トルクフルな並列2気筒エンジンを搭載し、軽快なハンドリングと使い勝手のよさで日本国内でも評価の高いカワサキのニンジャ650(Ninja 650)。その2020年モデルとして欧州&北米で新型が発表された。最新“ニンジャファミリー”の顔つきが与えられたほか、さらなる軽快さと快適性を手に入れている。
※掲載写真はすべて北米仕様
カワサキのニューモデル攻勢が止まらない!
国内では7月のZ900RS新色やブランニューのKLX230に始まり、ニンジャ400/250KRTエディション、Z400/250、ニンジャH2 SX SE、ヴェルシス1000 SEと順次発表されてきたが、世界に向けてはスーパーチャージャーを搭載した新型Zの登場を示唆するティーザー動画の投下など、毎週のようにバイクファンの心を熱く燃えさせている。さらにインドネシアで公開したニンジャ250SLのティーザー動画では、新型が登場するかのような雰囲気を醸し出しつつKRTカラーの予告だったという、絶妙な焦らしすら見せる余裕っぷりだ。
そんな中で登場した次なるニューモデルは、新型となったニンジャ650だ。あくまでも欧州&北米仕様の発表となるが、日本でも従来モデルがラインナップされていることから、近い将来にモデルチェンジ版の国内仕様が登場するはず。この勢いのまま東京モーターショーまで突っ走り、スーパーチャージドZおよび4気筒250ccの正式発表で最高のカタルシスとなるのか、それともミラノショーでさらに……!?
並列2気筒エンジン搭載の軽快スポーツツーリング
カワサキのニンジャ650は、トルクフルな並列2気筒エンジンに軽快な車体構成で、スポーティにも走れてツーリングも快適というオールマイティさがウリ。さらに80万円台前半(国内仕様・2019年モデル)というリーズナブルな価格もあって、玄人好みな存在ながら評価は高い。
今回発表された新型ニンジャ650(欧州&北米仕様)は、最新世代のアグレッシブな“ニンジャスタイリング”が与えられ、左右2眼のLEDヘッドライト、TFTフルカラーメーターパネル、より快適なパッセンジャーシートなどを採用。さらにブルートゥースでスマホと接続できる『RIDEOLOGY THE APP』というアプリを採用したりと、素性の良いベースは維持しながら走りと快適性、利便性に磨きをかけている。
新しいスタイリングは、スーパーバイク世界選手権で5連覇を達成したニンジャZX-10Rからイメージを引き継いだアグレッシブなもの。アッパーカウルは幅が広くなり、やや低くなったウインドスクリーンとともにスポーティなイメージを強調しながら、ウインドプロテクションも向上しているという。新採用ツインLEDのヘッドライトは最新ニンジャに共通する逆スラントタイプとなった。また、カウルを留めるボルト類を省略し、ボディワークがスッキリしている点も地味ながら見逃せない。
もともと素性の良かったハンドリングについては、軽量スチールパイプフレームなど骨格部分に変更はなく、タイヤを新しいダンロップ・スポーツマックス ロードスポーツ2とすることで、より軽快な操縦性を得ている。また、従来型を見比べても違いが顕著なパッセンジャーシートは、肉厚のクッションを採用することで快適性を向上。さらに前方を以前よりも高くすることでパッセンジャーのホールド性を増し、ライダー側はシートストッパー部分の厚みが増して使いやすい設定となった。
4.3インチTFTメーターパネル+“RIDEOLOGY THE APP”
新型ニンジャ650はフルカラーTFTの4.3インチメーターパネルを採用。従来はアナログ式タコメーターにモノカラーのデジタルスピードメーターを組み合わせていた。新しいメーターパネルはバックグラウンドカラーを白または黒に変更でき、ライダーが見やすいほうを選択可能。ハンドルバーのスイッチでメニューをスクロール&選択できる。
また、新たにスマートフォンと連動する専用アプリの“RIDEOLOGY THE APP”によって車両情報やGPSロギング機能、ライディングモードの設定などが可能に。また、通常のメーターパネルの機能であるトリップメーターや燃料残量計といった情報をスマートフォンで見る事もできるほか、最大バンク角や平均速度、バッテリー電圧なども表示できる。バイク側の電源をオフにした際には、アプリ側に情報が残され、上記のさまざまなインフォメーションを後から見る事も可能。そして、車両セッティングを変更した場合には、バイク側の電源がオンになり、コネクションが再開された際にアップロードされるというから便利そうだ。
KAWASAKI Ninja 650 ディテール
KAWASAKI Ninja 650 スタイリング&スペック
【KAWASAKI Ninja 650[2020 model]】主要諸元■全長2055 全幅740 全高1145 軸距1410 シート高790(各mm) 車重193kg■水冷4ストローク並列2気筒 DOHC4バルブ 649cc 68ps/8000rpm 6.5kg-m/6700rpm 変速機6段 燃料タンク容量15L■ブレーキF=φ300mmダブルディスク+2ポットキャリパー R=φ220ディスク+1ポットキャリパー タイヤサイズF=120/70ZR17 R=160/60ZR17 ※諸元は欧州仕様 ●価格&発売時期:未発表
関連する記事/リンク
2019年10月4日にカワサキインドネシアが公開したティーザー動画は、瞬く間に拡散し、「すわ、4気筒250ccの新型か!?」と世界中から熱い視線を浴びた……はずだったが、これは我々の盛大な早とちりと判[…]
2019年10月1日、スーパーチャージド『Z』の続報となるティーザー動画が公開された。動画の第1弾では過給用のインペラの姿が明らかにされていたが、第2弾ではヘッドライトやフレームの一部デザインなどが映[…]
2018年のフルモデルチェンジ以降、兄弟車のニンジャ400とともに好調なセールスと続けるZ400。弟分のZ250もシャーシを共有し、軽快なスポーツネイキッドとして各クラスで『Sugomi』を利かせてい[…]