青木拓磨選手がプロデュースするレンタルミニバイク耐久レース「Let’sレン耐」。その’19シーズン最終戦に「Teamヤングマシン」が参戦した。ヤングマシンメンバーズから抽選で選ばれた会員2名とともに激走した模様をお届けする。
●取材/文:宮田健一 ●写真:高橋 学、宮田健一 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
青木拓磨プロデュース「Let’sレン耐」とは
「Let’sレン耐」とはホンダのグロム125、モンキー125、エイプ100を使ったレンタルミニバイクの耐久レース。ガソリン量や最低ピット回数などが決められており、それにピットイン3回ごとにはミニゲームも。ただ速いだけでは勝てないようになっており、チーム皆で力を合わせて1日を楽しむ、いわばバイクの運動会だ。各クラス6位までトロフィーが用意されているほか、人生初レース経験者枠にも表彰台のチャンスあり。レンタルツナギもあるので、初めての人でも簡単に楽しめるレースイベントだ。
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今年で16年目を迎える「Let’sレン耐」。主催は青木3兄弟の次男・青木拓磨選手だ。
’19シーズンは全国各地で計30戦以上開催。参加者はのべ2500人近くに上った。
レースにはホンダプロライダーも多数参戦
2019年は、’59年のマン島TTから始まるホンダの世界選手権挑戦から60周年ということで様々な企画が行われた。その締めくくりとなったのが、「ホンダレーシング60周年杯」を冠としたLet’sレン耐の’19最終戦。当日はMoto3や全日本などを戦うホンダの有名ライダーたちが多数参戦した。
世界選手権からはMoto3ライダーの小椋藍選手、’20から同クラスにフル参戦の國井勇輝選手、彼らが所属するHonda Team Asiaの青山博一監督。全日本選手権からはJSB1000の水野涼選手と’19年J-GP2チャンピオンの名越哲平選手。さらにCEVレプソルインターナショナル選手権Moto2クラスの石塚健選手、’19鈴鹿4耐にGOSHIレーシングで活躍した小椋華恋選手、CBR250RRドリームカップの梶山采千夏選手といった有名ライダーたちが、一般参加者とイコールコンディションで挑戦。さらに拓磨選手の弟・治親選手も走ったのだ。
ホンダライダーチームとして終盤までトップ争いを演じていた#77「Honda Racing Akigase」。だがハイペースが仇となってラスト32分でガス欠! ドラマを見せてくれた。
もうひとつのホンダチーム#73「Honda Racing Udon」は、ガス欠なく完走。プロの走りに食らいつこうと一般参加者もヒートアップしていた。
決勝後は、’20シーズンからレン耐に導入されるスーパーカブ110でホンダライダーたちがスプリントレースを披露。最初はお遊びムードだったが、やがてガチ状態に。最後は水野涼選手がバトルを制した。
【青木拓磨選手もレース参戦】なんと途中から青木拓磨選手もハンドシフトのモンキーで走行するサプライズ。また、今年ル・マン24時間に挑戦する彼のために参加者有志が準備してきた応援セレモニーも行われた。
『WEBヤングマシン』の連載でおなじみ、元ブリヂストンの山田宏さんも自チームを率いてレン耐常連、そして強い。モンキークラスで2位をゲットした。
そして我らが「Team ヤングマシン」参戦奮戦記
さて、我々「Team ヤングマシン」についてだが、抽選で選ばれたヤングマシンメンバーズ2名とともにレースに挑んだ。メンバーズ1号は、限定解除時代に一発で合格したものの、最近ZX-6Rを手に入れるまで長いブランクがあったと言うYさん。メンバーズ2号は、エイプやNSR50レーサーでバリバリ言わせてレン耐歴も長いけど、身体を傷めるなどがあって実戦は2年半ぶりというSさんだ。
サーキットは走るのも訪れるのも人生初というYさんだったが、すぐに走りに慣れた様子。Sさんも昔の感覚を取り戻していく。
ヤングマシンメンバーズから公募抽選により選ばれたSさん(後左)とYさん(後中央)、ライター・ミヤケン(後右)、それに助っ人として青木治親選手(!!)が# 26「Teamヤングマシン」として挑戦。マシンはモンキー125だ!
Team YMの予選はクラス2番手の快挙! だが…
今回は予選1時間+決勝3時間の変則4時間。予選スタートライダーには慣れているSさんにお願いすることに。まずは順調だ。続いてYさん。初体験ながら危なげない走りで「これなら心配しなくて大丈夫っすね」とひと安心。
そこで3番手として秘密兵器・青木治親選手を投入し、一気に順位を上げる作戦に出た。ハルちゃんの期待に違わぬ走りで、最後は順位を下げないようミヤケンが頑張り、なんと予選クラス2番手をゲット!
スタートは耐久ならではのル・マン式。予選では経験者のSさんが担当。
Yさんはサーキット初体験ながら危なげない走り。レン耐では、朝の初心者講習でしっかり基本ルールも教えてくれるので安心だ。
本来は他チーム所属の青木治親選手を借りて我々の秘密兵器に。さすが125世界チャンプ速さで、予選クラス2番手ゲットの決め手に!
「これなら決勝も行けるぜ〜!」と思ったのだが…それは束の間。決勝しばらくして「アレ?」。5段階ある燃料メーターがすでに残り3つしかないのだ。予選ではグリッドを決めるだけだったのに頑張りすぎましたね。
「燃費走行でいきましょう…」 ホンダライダーに加え、決勝で本気を出しまくる他チームの速さにホヘ〜となりながら、我らはとにかく転倒なく完走優先で。それでも残り1時間ともなるとメーターはペッカンペッカンとリザーブを告げる点滅が。いつ止まってもおかしくない。と思ったら、まわりはもう何台かスローダウン。ホンダチームも止まってるよ!
決勝のスタートはYさん。初体験でドキドキしながらも見事に成功。2番手のSさんに繋ぐ。序盤から残燃料が厳しいことが判明したため、Sさんはベテランらしく燃費走行と周回ペースをうまく両立してくれた。
普段はレン耐裏方でもあるミヤケンは今回ライダーの立場に。前車を抜かすのに必死でサインを何度も見落とすという大失態(>_<+)
走っているYさんにピットサインを送るSさん。ミヤケンと違い、YMメンバーズ2名はしっかり確認して見落とすことはなかった。
レン耐では3回のピットインごとにミニゲームをクリアしないとコースに復帰できない。チーム全員の協力が不可欠なのだ。
そんなこんなであっという間に3時間が過ぎ、ホンダライダーやベテランたちの速さに舌を巻きながらも、我々は転倒することもなく無事239周を走り切り完走。次(があれば)頑張るぞ〜と誓うのであった。
予選1時間+決勝3時間はあっという間に過ぎ、転倒もガス欠もすることなく、最後はYさんがチェッカーで完走。
Teamヤングマシンは「モンキークラス」5位でトロフィーをゲット! 「人生初レースクラス」では惜しくも表彰台まで40秒及ばずの4位。でも、一日楽しんで景品も当たって我ら全員ニッコニコ。
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