現行ラインナップには存在しなくなった魅力的なハーレーたち。同じ名前を冠していてもスタイルや搭載エンジンはその時代によって異なる。この企画では、そんな過去の魅力的な車両をレッドバロンの豊富な中古在庫車からピックアップし、そのヒストリーに迫る。
●文:ウィズハーレー編集部(青木タカオ) ●写真:栗田 晃 ●外部リンク:レッドバロン
唯一無二の存在感。長きに渡りフラッグシップの座を守り続けた最上級モデル
大柄で迫力のあるバットウイングフェアリングにトリプルライト、前後フェンダーはエレガントに深く長くタイヤを覆う。圧巻ともいえる堂々たる姿は、普遍的な魅力に満ち溢れている。
テールまわりのボリュームもフロントに負けていない。ヘルメット2つを入れてもまだ余裕のあるトップケースはキングツアーパックと名付けられ、背もたれやアームレストも備わり、パッセンジャーに快適なスペースをもたらす。
左右に張り出すのはハードサドルケース。ロングライドの荷物を2人分、濡らさず運ぶ。真っ直ぐに後方へ伸びるマフラーは2本出しで、美しいクロームメッキが施される。奏でるサウンドはVツインらしく歯切れのよい乾いた音色だ。
誰が見てもハーレーだとわかる王道スタイル、エレクトラグライドウルトラクラシックと長い車名は「ウルトラ」と略され、尊敬の念を込めてそう呼ばれる。
’01年式は心臓部をエボリューションエンジン(排気量1340cc)からツインカム8(1450cc)に刷新し、3年が経つ。ケイヒン負圧式キャブレターだった吸気機構はインジェクション化され、信頼性が飛躍的に向上した。
’07年式で排気量を1584ccに拡大し、ミッションを5→6速に。’09年式で前輪が17インチ化されるため、FL伝統の前後16インチは’08年式までとなる。燃料タンクが小ぶり(容量18.9L)なのも同年式までで、ツインカム搭載車ながらクラシックムードも残す。
’10年式でウルトラリミテッドが登場するまで、長きに渡りフラッグシップの座を守り続けた最上級モデル。唯一無二の存在感/風格が漂っている。
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