ピアッジオグループジャパンは、2017年に登場した特別限定モデルVespa Sei Giorni(ベスパ セイ ジョルニ)の第2弾となる『Vespa Sei Giorni エディションⅡ』を発表した。2019年9月上旬より出荷が開始される。
6日間で競う過酷なラリー競技を戦ったベスパ
ベスパのニューモデルであるSei Giorni(セイ ジョルニ)は、イタリア語で『6日間』を意味する。これは1951年に開催された、6日間で競う過酷なアベレージラリー「Sei Giorni Internazionale di Varese」用に特別に製造され、圧倒的な強さで9個のゴールドメダルを獲得して伝説となったレーシングベスパ「Sei Giorni」を起源としている。
この伝説的なレーシングベスパにインスパイアされて誕生した新しいセイ ジョルニは、新テクノロジー、ベスパ GTSシリーズが持つツーリング適正、そして本物のベスパレーシングの伝統を融合させたセイ ジョルニのコンセプトをさらに発展させ誕生。最新のセイ ジョルニは、23馬力を超える、ベスパ史上最も強力な新型300 HPEエンジンを搭載し、ツーリングや冒険にも対応するラージボディは、街中を優雅に移動するのに最適なスチールモノコックボディを特徴としている。
新しい300 HPEエンジン(High Performance Engine)は、電子制御インジェクションを備えた278cc単気筒4ストローク4バルブ水冷エンジンの進化型。これまでのエンジンと比較し、最大出力は8250rpmで23.8hpに達し、前作からは約12%も向上。5250rpmで2.65kg-mとなる最大トルクは18%向上しているという。
ベスパの起源に触発されたユニークなスタイル
新型ベスパ セイ ジョルニのスタイルは、初期のベスパに触発されたもの。たとえばフロントフェンダー上に配置されたヘッドライトや、スチール製パイプがむき出しのハンドルバーといってディテールが、往年のセイ ジョルニのシンプルなスタイルを再現している。デザイン上の特徴となるメーターまわりは、アナログ式のホワイトメーターを採用して当時の面影を継承しつつも、現代技術をパッケージして必要な情報を表示する。
ボディのフロント部には、インストゥルメントまわりを包み込むスモークトップフェアリングが備わり、縦に長く伸びた形状に変更されたステアリングコラムカバー(通称:ネクタイ)には、マットブラックにペイントされた3本のホーン用スリットが引き締まったスタイリングを演出。新しいGTSシリーズ同様に、レッグシールドの両サイドには、ハニカム形状のグリルが配され、ラジエターからの熱気を排出する。
1950年代に伝説のSquadra Corseが製作したレーシングベスパになぞらえ、ゼッケンナンバーをあしらったグラフィックをはじめ、サイレンサーやホイールをブラックアウトし、リム部分の深紅のラインが目を引く。 Vespa Sei Giorni エディションⅡは、新しい専用カラーであるセイ ジョルニグレーがそのディテールを際立たせている。
セイ ジョルニは、他のGTSシリーズと同様の快適さ、安全性を取り入れ、シート下にはコンパートメントスペースを持ち、広く快適なシート座面を備える。車体は人間工学に基づき、より自然なライディングポジションを保ち、バイクのコントロール性や長距離走行においても快適さを提供。また、レッグシールドコンパートメント内にはUSB ポートを標準装備し、安全面ではテールランプには視認性の高いLED を採用、ABS(アンチロックブレーキシステム)も標準装備となっている。
伝説の起源
1951年。Piaggio Squadra Corseは、最も過酷で最も名誉あるレースのひとつで純オフロードマシンを打ち負かし、レース界を驚かせた。戦後に全盛期を迎えたアベレージラリーは、数100kmに渡って極めて厳しいルートが続く過酷な挑戦だったという。ライダーとマシンにとって途方もない試練の舞台だ。
最も名誉あるレースは、イタリアのヴァレーゼで開催された第26回「Sei Giorni Internazionale」だった。
10台のベスパには、スタート時点では「レース用に設計されたマシンを相手に何を成し遂げようとしているのか?」と懐疑的な目が向けらたが、スポーツバージョンからスタートしてレース用に特別に製作されたモデルで、少なくとも9個のゴールドメダルを獲得してレースを支配。過酷なオフロードルートと、モンツァサーキットでの純粋なスピードトライアルで圧倒的な優位性を発揮し、その試練に勝利した唯一のイタリアンチームとして、ピアッジオにコンストラクターズゴールドメダルまでもたらしたのである。
その勝利から名付けられたベスパ「Sei Giorni」は、外観的にスタンダードモデルと酷似しており、大型燃料タンクと流線型になったシールド、シリンダー上のキャブレターを覆うために大型化されたサイドバッグが主な相違点だった。「Sei Giorni」モデルは、ベスパの歴史の中で最も伝説的な1台なのだ。アベレージラリーに参加することが運命づけられ、世界限定で300台程度が生産されたに過ぎず、現在コレクターが探し求める最も価値あるベスパの1台となっている。
Vespa Sei Giorni エディションⅡ
関連する記事/リンク
趣味性のある250㏄オーバーから、生活の足に便利な小型モデルまで一挙掲載。近頃は、元気のなかった250~400ccのビッグスクーターが高性能になって復活したことがトピック。コミューター系は、世界的な電[…]