話題の格安良品“ワークマン” 6アイテムを自腹で徹底テスト! #01

高性能で激安! ワークマン×バイク用品(WORKMAN×RIDERS)コスパ最強説を検証 レインスーツ編

テレビやインターネットで何かと話題になっている、作業着界のトップブランドがワークマン。“バイク用”を謳った製品もリリースしはじめるなど、無視できない勢いがある。2年前から同社のPB(プライベートブランド)商品を愛用している本誌テスターの大屋が、今回の企画のために最新アイテムを自腹で購入しテストを実施!

魅力はコスパだけにあらず! 誰もがプロ品質に納得する

最新のバイク向けレインスーツに水をかけてみる。撥水加工に反射プリントなど、機能性では専門ブランドに全く引けを取らない。

長寿企画“タッチ&トライ”で初めてワークマンの製品を取り上げたのが2017年6月号のこと。接触冷感加工を施したストレッチパンツをテストし、動きやすさやフィット感の高さ、各種ポケットの使いやすさに感心し、すぐさま同じフィールドコアシリーズのクライミングパンツを購入したほどだ。

大屋雄一

TESTER:大屋雄一 父が大型車ミキサー車の運転手で自分も工業高校出身のため、小さい頃から作業服と安全靴と工業用ピンク石けんが身近にあった本誌テスター。ワークマン通いはもはや週一レベルだ。

ちょうど同じタイミングで自宅の至近にワークマンがオープンし、暇さえあれば顔を出すようになる。メインの商材は作業服や安全靴だが、2010年にカジュアルなプライベートブランドを立ち上げたこともあり、普段使いできそうなアイテムが増えつつあった。そのころからだろうか、そうしたPBアイテムが主にネットで注目されるようになり、明確に客層が変わったのだ。

最大の魅力は何といってもコストパフォーマンスの高さだ。同等の機能を持った製品が専門ブランドの半額以下なので、試しに買ってみようかという気にさせてくれる。この2年間でずいぶんと散財したが、おかげさまで失敗した例が一度もなく、たとえ何かのアクシデントで汚れたり破れたとしても、値段を考えればあまり惜しくないというのも長所と言えるだろう。

【ワークマンのここがヤバイ! ユニクロ超えの全国840店舗突破】これを執筆している2019年6月中旬現在、ユニクロの国内店舗数(825店舗)を上回るワークマン。宮崎県を除く全国各地にあるため、見掛けた人も多いはずだ。
最新カタログはバイク感高し
【ワークマンのここがヤバイ! 最新カタログはバイク感高し】ツーリング向けコーディネートに最新のGSX-R1000R(!)を登場させるなど、車種選択からして社内にバイク好きがいることは明らか。親和性は非常に高いと言える。

加えて、新製品の登場や人気アイテムのアップデートの早さにも驚かされる。特にここ最近は、バイクはもちろん自転車や釣り、キャンプ向けの商品を矢継ぎ早に出しており、公式通販サイトですら即完売になるケースも珍しくない。また、本誌で初めてテストしたストレッチパンツは後に大人気アイテムとなり、この2年ですでに3回もマイナーチェンジを実施している。

【ワークマンのここがヤバイ! バイク業界関係者にも愛好家多し】2017年10月号のタッチ&トライからワークマンのパンツを着用して誌面に登場。最近はブーツも愛用している。カメラマンと新製品ネタを交換するのもロケでの恒例行事に。

今回、多くの読者にワークマンの実力を知ってもらいたく、最新アイテム6点を用意してテストを実施した。自腹ではあるが、どれも最新カタログを入手した時から使ってみたかったものばかり。ぜひあなたも、近所の店舗で実際の商品をチェックしてほしい。

【ワークマンのここがヤバイ! 鈴鹿8耐にも参戦!?】ワークマンの創業地は群馬県ということもあり、同郷の元GPライダー青木宣篤さんともつながりがある。彼のチームTシャツはワークマン製で、肩にはしっかりロゴも!

TEST-1 動きやすく蒸れにくい秀作登場【AEGIS[イージス]・3レイヤー透湿レインスーツバイカーズ】

3レイヤー透湿レインスーツバイカーズ[AEGIS] ●価格:5800円 ●色:青、緑、黒 ●サイズ:M/L/LL/3L/5L ●耐水圧:20000㎜  ●透湿度:2000g/m2/24h ●素材:ナイロン100%(ポリウレタンラミネート) ●裏側:ポリエステル

(◯)3レイヤー生地でこの価格防水性、透湿性とも優秀だ

商品名に“バイカーズ”とあるように、ライダーが使うことも考慮して設計されたレインスーツで、2019年5月から販売されているのは2代目だ。初代がナイロンPVCの表地にポリエステルメッシュの裏地を組み合わせていたのに対し、新型は透湿性のある3レイヤーの生地を使用。その経緯については最後のインタビュー(後日公開予定)に詳しいが、進化ぶりは初代を持っている人がすぐに買い足したくなるレベルだ。

【上下ともバタつきにくいスリムなシルエットを採用する】身長175cm、体重62kgのテスターがLサイズを着用した状態。ジャケットは前傾姿勢時に身頃が浮き上がりにくいアクティブカットを採用。またパンツはお尻からの浸水を軽減するシームレスヒップを導入するなど、バイク用レインスーツとしての機能をとことん追求。なお、パンツのカラーは全てブラックとなる。

ナイロンオックスに透湿防水素材のポリウレタンとトリコットをを積層した3レイヤー生地は、バイク向けなら1万円以上のレインスーツに採用されるもので、これが5800円というのは破格といっても過言ではない。シルエットはご覧のとおりスリムだが、ラグランスリーブやアクティブカットのおかげで腕を上げやすいのはいい。

テストでは土砂降りの中、2時間ほど高速道路を走ってみたのだが、生地や前合わせ、縫い目からの浸水は皆無だった。強い風圧によって襟が少しバタついたため、首筋からわずかに雨水が垂れてきたが、これはネックカバーなどで対処できる範疇だ。パンツについてはシンプルな作りながらも裁断が適切で、こちらも浸水はなかった。

実は初代も手元にあるのだが、こちらは生地が厚手で頑丈な反面、裏地のメッシュが脱ぎ着の際に引っ掛かりやすく、全体的に重い上、蒸れやすいという決定的な短所があった。これを経験している身としては、新型の動きやすさや蒸れにくさは感動的であり、価格据え置きのまま実現してきたことに拍手を送りたい。レインスーツ選びに迷ったなら、まずは試してほしい。

(△)コスト優先でポケット省略、ベンチレーションもなし

初代、2代目ともポケットは装備されていない。そこに収納したスマホが万が一の浸水で故障するのを防ぐためだという。それと、2輪用で一般的な背面ベンチレーションも設けられていない。ゆえに、生地に透湿性があるとはいえ夏はそれなりに蒸れるかも。

(結論)まさに至れり尽くせり、開発者の愛情が伝わる

専門ブランドのレインスーツを数多くテストしてきた経験から、人に勧めるなら3レイヤー生地の製品という結論に至ったのだが、フィット感や防水性、価格まで含めると、このバイカーズは決定打といっても過言ではない。なお、現在は超品薄なので、店頭在庫を見つけたら買いだ。

【Lサイズの実測重量は788g、軽量コンパクトを徹底追求】左はナイロンPVCを使用していた初代で、右はナイロンTPUの現行商品。生地は圧倒的にしなやかで軽く、収納サイズの差も歴然。
【専用のシームテープを採用、トリコットの肌触りは良好】3層構造生地の裏面はサラサラとした肌触りのトリコット。専用のシームテープを使うことで、縫い目からの浸水を徹底的に防ぐ。
【前合わせは二重フラップ、ベルクロにも一工夫あり】前合わせのファスナーは二重フラップでカバーし、アタック性の低いベルクロを全面的に使うことで、ここからの浸水もシャットアウト。
【腰と上腕に調整ベルトあり、裾にはドローコードも挿入】ウエストと上腕にはフィット感を高めるベルクロ式の調整ベルトを設置。ジャケットの裾はドローコードによって絞ることが可能。
【裾をタイトに絞れるアジャスター】ヒザから下の部分をタイトに絞れるベルクロ式アジャスター。三角形のリフレクタープリントによって夜間の被視認性も確保する。

●写真:松井 慎/山内潤也
※ヤングマシン2019年8月号掲載記事をベースに再構成

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