スーパーチャージャーの威力を検証②

2018H2 SXをサーキット全開テストした結果は?!

2018年モデルで新たに登場したスーパーチャージャーマシンのH2 SXを千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイでタイムアタックした。比較対象は前作H2とZX-14R。結果はいかに?!

伏兵に惜敗も最高速は堂々トップ!

ツーリングテストに続いて袖ヶ浦フォレストレースウェイに持ち込んでテスト。H2はともかく、SXはサーキット向けの性格ではないと思われるが、全開&フルバンクで一段と理解を深められるはずだ。結果は……H2が順当にトップタイムをマーク。コンパクトなライポジとダンピングの利いた足まわりによって、走りはまさにスーパースポーツ的だ。しかも、走行時間が短かったため、SCのパワーを攻略しきれておらず、まだまだ伸び代を残している。
2位は意外にも14R! マイルドな乗り味で、タイムがいい印象はなかったが、大トルクと扱いやすさ、1万1000回転までキレイに回るエンジンで、パッと乗ってもタイムを稼げる。
SXは3番手。これは、コーナーが連続する区間で、チャージャーで加速する回転域に到達しなかったのが原因。また、ステップ位置とバンクセンサーの関係で、バンク角が他の2車より浅めなのも影響した。ただしハンドリングの斬れは14R以上。その上、H2のような高回転域のシビアさが薄く、扱いやすい。サスのストローク感があり、攻めていくと上下にピッチングが出てくるが、立派にスポーツバイクとしてサーキットで活躍できるレベルだ。
そして最高速は、わずかにH2を抑えてSXがトップを記録。暴れるH2に対してスロットルを開けやすく、ウイリーも穏やかなので、短い直線でも最高速を伸ばせるのが影響した。H2ではそこまで回せなかったが、SXはホームストレートや高速コーナーでレッドゾーン1万2000回転までキッチリ叩き込むことができたのだ。 ※ヤングマシン5月号(3月24日発売)より

【Ninja H2 SX SE】ベストタイム 1分18秒311(3位) 最高速206.060km/h(1位)

タイムは3番手ながら、SXはサーキットでもイケる。H2より低中速のレスポンスが良好。レッドゾーン1万2000rpmを超えて1万3000rpmまで回り、SCも常識的に調教済みだ。アップハンで足まわりも若干ツアラー寄せながら、ハンドリングはSS的。高速コーナーでリヤが空転しても、キレイに収束する。ちなみにメーターに記録された最大バンク角は左50°、右48°

【Ninja H2】ベストタイム 1分17秒013(1位) 最高速205.666km/h(2位)

パワー感は他の2車と別格。205㎰以上の感覚だ。とにかく高回転域のパワーが暴力的なので走りやすさはないが、タイムを狙うことは可能。走り慣れれば1分10~11秒まで短縮できるだろう。なお、初期型にあった4000~5000rpmの過給圧が高まる前のタメのような感覚は解消された印象。

【Ninja ZX-14R】ベストタイム 1分18秒119(2位) 最高速200.751km/h(3位)

サーキットでも扱いやすさは健在。最も走行時間が短かったが、連続する低中速コーナーを怒濤のトルクでクリアし、タイムを出した。ハンドリングは安定性重視。重心位置がセンターにあり、リヤが滑り始めると車体が泳いでしまう。ただ、見た目よりずっと軽快で、バンク角もSXより深い。
コースは袖ヶ浦フォレストレースウェイで実施。都心から東京湾アクアラインを利用して1時間のサーキットで1周約2.4㎞、400mのホームストレートや連続する低中速セクションが特徴だ。当日の気温は約10度、路面はドライ。計測はデジスパイスで行った。


ニュース提供:ヤングマシン2018年5月号(3月24日発売)
テスター:丸山浩
まとめ:沼尾宏明
撮影:山内潤也
H2 SX SE車両協力:MSL、0222みっちーch(YouTube)

関連する記事/リンク

関連記事

2018年モデルで新たに登場したスーパーチャージャーマシンのH2 SXを日本自動車研究所の高速周回路で最高速テストした。比較対象は前作H2とZX-14R。果たして何キロ出たのか?! 最高速マシンとは異[…]

001-4
関連記事

2018年モデルで新たに登場したスーパーチャージャーマシンのH2 SXの試乗記事最終回は公道ツーリングテスト。比較対象は前作H2とZX-14R。インプレッションはいかに?! 常用域での扱いやすさがH2[…]

007-3