スズキの社員ライダーとしてバイクレースで活躍し、もっとも歴史のある英国マン島TTレースで日本人初、そして唯一の勝利者となった伊藤光夫さんが7月3日に亡くなった。82歳だった。
伊藤光夫さんは1959年から1969年にかけて、スズキの社員ライダーとして二輪車世界ロードレース選手権をはじめとした国内外のレースに参戦し、1963年にマン島TTレース(英国・1907年から開催されている公道レース)で日本人として初めて優勝するなど、輝かしい成績を収めてきた。
レース引退後もスズキのレース活動に携り、レース車両の開発、世界に通用する技術の向上、後の世界チャンピオンとなるケビン・シュワンツなど優秀なライダーの育成に加え、長きにわたりMFJの技術委員を務めるなど、日本の二輪車のレースの普及、発展に貢献してきた。
昨年の12月には一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)が設立した「MFJモーターサイクルスポーツ殿堂」の第1回の殿堂顕彰者に選出されている。トップ写真は1963年、マン島TTレース優勝時の伊藤光夫さん。
謹んでお悔やみを申し上げます。