カワサキ躍進を支える人物の証言

カワサキのキーパーソンが語る、Ninja ZX-25Rを世に送り出す狙いとは?

  • 2020/3/18
カワサキ Ninja ZX-25R[東京モーターショー2019参考出品車]

脳天を貫くフォーミュラサウンド、2万rpmに迫る超高回転域…。長らく途絶えていたハイメカの極致、250cc直列4気筒モデル「Ninja ZX-25R」がカワサキの手で現代に甦る。我々ヤングマシン編集部は、話題のニューモデルを世に送り出すカワサキ側のキーパーソンに直撃インタビューを敢行し、ZX-25Rのキャラクター設定とその狙いについて話を聞いた。

●文/まとめ:沼尾宏明 ●写真:真弓悟史、編集部

「上までキーンと回ります」大型バイクと異なる新しい世界を提案

〈YM〉まずはNinjaZX25Rの狙いやコンセプトを教えてください。

「今まで250㏄クラスは、楽しさを追求しつつ、間口を広げることを念頭に置いて開発してきました。そのため、装備のグレードはある程度、コストを考慮する必要がありました。一方、NinjaZX25Rは、少しステップアップして楽しんでもらえるのがコンセプト。街乗り用としてもサーキット用としてもワンランク上の装備を採用しています。

また、ワールドスーパーバイクの欧州ラウンドで併催しているWSS300クラスなど、レースのエントリークラスで楽しんでもらえるバイクを意識しました」

カワサキ Ninja ZX-25R

【桐野 英子氏】川崎重工業株式会社 モーターサイクル&エンジンカンパニー マーケティング部 部長。市販車全般のマーケティングのほか、レースにも携わる。近年のカワサキ躍進を支えるキーパーソンのひとり。

〈YM〉 250の中でも少しハイグレードなバイクになるのですか?

「はい。東南アジアでは、より経済的に余裕のある方向けと考えています。マーケットとしてはインドネシアが大きいですが、我々の想定以上に日本国内の関心も高い印象です」

〈YM〉 ’17年春にインドネシアカワサキがWebでアンケート調査を実施しましたが、やはり現地の要望から開発されたのでしょうか?

「どちらかと言えば、現地からの要望というよりカワサキ側からの提案です。乗ってみると『こういう世界もあるんだな』と思ってもらえるはず。また、大型バイクに乗っている人にとっても違う楽しみがあると思います」

〈YM〉 今では250㏄4気筒のフィーリングは独自性が高いですね。

「今、バイクが高性能になりすぎているし、価格も高い。非常にハードルが高くなっています。もう少し手軽に楽しめるスポーツ性も必要かなと考えています。このNinja ZX25Rは、昔の4気筒とはまったく異なります。昔は高回転域のパワーを重視して、低回転域がスカスカなんてこともありましたが、このモデルは上が1万7000回転までキーンと回って、低中速のパワーも十分ありますよ」

〈YM〉そのような走りは、どんな技術がベースになっているのですか?

「電子制御スロットルをはじめ、様々な技術を駆使しています。スーパーチャージャーほど注目度は高くないかもしれませんが、かなり力を入れて開発しています」

〈YM〉 以前より排ガスなどの環境規制が厳しいですが、技術的に難しかったのでは?

「そうですね。ただ全般に規制が厳しくなるとともに、様々な技術も進化してきました。例えばW800についても、空冷ですが走行フィールを高めながら規制も通しています。ベースとなる様々な技術が向上しています」

〈YM〉インドネシアと日本では仕様がかなり異なるのでしょうか?

「仕様は違います。まだ認可を取得していないので発表できませんが、とはいえそう大きな差はないはずです」

〈YM〉 ところで250㏄4気筒と言えばサウンドが魅力ですが?

「音はメチャクチャいいですよ。非常にこだわって開発しているので自信があります。ぜひご期待ください。また、トラクションコントロールとクイックシフターもいい出来です。大型バイクと比べても遜色がないですね」

〈YM〉今から発売が楽しみです。

「2気筒とは違うキャラクターと楽しさを味わっていただければと。国内向けにも準備を進めていますので、楽しみにお待ちください」

正式発表が待ち遠しいNinja ZX-25R。次ページでは伝説のカワサキ4気筒250cc「ZXR250」をプレイバック。その究極のパッケージングには今もなお驚かされる。

最新の記事

※本記事の内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。