
●記事提供: ライドハイ編集部
半クラッチは熱膨張で繋がる位置が変わる!
ほんとんどのバイクは、エンジンのシリンダーよりちょっと後ろに丸い膨らみがある。これがクラッチ。
丸い膨らみの中には、エンジンのパワーを発生するクランクシャフトとを結ぶギヤが刻まれた、クラッチハウジングと呼ばれる大きな径の筒の中に、何枚ものフリクションプレート(画像は9枚)とこれも枚数が多いクラッチプレート(構造上フリクションプレートより1枚少ない)が交互に重なっていて、エンジンからの駆動を切ったり繋いだり、そして滑らせながら伝達するという仕事を担っている。
ご存じのように、エンジンは電気モーターのように停止した状態からチカラが出せない。アイドリングのようにまず吸気・圧縮・爆発・排気の行程を繰り返しながら回転した状態からでないと使えないからだ。
そこで回転しているエンジン出力を、止まっている車輪へ伝えるためにクラッチが必要になる。
自動車だとトルクコンバーターという、回転している扇風機を止まっている扇風機の近くに置くと回りはじめる原理を油圧を使って効率アップする構造を採用しているが、オートバイのエンジンにはそんなスペースもない。
さらにクラッチが滑らないよう接触面を大きくするとコンパクトなエンジンにできないため、このように複数の小径化に分散した構成としているのだ。
そうすると滑らしながら繋ぐ「半クラッチ」の状態だと、摩擦によって熱が発生し、プレートの隙間が熱膨張で縮まり、クラッチレバーを一定の位置にしておいても、いきなり繋がってしまうことに陥りやすい。
エンストを怖れて、エンジン回転を4,000rpmとかまで高めておいて半クラッチしようとすると、いきなり繋がってエンジン回転がストンと落ちてしまうのもこれが原因だ。
クラッチレバー操作は、ご覧のようにレバーのストローク位置で半クラッチ状態をつくるワケだが、これが熱膨張で位置が変わるとなると、ストローク位置を調整しなければ一定の半クラッチにできない。これが実はかなり難しくプロのレーシングライダーでもないかぎり、簡単にはこなせない。
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