’92年にデビューしたロングセラーCB400SFが、平成28年度排出ガス規制に法規対応するなどモデルチェンジを実施。吸排気系の変更により3psアップするなど、さらに熟成度を高めてきた。 ※ヤングマシン2018年4月号(2月24日発売)より
【〇】Vテックの存在感明瞭、LEDライトの恩恵大
王道ネイキッドのホンダCBスーパーフォアシリーズ。新排ガス規制に対応するべく、1300、400とも年型でモデルチェンジを実施した。先月号のCB1300SBに引き続き、今月は純ネイキッドのCB400SFをテストしてみた。
まずはエンジンから。1300が排気系のみ変更したのに対し、400は吸気系の根幹であるスロットルボディも変更。最高出力は3psアップした。ここで400についておさらいすると、エンジンは399㏄の並列4気筒で、最大のポイントは作動バルブ数を切り換えるハイパーVテックレヴォを採用していることだ。6300rpmを境に下の回転域では2バルブ、上では4バルブ(6速では6750rpmで切り換え。1~5速ではスロットル開度も加味)となり、パワフルな走りと優れた燃費性能を両立している。新型は排気抵抗の少ないサイレンサーに変更されたこともあり、この切り替わったときのサウンドが軽量になり、その先の伸び上がり感も向上した。クォーンという高回転域でのエキゾーストノートは、かつてのレーサーレプリカを彷彿させるものだ。なお、スロットルレスポンスについては旧型よりも開け始めのツキがやや穏やかになり、Uターンなど小回りする際に好印象だった。
【〇】LEDライトの恩恵大
ハンドリングは、サスセッティングが変更された影響か、最初の舵角の入り方がよりスムーズになったと感じた。加えて、乗り心地は相変わらず優秀である。排気量を問わずコストダウンを重視したモデルが多い昨今、サスにお金をかけると400でもこんなに気持ちの良い動きになるということを思い知らされる。
LED化された丸目1灯ヘッドライトは、照射範囲こそハロゲン時代からほぼ変わらないが、発光色が白くなったことで明るいという印象が大幅にアップした。さらに他の交通からの被視認性も高まっており、安全面からもこれを強く支持する。もうやりようがないと思われていたCB400SFが、法規対応を機にさらに磨きをかけてきた。そこには執念の二文字が見え隠れする。
【×】Eパッケージが終了に、タイヤはぜひ新銘柄に
グリップヒーターとETC車載器をあらかじめ組み込んだEパッケージ仕様が、新型では廃止となってしまった。タイヤについては’99年にラジアル化されて以来、同じ銘柄を継続して使用しているので、もうそろそろパターンに新鮮味が欲しい。
ライディングポジション
スリムかつ出口径拡大で伸び感アップ
スロットルボディと排気系刷新で3psアップ
丸目1灯をLED化モダンな面構えに
【結論】ベストセラーである理由を実感させられる
高価であるにもかかわらず、長年400㏄でベストセラーの地位に君臨しているCB400SF。扱いやすいだけでなく、直4としての面白さは兄貴分の1300を上回るほど。よりVテックらしさを味わいたいなら新型を選べ!
ニュース提供:ヤングマシン2018年4月号(2月24日発売)