中国の五羊ホンダで生産されているアドベンチャーモデル、CB190Xが日本上陸。五羊ホンダのラインナップにおいてはガソリンエンジン車のフラッグシップにあたる1台だ。フル装備で40万円を切るというのも驚きだが、それ以上に走りの良さに注目してほしい。安いだけでなく機能性も優れており、若いライダーに強く勧めたい。
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[◯]フル装備でも操作安定性OK。ベストバイな入門車だ
「CB190X」という車名を聞いたとき、’16年に試乗したストリートファイター・CB190Rを思い出した。同じく中国で生産されていた機種で、バンク角主体で気持ち良く向きを変えるハンドリングに感動。詳細な資料がないので断言はできないが、エンジンのスペックはもちろん、ブレーキの仕様や標準装着タイヤの銘柄まで同じなので、おそらくこれをベースに誕生したのがこのCB190Xだろう。
さて、今回は「バイク館SOX」で販売されている状態、つまりケース類など通常オプション設定されるようなパーツを装着したままでテストを行った。エンジンはシンプルな空冷SOHC2バルブ単気筒で、184ccから約16psを発生する。やや控えめに思えるが、同じ空冷2バルブのスーパーカブC125よりも1ccあたりの出力は多いのだ。低回転域からの吹け上がりはややビジネスバイク的でゆったりとしているが、低回転域からしっかりとトルクが出ており、発進で街の流れをリードできるだけの加速力を見せる。トップ5速100km/hでの回転数はメーター読みでおよそ7800rpm。レッドゾーンが9000rpm以上なので限界に近いはずだが、空力的に不利なケースを装着していながら上り坂でもその速度を維持でき、体に伝わる不快な微振動も少ないのだ。
高速道路では、ウインドプロテクションと乗り心地、そして直進安定性の高さに感心した。防風効果は大排気量のアドベンチャーモデルに比肩するほどで、乗り心地はしなやかなフレームと足回り、そしてラジアルタイヤが効いているのだろう。
ハンドリングは、ケース類の追加による重量バランスの変化、およびフォークの仕様違いによって、CB190Rの人車一体感からは離れてしまっているが、それでもどんな操作であれ車体を傾ければ曲がれるという安心感は継承。積載すると急にハンドリングが変化する機種もあるが、CB190Xはそれも含めてきちんとテストされているようだ。
なお、ブレーキはフロントのみABSを採用。これの作動性についても及第点であり特に不満はない。
3ケースが標準装備。取り外しはスムーズ
[△]タンデム+フル積載でパワー不足になるかも
勾配が10%を超える峠道を走っている際、レッドゾーン付近まで回してもパワー不足を感じたので、タンデムでフル積載となると若干厳しいかもしれない。とはいえ、高速の流れには乗れるだろうし、余裕を持って出発すればいいだけのことだ。
[こんな人におすすめ]驚異の価格破壊。間口は確実に拡大するだろう
テスト時の燃費は31.9km/Lだった。空力的な不利が影響した可能性は大きい。もしワークマンがバイクを企画したら……。そんな妄想を具現化したような、安いだけでなく機能性も優れており、若いライダーに強く勧めたい1台だ。
【取材協力 バイク館SOX川口店】試乗車はXSR155とともにバイク館SOXから借用。同社は海外生産の輸入新車を豊富に扱っており、全国56のグループ店で購入できる。(埼玉県川口市南鳩ケ谷3-22-23 TEL:048-281-1666)
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