
長野県のバイクショップ・モトロマンに属する「抹茶いぬ」。彼が目をつけたのが、ハーレーダビッドソンX350&500だ。好みのカフェレーサースタイルに仕上げ、「抹茶いぬレーシング」の仲間とともに楽しんでいる。ウィズハーレー編集部もそれに影響され、X350をサーキットに持ち込み、その楽しさに開眼。仲間に加えてもらい、一緒に筑波サーキットを周回してきた模様を紹介する。
●文:宮下豊史(ウィズハーレー編集部) ●写真:TETSU RACING SYSTEM 栗田晃 なお
筑波サーキットにH-D Xたちが集合
H-D Xでのサーキット走行をおすすめしたい。X350はあきらかにXR750をモチーフとしたデザイン。「スポーツライディングを楽しんでほしい」というメーカーからのメッセージを受け取ることができる。編集部全員「いつかはサーキットに持ち込みたい」とぼんやりと考えていたところ、X(旧ツイッター)でX350と500をカフェレーサースタイルにカスタム、さらにサーキット遊びをしている抹茶いぬレーシングを発見した。
2024年の夏に開催されたブルースカイヘブンにて、ウィズハーレー編集部主導でH-D Xブースを展開したとき、彼らに「展示するために持ってきてくれないか」と協力を打診。即、快諾してくれて横浜で初顔合わせをした。
さらに、X350で筑波選手権に参戦している宮中氏も愛車を持参してくれた。彼らが作り上げたサーキットを走れるX350と500を目の当たりにし、編集部号で走ることを決意したのがサーキットライフの始まりだった。
9月、ついに筑波サーキットにH-D Xたちが集まった。その時の模様が上の集合写真である。抹茶いぬが手がけたX500、X350、そして編集部号。筆者に関しては、サーキット走行経験はあるものの8年ぶりの筑波走行。
タンスの肥やしとなっていたツナギを引っ張り出し、気になっていた腹回りの肉もなんとか中へ押し込みチャックを上げることができた。ひとコマ20分の走行枠をふたコマ走行。最初は恐る恐る、時間が経つに連れ走り方を思い出し公道ではなかなかできないフルスロットル/フルバンク走行でスポーツライディングを楽しんだ。
ハーレーらしく直進性が高く安定感のあるハンドリングで安心してバイクを傾け、スロットルを開けることができる。でもそれは、曲がりにくく、重さを感じることでもある。さらにサスペンション長が短くバンク角がなく、すぐにステップを擦ってしまう。しかし、これらをセッティングやカスタムをし払拭できたら、タイムが上がるのは明白だ。
一方でデータ取りも重要。アクションカメラで前方を写しつつメーター回りが映り込む様にセッティング。走行ラインはもちろん、スピード、エンジン回転数、シフト時やアクセル開度によって変化するエンジン音から得られる情報も多い。
帰宅後、動画を分析しイメージトレーニングを重ねられるので、自ずと次回のタイムアップにつながるのだ。目を三角にして鼻息荒くサーキット走行をしているように見えるが、これらを楽しみながら行なっている。
セッティングやカスタムも楽しみのひとつ。ライダーの体重に合わせて初期の沈み込み具合を調整するプリロード調整機能がX350に備わっている。締め込むことで車高を上げバンク角を確保することができるが、よりバンクできるようになることで今度は違うパーツを擦るようになる。
サイドスタンドやエキゾーストパイプガードを順に外していき、最終的にステップ先端も削るようになったので、ベビーフェイスのバックステップを装着した。モリワキマフラーへの交換で、全域でパワーが上乗せされ、乗り味はもちろんタイムアップに貢献。
次はブレーキの強化? などとタイムアップのためのカスタムメニューを考えるのも楽しい。ライテクアップだけでなくカスタム欲も満たされるのがサーキット走行の魅力のひとつだ。
僕らがメインで通うのは筑波サーキット。ショップや用品店主催の走行会ではなく、ライセンスを取得し1コマづつ走行枠を予約、メンバーでその情報を共有して同じ日に合わせて走行している。タイトル画像左の白いX350が抹茶いぬレーシングの外装デザインを担当するビューンデザイン。中央が抹茶いぬが駆るX500 。一番右が抹茶いぬが新たに購入したX350に突かれている編集部ミヤシ。後ろからアクションカメラで撮影をしてくれて、後日、自分の走行ラインを改めて確認し改善に努めるとこができたので、大変ありがたい。
サーキット走行で一番重要なのはタイム計測。トランスポンダという赤い機械をバイクに装着することで正確なタイムを計る。タイヤの空気圧調整やサスペンションのプリロード調整なども走行前に行い、その数値をメモ。走行後のタイムやフィーリングを元にセッティングを繰り返し、タイムに変化が出るのが面白い。
サーキットを走るために新調した装備
サーキットから離れ、スポーツスターやオフロードバイクばかり乗っていたので、サーキットに持っていくヘルメットや装備がない。ヘルメット/グローブ/ブーツは、軽量でサーキットにバッチリな安全性能の高いモデルを用意した。
SHOEI X-Fifteen CROSS LOGO / Alpinestars GP PRO R4 Glove(s black white)
安全性/軽量/空力性能を重視
SHOEIでは、ユーザーの頭にしっかりとフィットするよう計測し調整するパーソナルフィッティングシステムという有料サービスを行っている。全国のSHOEI TECHNICAL SHOPまたは東京/大阪/横浜/京都/福岡にあるSHOEIオフィシャルショールームSHOEI Galleryで対応。
筆者もいつも愛用しているサービスだ。頭の形状が横寸Mサイズ、縦寸Sサイズと横に平べったい。なのでMサイズのヘルメットに下の写真の専用パッドを挿入しフィット感をアップしてもらっている。このフィット感は、一度味わうとやめられないのでお勧めだ。
プロテクション性能が高く操作性も抜群
アルパインスターズは、ハーレーユーザーにはあまり馴染みがないと思うが、イタリアのバイクや車のレース用からストリート用のウェア/グローブ/ブーツのメーカー。オンロード/オフロード問わず数々のライダーたちを表彰台に導いてきた。
ファッション業界でも幾度となく名だたる賞を受賞している。高いデザイン性/操作性/プロテクション性能を併せ持っている。下のブーツはサーキット用のハイエンドモデルで、フィット感と操作性を高めるために二重構造となっている。
Alpinestars Supertech R(black)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
ショベル以前からエボリューションまで国内最大級の在庫数! まるでミュージアムだ。コンディションを整えたビンテージハーレーをはじめ、エボリューションモデルに至るまで、広い店内には常時100台以上を在庫す[…]
FLFBファットボーイ:Vツインエンジンを強化し、タンクメダリオンを刷新 太くたくましいマッスルスタイルで人気を博すファットボーイ。レイクスターと呼ばれる削り出しのホイールを履く前後18インチの足まわ[…]
FLHCヘリテイジクラシック:美しいスポークホイールは新作チューブレス仕様だ! クラシックテイストは、伝統あるブランド・ハーレーダビッドソンにとっては大きな魅力であり、誇るべきポイントと言えよう。 ラ[…]
ローライダーS/STユーザーに朗報 小ぶりでスタイリッシュな仕上がりのシートが、TRIJYAにて受注生産スタートとなった。 足着き性に優れるのはもちろん、日本人の体型にジャストフィットするライディング[…]
FXBBストリートボブ:ウィリーGが手がけたストレッチダイヤモンド 拳を突き上げて乗るワイルドなライディングポジションを決定づけるミニエイプバーをはじめ、小ぶりなヘッドライト/スリムな燃料タンク/ショ[…]
最新の関連記事(X350)
ブレスクリエイションの提案するカーボン外装X350 ダートライメージの強いX350を、小変更ながらもヨーロピアンムードを感じさせるほどに変えている点にまずは驚いた。外装デザインを少し変更するだけでここ[…]
トリックスター初となるハーレー用マフラー トリックスター初となるハーレー用マフラーが、X350向けにリリースされた。今回、初の試みとして“ツインタイプ”のサイレンサーが採用されている。 X350の特徴[…]
元気溌剌350か、上質感ある500か!! ウィズハーレー編集部では2023年の秋、X350の日本市場導入が発表されたのと同時に購入を決意。ハーレーダビッドソン川口にて予約を入れた。 「Vツインではない[…]
「もっとバイクを楽しんでほしい」 そう語るのはハーレーダビッドソン高崎の武井代表。ハーレーはどちらかと言えばツーリング指向の強いモデルが多い。しかし、そのエンジンは今や2000ccに迫る勢いで年を重ね[…]
〈WEBIKE FESTIVAL〉2024.10.19 SAT. ロングウッドステーション(千葉県長柄町) 【X500 ヒデヨリさん】「見た目など、あえてハーレーらしさを捨てたチャレンジ精神の塊のよう[…]
最新の関連記事(X500)
X500購入後、即サーキットへ! X500を購入して、初めて乗る場所に選んだのは筑波サーキット。目一杯、駆け抜けた! ストレートでスロットルを全開にし、はばかることなくパラレルツインが限界を迎えるまで[…]
元気溌剌350か、上質感ある500か!! ウィズハーレー編集部では2023年の秋、X350の日本市場導入が発表されたのと同時に購入を決意。ハーレーダビッドソン川口にて予約を入れた。 「Vツインではない[…]
〈WEBIKE FESTIVAL〉2024.10.19 SAT. ロングウッドステーション(千葉県長柄町) 【X500 ヒデヨリさん】「見た目など、あえてハーレーらしさを捨てたチャレンジ精神の塊のよう[…]
ホンダやヤマハなど国内車両メーカー用のパーツ、排気量問わずに原付からスーパースポーツ、さらにはレース関連をサポートするパーツを得意とするメーカー。今回X350用のパーツでハーレー市場に参入した。 ここ[…]
ゲイルスピード タイプE/N/R 鍛造アルミホイールメーカーとして名高いゲイルスピード。ストリートからレースシーンで活躍しているカスタムホイールだ。サイズはいずれも純正と同じF3.5-17/R5.5-[…]
人気記事ランキング(全体)
4気筒の「ニンジャZX-R」、2気筒「ニンジャ」計6モデルに10色を新設定 カワサキは欧州でフルカウルスポーツ「ニンジャ」ファミリーのうち、4気筒モデル「Ninja ZX-6R」「Ninja ZX-4[…]
ミニカーとは何かがわかると登録変更のハードルもわかる まず「ミニカー」とは、法律上どのような乗り物として扱われるのか、基本的な定義から押さえておく必要がある。実はこれ、道路交通法上では「普通自動車」扱[…]
ヤマハFZR400:極太アルミフレームがレーサーの趣 ライバルがアルミフレームで先鋭化する中、ついにヤマハもFZの発展進化形をリリースする。 1986年5月に発売されたFZRは、前年に発売されたFZ7[…]
ピカイチの快適性を誇り、タンデムユースも無理ナシ ようやく全日本JーGP3の開幕戦が近づいてきて(記事制作時)、最近はバイクに乗るトレーニングもスタート。 筋力が増えたことで、これまで苦手だった車種で[…]
50ccでも実用カブとは別系統のOHCスポーツ専用エンジンを開発! ホンダは1971年に、50ccではじめてCBの称号がつくベンリイCB50を発売した。 それまで50ccにもスポーツモデルは存在したが[…]
最新の投稿記事(全体)
2025年6月16日に83歳になったアゴスティーニのスペシャル仕様 MVアグスタは欧州で、同ブランドが2025年で創立80周年を迎えるとともに、Agoことジャコモ・アゴスティーニ氏が83歳の誕生日を迎[…]
今年の夏〜秋に走りたい、日本全国のおすすめ「ツーリングロード100」 今回、新たにヤングマシン”D”(電子版)に新規で掲載(追加)された特別ページとは、「TOURING ROAD by YMD 100[…]
バイク用ヘルメットに特化した消臭・除菌機 MAXWINの「MUFU MF-C1」は、バイク用フルフェイスヘルメットなどの小空間に特化したオゾン除菌/消臭機で、ニオイのこもりやすいヘルメット内を15分〜[…]
全天候に対応! 防水仕様の高機能バックパック アールエスタイチの「WPカーゴバックパック RSB283」は、急な雨でも安心な防水気室を2つ搭載。メイン収納とフロントポケットの両方に防水加工が施されてお[…]
24〜32Lに容量可変!ツーリングに柔軟対応 「KEMIMOTO ツーリング シートバッグ」は、荷物の量に応じて容量を24L〜32Lに拡張できる万能バッグ。1泊2日の小旅行から、2泊3日以上のキャンプ[…]
- 1
- 2