225㏄時代/250㏄時代を合わせて約35年の歴史を持つヤマハ セロー250の生産終了というニュースは、バイク業界および一般ライダーの間で衝撃をもって受け留められた。その最終モデル・ファイナルエディションは豪華装備を盛り込んだ特別仕様。新車を手に入れられる最後のチャンスとあって、人気が集中することが予想される。
●文/写真:谷田貝洋暁 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
ファイナルにふさわしい豪華な装いの赤と緑
登場から35年。ヤマハのラインナップでもロングセラーのセローがついにファイナルを迎えることになった。二輪二足で野山に分け入るマウンテントレールという新しい文化を日本に持ち込んだセロー。その軽さ、扱いやすさ、足つき性からオフロード、ひいては、オートバイそのもののエントリーモデルとして愛されていただけに、これでファイナルとはとても残念なこと。
生産終了という決断は、今後たて続けにやってくる灯火器やABS、排出ガスといった各種規制に対して、セローらしさを保持したまま現実的な価格で提供するのが難しくなることが最大の理由だ。
果たして、ヤマハから「セロー」というブランドは消えてしまうのか? それとも新たなセローが誕生する可能性があるのか? 今後の展開について関係者は「このエンジンと車体での新しいセローはない」と語る。よって、’18年型でカムプロフィールや圧縮比、サイレンサーなどの変更を施してより熟成度を増したこのパッケージを、新車で買うチャンスはこれが最後となるのだ。
さて、このファイナルエディション。やはり目新しいのは1985年に登場した初代を彷彿とさせる緑&赤のカラーリングだ。初代と同じように、フレームまで赤と緑に塗装されておりスペシャル感は満点! 担当デザイナーの太田晴美さん曰く、「赤は、インターカラーのイメージや戦闘的なイメージが強くなりすぎないように注意した」という。グラフィックも「線が途中でなんども折れ曲がるようなデザインはレーサーではできませんが、この『山型フローライングラフィック』はセローならではの手法ですね」と語る。特徴的なフレームのカラーリング発色が各部位で塗装部門ごとに差が出てしまい、同調させるのに苦労したとか。
また、このファイナルエディションには225時代を象徴するカモシカマークをモチーフにしたエンブレムがタンクに配される。
セローファイナルエディションまでの系譜
’85 セロー225:乾燥重量103kgで登場
’00 セロー225:225cc時代の最終型
’05 セロー250:排気量改変
’08 セロー250:FI搭載
’18 セロー250:キャニスター装備
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