
●記事提供: ライドハイ編集部
2スト500cc最強GPマシンを4ストで凌駕せよ!
ホンダが世界GP復帰宣言後、1978年から開発していた500cc4ストロークV型4気筒のNR500。
当時の最高峰500ccクラスで覇を競っていたヤマハとスズキは、2ストロークの4気筒でワークスマシンは120psと言われていた。
ホンダはここへ4ストロークで殴り込みをかけようとエンジン開発を画策、20,000rpm以上の超高回転で多バルブ化することで同等以上の出力を狙い、本来はV型8気筒としたかったのだが、4気筒までと制限されていたので苦肉の策として2気筒ずつ横並びで繋いでしまい、V型4気筒へ収めたのだろう……当初はまだオーバルピストンのカタチさえ想像もつかず、巷ではそんな憶測が飛び交っていた。
エンジン始動で2ストのような白煙に包まれ、カウリングをアルミ特殊鋼でモノコックのボディを兼ねたり、サイドラジエーターやスプリングとダンパーを別体化したまさかの倒立フォーク等々、まさに実験車の域にあるマシンではレースを競うレベルになく、1979年の初シーズンは予選落ちもでる始末。
しかし翌年も車体を常識的なパイプフレームとするなど変化したものの、2スト勢に遠く及ばないまま。
レーサーレプリカの流行りにも考慮して、ホンダは世界GPで真っ向勝負するために2ストのNS500やNSR500を投じ、瞬く間に世界制覇を果たしてみせた。
NR復帰はデイトナでYZR700を叩くはずだった……
最前線から姿を消したNRだったが、開発は継続していて日本国内で初優勝するなどしながら、表舞台へ再デビューするタイミングを窺っていた。
なぜなら”NR”は失敗作どころか、狙い通りパフォーマンスで従来のV型4気筒を明確に上回るハイパーマシンへと育っていたからだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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