【番外編】話題の格安良品“ワークマン” にライター・大屋雄一が突撃取材! #06

なぜ売れる? ワークマン 開発者インタビュー「バイク乗りの立場で本当に使いたいものを」

絶対バイク乗りが企画しているに違いない! そう確信したライター・大屋はインタビューを申し込んだ。これを快諾してくれたイージスの担当者は、ツーリング好きな筋金入りのライダーだった。タイトルカットは新型レインスーツバイカーズについて熱く語る八木さん。カワサキに限りなく寄せたというライムグリーンは発色が良く、被視認性も高い。

大屋雄一

INTERVIEWER:大屋雄一 父が大型車ミキサー車の運転手で自分も工業高校出身のため、小さい頃から作業服と安全靴と工業用ピンク石けんが身近にあった本誌テスター。ワークマン通いはもはや週一レベルだ。

企画から試作テストまで一貫ブラッシュアップも常に行う

ここまでに紹介した6つのアイテムのうち、バイク向け、もしくは専用品を謳うのはレインスーツとグローブの2点。使用感については先に記したとおり優秀で、感心するほどにこれを企画したのはどんな方なのかを知りたくなってきた。そんな想いをワークマンに伝えたところ、幸運にも担当者に話を聞く機会を設けてくれたのだ。

右:商品部セーフティグッズマーチャンダイザー(兼)「AEGIS」ブランドマネジャー 八木謙太郎さん :かつてはオフ車にも乗っていたという。ツーリング中は雨も降るため、防水性についてはシビアな目を持つ。手に入れたいバイクはNSR250R。 左:商品部セーフティグッズバイヤー 堀内翔太さん :弊社ルアーマガジン誌の愛読者であり、つい最近2ストジムニーを手に入れたというアウトドア派。そうした経験を商品開発に生かしている。

「初代のレインスーツバイカーズを出したのは2016年6月ですね。5800円はワークマンのカッパとしては高額なんです」

そう話し始めたのは、防水製品“イージス”ブランド全般を担当している八木謙太郞さん。GSF1200Sを20年近く乗っているというバリバリのバイク乗りだ。

「初代は“バイカーズ”と謳っていますけど、立ち膝で作業する方にも使ってもらえるように、ヒザに厚手のパッドを入れたんです。表地がナイロンPVCなので丈夫な反面、透湿性が皆無なのでどうしても蒸れやすい。そこで、生地からリニューアルした2代目を2019年5月に発売しました」

八木さんは試作品をテストした際の資料を見せてくれた。昨年10月、台風24号が襲来したその日に、愛車のGSFで走り回ったというから筋金入りと言えるだろう。

「2代目では透湿性のある3レイヤーのレイヤーのナイロンオックスを使ったのですが、試作品ではシームテープがはがれてしまい、そこから浸水してきたんです。これについては3レイヤー専用のテープを使うことで対処しました。やはりイージスブランドで売る以上、防水性は絶対譲れませんからね」

同じくイージスを担当している堀内翔太さんが、生地について補足してくれた。

「耐水圧は初代の1万5000mmから2万mmに上がっています。透湿性は2000g/㎡/24hですが、試験では4000〜5000は出ているんです。ただ、TPUラミネート加工の関係でほんの一部に2000程度の部分があるため、パッケージやカタログにはそのように明記しています」

続いてグローブについて。ワークマンがバイク“専用”として販売する初のアイテムであり、ブラウンに続いて今年5月からは待望のブラックが店頭に並んでいる。

「企画したのは同じチーム内の人間なのですが、私はもちろん、開発当時は直属の上司だった現取締役社長の小濱英之もバイク乗りだったので、みんなでいろいろとアドバイスしました。試作品はプロテクターの干渉が強くて、その調整にだいぶ苦労しましたね。おかげさまで品薄になるほどの人気商品ですが、まだ改良の余地はあると思います。親指の先はスイッチ操作で負担がかかるので、もっと強い生地で補強したいとか。あと、個人的にはジャケットの袖口をグローブに入れたい派なので、裾の部分をもう一回り大きくしたいとか。そうした改良を早ければ次の生産ロットから反映できるのも、ワークマンの強みでしょう」

グローブを手にしながら語る八木さんの言葉は、完全にバイク乗り目線だ。ちなみにこの秋冬には、ウインターグローブも控えているというので、今から楽しみだ。

なお、今回テストした防水メッセンジャーバッグもイージスブランドであり、この二人が担当している。社内では2900円は高いとの意見もあったというが、これも店頭では品薄になるほどに売れている。

「防水性はもちろん、ショルダーベルトやパッドにコストを掛けました。容量は明記していませんが、計算したらおよそ30Lぐらいでした。女性向けに一回りコンパクトなものも作りたいですね」(八木さん)

今後さらにバイク向けに注力した商品を発売するという。この言葉は我々バイク乗りにとって福音となるのは間違いない。

レインスーツの試作品をテストした際の貴重な資料。浸水した箇所やサイズ微調整の指示が細かく明記されており、これが工場に送られて仕様が変更される。

【総括】秋冬はさらにパワーアップ 今後の動向から目を離すな!

どっぷりとハマった趣味であれば、高額なブランド品を買うことに躊躇はしないが、まだその入り口にいる人にとって例えばレインスーツに1万円を出すのは勇気がいるもの。では、いくらなら妥当なのか。ワークマンのアウトドア系PBは、そうしたビギナーが手を出しやすい価格ありきで企画されており、もちろんベテランが使っても及第点が得られる性能が担保されている。秋冬シーズンにはバイク乗り向けに振り切ったアイテムを数多くラインナップするとのことで、体はもちろん、フトコロ的にも暖かく年を越せそうだ。

●写真:松井 慎
●取材協力:株式会社ワークマン
※ヤングマシン2019年8月号掲載記事をベースに再構成

関連する記事/リンク

関連記事

テレビやインターネットで何かと話題になっている、作業着界のトップブランドがワークマン。“バイク用”を謳った製品もリリースしはじめるなど、無視できない勢いがある。2年前から同社のPB(プライベートブラン[…]

関連記事

テレビやインターネットで何かと話題になっている、作業着界のトップブランドがワークマン。“バイク用”を謳った製品もリリースしはじめるなど、無視できない勢いがある。2年前から同社のPB(プライベートブラン[…]

関連記事

テレビやインターネットで何かと話題になっている、作業着界のトップブランドがワークマン。“バイク用”を謳った製品もリリースしはじめるなど、無視できない勢いがある。2年前から同社のPB(プライベートブラン[…]

関連記事

テレビやインターネットで何かと話題になっている、作業着界のトップブランドがワークマン。“バイク用”を謳った製品もリリースしはじめるなど、無視できない勢いがある。2年前から同社のPB(プライベートブラン[…]

関連記事

テレビやインターネットで何かと話題になっている、作業着界のトップブランドがワークマン。“バイク用”を謳った製品もリリースしはじめるなど、無視できない勢いがある。2年前から同社のPB(プライベートブラン[…]

最新の記事