元全日本ライダーが開発に携わっているブーツブランド”ワイルドウィング“が送り出した個性的な長靴は、靴型からゴムの配合に至るまで独自仕様という製品だ。
(○)フィット感をはじめペダルの操作性良好
透湿防水シューズは雨量と経過時間によって浸水してしまう可能性があり、また防水カバーも完璧とは言い切れない。だから雨の日は長靴を履いているよ、というベテランは少なくなく、特にバイク便のライダーに愛用者が多い。かく言う私もたまに履いているが、完璧な防水性と引き換えにフィット感が悪く、雨天のライディングが楽しくなかった。
そこで試してみたのが、ワイルドウィングのレインブーツだ。全てゴムで作られた長靴ではあるが、アルミ製の靴型から材料の配合、さらに中敷きに至るまでオリジナルで、ライディングブーツに必要な機能を随所に盛り込んでいるのが特徴だ。
実際にバイクに乗っての印象は想像以上に良かった。特に気に入ったのは、長靴特有のブカブカ感があまりないことだ。ツマ先とアッパーとの間に生まれる空間が少なく、シフトアップ時の感触がダイレクト。また、何となく脱げてしまいそうという不安もなし。さらに、中敷きの形状が絶妙で、これが長時間履いたときの疲労を軽減してくれそうだ。
防水性はもちろん完璧。暑い日に履くとやはり蒸れるが、真夏以外の季節なら普段履きも可能だろう。
(△)ソールの柔らかさで好みは分かれるかも
グリップのいいソールはブロックがソフトで、ペダルを踏み込んだときの変形量が大きめ。カチッとした感触が好きな人は敬遠しそうだ。
(結論)こんな人におすすめ:バイク以外にもアウトドア全般で活躍しそう
長年いろいろと試し、最終的に雨天時は長靴という結論に達した私にとって、これほど魅力的なレインブーツはない。斜めカットヒールやくるぶしパッドなど、一般的な長靴とは明らかに作りが異なり、1万円超の価格にも納得だ。
●写真:飛澤 慎
●取材協力:ウィングローブ 03-5603-5600 http://winglove.co.jp
※ヤングマシン2018年11月号掲載記事をベースに再構成