バイクは定期的なメンテナンスをしてこそ、その性能が維持される乗り物。ところが最近では、認証工場どころか整備設備やメカニック担当者を持たずに車両を販売するような中古車販売店が見られるようになってきた。果たしてそこでバイクを買った場合、整備や修理はどうすればよいのか!? そのような課題に対し、全国に直営306店舗を展開するレッドバロンは、安心して中古車を買うための指標として「5つ星品質」という制度を設けたという。
安全に乗れるバイクとして必要な条件をよりわかりやすくアピールするためにスタートした『5つ星品質』。このステッカーはレッドバロンの『5つ星品質』の基準に適合した車両であることを証明している。
コンディションに優れるから走りが楽しい!!
インターネットの普及と発達によって、手軽にモノが買えるようになった。個人売買も急増し、バイクも手軽にオンラインで買える状況にある。
しかし、そんな現状に対し、レッドバロンは強い危機感を持っているという。同社の濱田営業本部長はこう話す。
「バイクはアフターサービスが絶対に必要な乗り物であり、有店舗/対面販売が不可欠と考えております。ネット販売は安価で手軽に買えるイメージばかりが先行していますが、購入後のメンテナンスや保証といった部分のリスクについては、十分に説明/周知されていないのが現状です」
ネット販売でバイクを購入する際、買い手側の判断材料は出品者の画像や説明文しかなく、その上“ノークレーム/ノーリターン”が基本原則。つまり、保証なしの現状販売が当たり前となっている。
言うまでもなく、バイクは定期的なメンテナンスをしてこそ、その性能が維持される乗り物だ。ところが最近では、認証工場どころか整備設備や人員そのものすら持たずに中古車を販売するようなショップが見られるようになってきた。 果たしてそこでバイクを買った場合、定期的なメンテナンスや故障が起きた際、一体どうすればよいのだろうか?
とりわけ若い世代は「とにかく今すぐ欲しい!」と、アフターサービスの重要性をよく理解しないままバイクを購入してしまう傾向にある。濱田本部長は力を込め、さらに続ける。
「バイクは店舗で現車を見て、触れて、跨って、豊富な知識と技術のあるプロの説明を受けた上で、明確な保証とアフターサービスの付いた状態で買うべきだとレッドバロンは考えております。そのため、安全/安心な中古車を選ぶ目安として、フレームチェックを含む独自の厳格な検査基準に合格した車両に『5つ星品質』を付けて販売することにしました」
レッドバロンが扱う中古車の高い品質をわかりやすくするために導入されたのが、「5つ星品質」という制度だ。具体的な内容は別記の通りで、中古車に長く安全に乗るためにクリアしていると安心という事柄がまとまっている。レッドバロンが販売する中古車の、じつに90%以上がこの条件を満たすという。
いずれも“機能部品がしっかりしている”ことを重視。機能部品とはバイクが正しく“走る/曲がる/止まる”ためのパーツで、もちろん外観が綺麗であることも重要だが、バイクでもっとも大切な“走りが楽しく、安全に安心である”という本質を5つ星品質では追求しているとのこと。
ハーレー乗りにも5つ星品質を!!
「とにかく今すぐ欲しい!」と、アフターサービスの重要性を理解しないまま中古車を買ってしまう人が多い一方で、「少しくらい高額でも、しっかりと整備されたバイクが欲しい」という意見を持つユーザーも増えつつある、というレッドバロンの濱田営業本部長。『5つ星品質』はそうした要望にしっかりと応える。
レッドバロンの「5つ星品質」、その詳細とは?
コロナ禍以降のバイクブームに乗じ、売りっぱなしの無責任な中古車販売店が乱立してきたのがバイク業界の現状だ。また、整備工場を持たず、アフターサービス体制が手薄なショップが増えていると、レッドバロンは警鐘を鳴らす。こうした事態は、我々ライダーとしても歓迎できない。ビギナーにとってはなおさらだ。
設備が整っている認定工場を自社で持ち、アフターサービスを受けられる。そしてライダーを第一に考える店で中古車を買うことが重要。中古車選びとは、結局のところ“ショップ選び”でもある。
5つ星品質を導入した経緯を濱田本部長に聞くと、こう返ってきた。「二輪販売店として安全/安心に対する責任を全うしようと思いました。お客様第一主義で50年間バイク販売を続けてきた弊社だからこそ示せる品質基準です」
5つ星品質の要となるのが、レッドバロン全店舗に配備されるコンピュータ総合診断機「ACIDM(アシダム)」を活用した、厳密かつ徹底的なチェックだ。
アシダムは、高精度かつ客観的に車両の状態を把握するレッドバロン独自のシステム。継続車検で実施されるスピードメーターやブレーキテストをはじめ、シャシーダイナモ機能により後輪出力を測定できるほか、フレームに異常を来していないかも、見た目や勘などに頼らず数値化によって正しく確かめられる。
独自開発した整備機器への投資額は101億円にも上るとのことで、回転/昇降が可能なシステムリフトもそのうちのひとつ。専用機器や工具を数多く開発することで、整備時間の短縮に繋げて、結果的に修理費を抑えることを実現している。
また、全店舗が運輸局認証工場としての資格を取得しているのも見逃せない。認証工場とは整備士の資格や人数、設備などの基準をパスし、国から認可された工場のこと。この資格がないと、エンジンやブレーキといった命に関わる部品の分解整備はできないのだ。
レッドバロンで仕入れるすべての中古車は、走行に影響を与える部品に異常がないかを自社工場にて入念にチェック。点検整備は84項目にも及び、莫大な投資額により全店配備される二輪専用整備機器と国家有級サービスマンの高い技術力で対応している。これは整備やアフターサービスを重視する同社のスタンスを物語っているだろう。
5つ星品質の基準に適合した車両には、フレームにステッカーが貼られている。これが安心の証だ。
1.フレーム安全検査済み
フレームは安全上重要なパーツながら、異常を判別できる機器を備えるショップは少ない。車検でもチェックされず、スルーされがちだ。レッドバロンではアシダムでホイールアライメントを測定。さらに横方向からフレームの前後長の歪みを診断するディスタンス測定でも点検している。
バイクは人車一体となって走行する“バランス”の乗り物なので、安心してバイクに乗るためには“まっすぐ走り、まっすぐ止まれる”状態にあることが重要。その指標のひとつがホイールアライメントで、前後タイヤの整列具合に異常がない状態を「ホイールアライメントが合っている」という。
一見するとホイールアライメントに問題がないような車両でも、目には見えないわずかな歪みや異常が走行に影響を及ぼす場合がある。しかし、フレームやホイールアライメントを測定する機器を設置している二輪販売店は少なく、車検でもフレームの検査項目はないため、中古車両の安全を確認するのは難しいのが現状。
レッドバロンでは20年以上前からアシダムを全店舗に導入し、フレーム測定が可能なすべての中古車に、フレームの目視チェックとアシダムによるホイールアライメント測定を実施している。購入後も安心してユーザーに乗ってもらえるよう、車検時には無料でフレーム検査(ホイールアライメント測定・ディスタンス測定)を実施している。
スイングアームピボットからフロントホイールアクスルの距離で前後長の歪みを診断するディスタンス測定では、レッドバロンがこれまで計測してきた膨大なデータを活用。フロントフォークやヘッドパイプの異常を判断する基準になっている。
2.パーツ保証がある
絶版車を購入する際に心配な部品供給。レッドバロンでは25年をかけてリサイクルパーツの確保に取り組み、本社工場3万3000平方メートルの敷地に、3700機種/76万点以上の純正部品を保有している。
バイクメーカーの部品在庫義務期間(生産終了から約7年)を過ぎた後も、独自のパーツ保証により、部品供給や修理体制の維持を最長3年間保証。5つ星保証には“補修部品がないから修理できない”という責任逃れはないのだ。
もちろんハーレーのパーツも豊富に部品がストックされている。部品/技術/情報が整っているレッドバロンだからこそできる保証制度といえる。
3.リコール未実施項目がない
バイクメーカーが販売した車両に対して実施するリコールには、安全性に関わる重要な内容も含まれる。レッドバロンでは自社でユーザーから直接仕入れた車両のリコール情報をしっかりと確認し、対象車両が未実施だった場合は対策を行った上で販売される。
4.アシダム検査済みである
レッドバロン全店舗に配備されるアシダムは、フレームのアライメント測定だけなく、エンジン出力やミッションの作動性、スピードメーターやブレーキチェックが可能。車検切れや未登録車両であっても、実走行以上のテストを行うことで安全と安心を担保している。
走行テストなど昔ながらの勘に頼った整備ではなく、アシダムでは車両の状態を客観的に判断できる。個人の感覚ではなく、正確に中古車のコンディションがわかるのは買う側にとっても安心だ。
5.自社工場にて整備
レッドバロンは全国306店舗すべてに認証工場があり、5つ星品質のためのチェックは法令車検より多い84項目にも及ぶ入念さだ。店頭に並ぶ前にすべての作業は実施済みで、お気に入りの1台を安心して選べる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ハーレーダビッドソン専門誌『ウィズハーレー』のお買い求めはこちら↓
ウィズハーレーの最新記事
世界トップレベルのカスタムプロショップ 全国ハーレーダビッドソン正規ディーラーの中で、カスタム日本一を決める大会『バトルオブザキングス』では、ハーレーダビッドソン静岡として2年連続チャンピオン(201[…]
キャロル/矢沢永吉/クールス…あの頃の僕たちのヒーロー 日本が誇る永遠のロックスター・矢沢永吉。社会現象をも巻き起こしたロックバンド「キャロル」の解散後、すぐに発表したソロデビュー曲が『アイ・ラヴ・ユ[…]
仲間たちと語らう最高のひととき。ハーレー乗りでよかった 世界には1400以上のH.O.G.(ハーレーオーナーズグループ)チャプターがあり、ハーレーダビッドソン正規ディーラーがそれぞれを運営している。ハ[…]
高い品質を見抜くユーザーたちの中でさらに成長できると信じています ■日本市場をどのように見ていますか? エリック: ドイツに似ているところがあります。まずひとつに、ユーザーたちはクオリティに対してとて[…]
朝山すずちゃんがアンバサダーを務める「Beat&C」 バイクと出会うきっかけは人それぞれだが、YouTubeの企画でバイクの免許を取得し、バイク王が運営するハーレー専門のコンセプトショップ「B[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車 | ハーレーダビッドソン)
ハイパワーだけでなく、本来持つテイスティさを損なわず、より“らしさ”を強調するストロークアップ エンジンを強化する際、排気量アップが効果的なのはたやすくイメージできるだろう。ハーレーダビッドソンはエボ[…]
リグニスによるカスタムコンプリートのニューモデル『フリスコスタイル』とは 「これこれっ、これなんだよなぁ」と、エボリューションVツインを知る人はもちろん、もしかしたらハーレーダビッドソンに乗ったことが[…]
XLCRとはあらゆる点で違う ブラックに統一された精悍な車体の中で、フューエルタンクに貼られたバー&シールドのエンブレムがゴールドで彩られ、誇らしげに煌めいている。 クォーターサイズのコンパクトなフェ[…]
品質がよければ年式は関係ナシ!! レッドバロンで取り扱う中古車のじつに90%以上が『5つ星品質』の条件をクリアしている。それを証明するべく、メディア向けに5つ星品質中古車の試乗会が行われた。 『レッド[…]
ハーレー女子に聞きました Q1.これまでのバイク歴/ハーレー歴など教えてくださいQ2.いま乗っている愛車を選んだ理由は?Q3.お気に入りのポイント?Q4.高年式モデルにない魅力とは?Q5.同じ趣味を持[…]
最新の関連記事(レッドバロン)
レッドバロンお膝元・岡崎(愛知県)で開催 全店直営300店舗のバイク販売店・レッドバロンのユーザー参加型イベント『Fan Funミーティング』。2025年第1回目となる今回は、なんとレッドバロン本社が[…]
同じバイクでも走りは全然違う! 購入後に高額な修理代がかかってしまうケースも ’22年の生産終了後、中古車市場でより人気が高まっているCB400SF。試乗車の1台は走行距離1万1600km、もう1台は[…]
レッドバロンの「ダイレクト買取」は安心、確実で何より清々しい! 庭先に置いたまま、放置しちゃってるバイクに心当たりありません? 乗ろうと思っているうちに、バッテリーが上がってしまい、そうこうしているう[…]
ハイシーズンをハズした御宿なら混雑知らず! 11月に入ったにもかかわらず“夏日”なんて言葉が天気予報から聞こえてくる、おかしな気象が続く今年の日本列島。涼しくなってようやく走り始めた…なんてライダーも[…]
フレンドリーさそのままにタフな旅仕様へとカスタム!! フォーティエイトファイナルエディションが2022年の限定販売にて生産を終えて以来、中古車市場でますます人気の高い空冷スポーツスター。長きに渡り12[…]
人気記事ランキング(全体)
通勤からツーリングまでマルチに使えるのが軽二輪、だからこそ低価格にもこだわりたい! 日本の道に最適なサイズで、通勤/通学だけでなくツーリングにも使えるのが軽二輪(126~250cc)のいいところ。AT[…]
ASEANモデルのプレミアム化を推進するヤマハ 以前からスクープ情報をお届けしているとおり、WR155シリーズやYZF-R15などが200ccに進化して登場することになりそうだ。 国内のヤマハから公道[…]
ブーム末期に登場した最強のターボバイク【カワサキ750ターボ】 カワサキ750ターボは、ターボバイクとしては最後発となるものの、「世界最強最速」をコンセプトに開発されたマシンだ。 当時のカワサキのフラ[…]
楽なポジションと優れた電子制御で扱いやすいオールラウンダー スズキ最新の775cc並列2気筒エンジンを搭載するモデルとして4機種目にあたる「GSX-8R」が、登場から1年経って価格改定を受けた。 兄弟[…]
スマートライドモニターがスマートフォン化! 2023年、業界に先駆けて登場した、Akeeyoのスマートライドモニター「AIO-5」。その後継機となるAIO-6が、2025年3月末からクラウドファンディ[…]
最新の投稿記事(全体)
排気量アップだけでなくクイックシフターなど細部もリファイン 前後17インチホイールを採用し、高速道路から荒れた田舎道まで快適に走破できる新型アドベンチャークロスオーバー「ヴェルシス1100 SE」が登[…]
オーディナリーホワイトとアーティザンレッドの組み合わせ カブハウスのSNSでスーパーカブC125の新色が公開された。詳細は記されていないが、1958年以来の“Sシェイプ”デザインに新たなカラーデュオを[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは昨秋、欧州でZ750→Z800に連なる後継車として2017年に948cc並列4気筒エンジンを搭載したスー[…]
人気のスポーツツアラーに排気量アップでさらなる余裕、ドラレコなど新装備も カワサキは、ニンジャ1000SXから排気量アップでフルモデルチェンジした「ニンジャ1100SX(Ninja 1100SX)」を[…]
兄貴分NMAX155と共通の車体に124ccブルーコアエンジンを搭載 ヤマハの原付二種スポーティスクーター「NMAX」がマイナーチェンジを受けた。従来のシックな雰囲気からアグレッシブな外観に刷新され、[…]