メインストレートを駆け抜けるCBR1000RR-Rファイアーブレードは、レースベース車かつ欧州仕様。とはいえ、3月20日に発売となる国内仕様市販車と車両の構成はほぼ同じ。性能に関しては同一といっていいはずだが、そのサウンドはあまりにもレーシーだ。標準装着のアクラポヴィッチ製チタンマフラーは、いったいどんな構造なのか?
交換されるぐらいなら、最初から最高のものを付けてしまえ
スーパースポーツのユーザーは、性能アップや軽量化、サウンド、そして見た目のデザイン性をまとめて自分好みにできるカスタム、“マフラー交換”を好む傾向にある。いや、スーパースポーツユーザーに限らないか。
それはともかくCBR1000RR-Rファイアーブレードは、アクラポヴィッチ製チタンマフラーを最初からノーマルパーツとして標準装着することを前提に開発してきている。ここまで高性能を狙ったマシンだと、後からマフラー交換をして大幅な性能アップを求めることも簡単ではないし、何より300万円に迫るバイクに交換前提の部品が付いているのも……。
そうしたやり取りが開発陣にあったかどうかはともかく、最初からノーマルパーツとして、高性能かつデザイン性にも音質にも、そして重量にも納得できるマフラーを装着したいと考えたのは間違いない。その結果が、冒頭の映像で聞こえるエキゾーストノートである。
デザインもファクトリーマシンが採用するレーシングマフラーに似通っており、満足度は高い。サイレンサーに接続されるエキゾーストパイプの本数が異なっているが、これがノーマルで格別のサウンドを生み出す秘密になっている。
CBR1000RR-Rファイアーブレードのサイレンサーは、排気バルブで2つの排気通路が分けられた構造になっており、これを回転数によって切り替える方式。低速時はバルブを閉じて多段膨張式とし、低速トルクを増すとともに排気音量を低減。高回転になるとバルブが開き、なんとストレート排気になる。可変バルブ機構の採用を見送ったのには、これで十分にトルクの確保と排ガスのクリーン化ができるという判断もあったのだろう。
【おまけ映像】JARI高速周回路を駆け抜けるCBR1000RR-Rファイアーブレード【こちらも必聴!】
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