンパウンドを使用。フラットで車体をホールドしやすく、履き口までしっかりカバーされている。[2]歩行時のグリップとフットペグへのすぐれたグリップ力とサポートを実現したブロックソール。[3]コーナリング時にブーツが地面を滑りやすいデザインにしたヒールキャップ。[4]ヒモを引っ張ることで簡単に足首まわりのフィット感を調整可能。バックルを外してもそのまま歩行できるほどのホールド力を持つ。
編集部による5段階評価
アルパインスターズ テック7 エンデューロブーツ:独自のピボット機構とソールで+αの操作性とグリップを実現
アルパインスターズのスタンダードモデル「テック7」にグリップ力を高めた新形状ソールを装備したエンデューロモデル。内と外で異なる形状のピボットシステムを採用したことで、足首の可動域と抑制のバランスを高次元で実現し、履き心地も軽い。レース使用を想定した上で林道ツーリングでもプロテクション重視を望むならこの一足だ。
【alpinestars TECH7 ENDURO BOOTS】■素材:マイクロファイバー 重量:1750g(10サイズ) サイズ:5(24.0cm) 6(25.0cm) 7(25.5cm) 8(26.5cm) 9(27.5cm) 10(29cm) 11(29.5cm) 12(30.5cm) ●カラー:ブラック ホワイト ●価格: 6万280円|ダートフリーク
[1]内側のTPUプレートはマシンとのグリップ性向上に貢献。くるぶし上部にあるピボットシステムがブレーキ、シフト操作を容易にし、バイクの押し引きでも動きやすさに貢献する。[2]ソールは交換可能なフラットインサートを採用、すぐれた操作性とグリップ性能を発揮する。[3]アーチ型の留め具をピンポイントで引っ掛けるバックルシステムが、最小限の力かつ簡単な着脱を可能にしている。[4]内装は通気性の高い3Dメッシュライナー。
編集部による5段階評価
ソールもこれだけ違いが!
モトクロスブーツは、足を出してコーナリングする際に足を滑りやすくさせるために、路面に引っかかりにくいフラットソールになっている。高いスピード域でソールがグリップしようものなら、ヒザを持っていかれる危険があるからだ(↓写真[1])。
トライアルブーツはどこで足を着いても一定のグリップを得るために土踏まずのないブロックソールになっている。また動きの幅を広げるためにブーツ高さも低い(下写真[2])。
エンデューロブーツはさまざまな地形や路面を走るため、靴底が滑ってしまわないように踏ん張りがきくようにタンク底ともいわれる登山靴のようなブロックソールになっている(下写真[3])。
↓後編へ続く↓
自分の足のサイズ感は、把握しているつもりでも意外とアバウトなもの。オフロードブーツを選ぶ際は、左右での足の大きさの差/足の甲の高さ/足の甲の幅/ふくらはぎの太さなど、この"サイズ感"がよりシビアに求め[…]
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