SUZUKI GSX-S1000F ABS’15年の登場以来、世界中で好セールスを記録しているスズキGSX-S1000/GSX-S1000F。その理由を探るべく、今回は日本市場で主軸になっているフルカウル仕様のFにじっくり乗り込み、GSX-Sならではの魅力を改めて考えてみたい。
歴代GSX-R1000をベースに公道スポーツに最適化
【SUZUKI GSX-S1000F ABS(グラススパークルブラック/キャンディダーリングレッド)税込車両本体価格:118万5840円】
’15年から発売が始まったGSX-S1000/GSX-S1000Fは、単に同年のGSX-R1000をデチューンしたモデルではない。歴代GSX-R1000シリーズをベースにしながら、ストリートスポーツとして各部の最適化が図られている。
(左)グラススパークルブラック(右)グラススパークルブラック/ トリトンブルーメタリック
(左)エンジンのベースはK9以降よりロングストロークのK5〜8。GSX-Sに搭載するにあたって、ピストン+リングの軽量化やスリッパークラッチの導入、バルブタイミングの見直しなどが行われている。(右)ショートタイプのマフラーは専用設計。純正とは思えないほど、爽快かつ豪快な排気音を聞かせてくれる。
(左)GSX-S1000F ABS:開発基盤にはGSX-R1000L2.5(L6も基本構成は同じ)があったものの、ストリートスポーツとしての最適化が図られたアルミツインスパーフレームは専用設計品。L2.5のキャスター/トレール/ホイールベースが23.5°/98mm/1405mmだったのに対して、GSX-S1000/Fは25°/100mm/1460mmに設定。810mmのシート高は両車に共通。(右:GSX-R1000 [2015])’01年のデビュー以来、世界中のレースで数多くの栄冠を獲得したGSX-R1000シリーズ。そのひとつの完成形となったのが、’12〜16年に販売されたL2〜6だ。
(左)カートリッジ式のφ43mm倒立フォークは、L1以前のGSX-R1000が採用していたKYB製がベース。(右)左右非対称のアルミキャストスイングアームは、L2.5用をそのまま転用している。
(上左右)フロントフォークは開発陣のこだわりを感じるフルアジャスタブル式。(下左右)その一方でリヤショックは、アフターマーケット製への換装が前提? と思えなくもない簡素な構成で、調整機構はプリロードと伸び側減衰力のみ。
(左)LCDメーターの視認性は非常に良好で、最下段には瞬間/平均燃費や航続可能距離が表示できる。ギヤポジションインジケーターと水温計の間に備わるのは、4段階調整式のトラコンのゲージ。(右上下)スイッチボックスは至ってシンプル。トラコンのレベルを含めたメーターの表示内容は、左手側のMODE/SELボタンで切り替えることが可能。
(左)燃料タンク+サイドカバーと下半身のフィット感は絶妙で、車体のホールド& 荷重移動の道具として有効に使える。(右)フラットな座面を確保したシートのメイン部は、座り心地がなかなか良好。ただし、タンデムシートはちょっと小さいか……。
(左)タンデムシート裏面には格納式ストラップ×2が備わる。テールカウル内にはETCユニットを考慮した収納スペースが存在。(右)車載工具は、L型六角棒レンチ×2、差し替え式ドライバー、スパナ×2、プライヤー、リヤショック用フックレンチ+エクステンションバーの7点。
ライディングポジション:GSX-Rよりは安楽だが、GSX -Sの乗車姿勢はスポーツライディングを重視した設定。一般的なスポーツツアラーと比較すると、ハンドルが低めで、ヒザの曲がりはタイト(身長170cm 体重70kg)↓【後編:試乗インプレレポートはこちら】↓
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GSX-S1000F 主要諸元
車名 | GSX-S1000F |
全長×全幅×全高(mm) | 2115×795×1180 |
軸距(mm) | 1460 |
シート高(mm) | 810 |
車両重量(kg) | 214 |
エンジン型式 | 水冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ |
総排気量 (cc) | 998 |
最高出力(ps/rpm) | 148/10000 |
最大トルク(kgf・m/rpm) | 10.9/9500 |
燃料タンク容量(L) | 17 |
変速機形式 | 6段リターン |
キャスター角(度)/トレール量(mm) | – |
ブレーキ前 | ダブルディスク |
ブレーキ後 | ディスク |
タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
タイヤサイズ後 | 190/50ZR17 |
カラー | グラススパークルブラック/キャンディダーリングレッド グラススパークルブラック グラススパークルブラック/トリトンブルーメタリック |
税込車両本体価格 | 118万5840円 |
●文:中村友彦 ●写真:岡拓/真弓悟史
※ヤングマシン2019年2月号掲載記事をベースに再構成
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