![ホンダGB250クラブマン[名車レビュー] 大人のスポーツイメージで幅広い層へ浸透、女性ライダーも増えた!【ネモケンのこのバイクに注目】](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2023/11/attachmentfile-file-22260.webp)
●文:ライドハイ編集部(根本健) ●写真:本田技研工業
レプリカ全盛期に、ベテランエンジニアが自分にも乗れるバイクを画策
1982年、ホンダはVT250Fを皮切りに、中型クラスは高性能一点張りのレーサーレプリカ時代へ突入していた。
そんなとき、中年以上のベテランエンジニアから、自分たちが乗りたくなるスポーツバイクをつくろう! という企画が浮上したのだ。
実は250cc単気筒スポーツは、1980年にCB250RSが登場して以来、そこそこの人気があり、その次世代として1983年にCBX250RSにモデルチェンジしたばかり。このCBXに搭載したRFVC(ラジアルバルブ)でDOHCのツインキャブという、メカニズムも凝った新シングルが搭載されていたので、これを流用したことから何と1年未満でこのクラブマンはデビュー。
1960年代を彷彿とさせるトラッドなデザインに、幅が狭く前傾がキツイ、一文字ハンドルと呼ばれていた、ビギナーには乗りにくいフラットなハンドルを装備。各部も素材や仕上げにこだわり、250スポーツといえば若者向けに絞られたマーケットに対し、堂々のマイノリティコンセプトのまま投入されることになった。
またシートカウルなど、クラブマン(英国でアマチュアレースを総称する呼び方のひとつ)の名にふさわしい仕様も用意されるなど、いかにもバイク好きが手がけた趣味性の濃さと思い入れの深さは、当時のキャリアの浅い層にもカッコイイと受け容れられ、その硬派なイメージに女性ライダーもハマっていたのは忘れられない。
シングルでも強力パワーの斬新エンジン搭載!
CBX250RS譲りのDOHC4バルブ単気筒は、ホンダが最強を誇っていた4スト オフロードバイクで開発された、RFVCという燃焼室に対し放射状にバルブが差し込まれる特異な機構で、キャブレターも吸気バルブ2本に各々キャブレターが装着される2キャブ構成。
低回転域では片側のキャブが閉まっていて、回転が上昇すると2つとも動作するという方式で、低回転域の鋭いピックアップと、高回転域ではみるみるパワー上昇していく優れモノ。ちなみに最大出力30ps/9,500rpm、最大トルクも2.4kgm/8,000rpmで、145kgの車体に勢いのある走りを引き出させていた。
そんなクラブマンも、1987年モデルで変更が施された。まずエンジンが2キャブをやめ、φ38mmの大口径シングルキャブとなり、マフラーも左右へ振り分けていたのを1本にまとめ軽量化も果たしている。フロントのディスクブレーキも大径化、フレームも強度の見直しが図られた……
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ライドハイの最新記事
デビュー時は2スト125で敵ナシ状態! 1982年のヤマハRZ125が生んだムーブメントは、高速道路へ入れないマイナーな125スポーツだったのを、2ストの水冷化で通勤通学だけでなくレースへ興じる層が加[…]
250cc2気筒の水冷Newエンジンだけではないテクノロジーによる軽量化! 1980年、世界中を震撼させたRZ250がリリースされた。 排気ガス規制で1970年代中盤を過ぎると軽くてシンプルな高性能と[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
20年ものロングランは、ライバルに気をとられない孤高を貫く開発があったからこそ! カワサキは1972年、DOHCで900ccと先行する初の量産4気筒のCB750フォアを上回るハイクオリティなZ1を投入[…]
夏場は100℃超えも珍しくないけれど… いまやバイクのエンジンは“水冷”が主流。安定した冷却性能によってエンジンパワーを確実に引き出すだけでなく、排出ガス/燃費/静粛性の面でも水冷の方が空冷より有利な[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
国産4社の400cc4ストツインの系譜 排気量上限が400cc以下の普通2輪免許、一昔前の言葉で言うなら中型限定免許は、日本独自の制度である。もっとも欧州では大昔から、排気量が400cc前後のロードス[…]
幻のモペット「ホンダホリディ」 昭和の時代、ホンダが開発したモペット「ホリディ」の正式名称は「ホンダホリディ」、型式はPZ50。1973年頃「ブーンバイク」というアイデアを基に、ホンダ社内のアイデアコ[…]
スタイル重視がもたらした予想外の影響 Z1‐Rのエンジン+フレームの基本構成は、開発ベースのZ1000と共通である。では、どうして7psものパワーアップを実現し、一方で操安性に問題が生じたかと言うと…[…]
生産累計1億台、60周年の原点モデル 初代スーパーカブはホンダ創業の本田宗一郎氏と藤澤武夫氏が直接開発の先頭に立ったオートバイ。それに続く東南アジアのドリーム、WAVEなどを含む歴代スーパーカブシリー[…]
デビュー時は2スト125で敵ナシ状態! 1982年のヤマハRZ125が生んだムーブメントは、高速道路へ入れないマイナーな125スポーツだったのを、2ストの水冷化で通勤通学だけでなくレースへ興じる層が加[…]
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
新設計の4気筒・502ccエンジンにEクラッチを搭載! ホンダは、中国で開催中の重慶モーターサイクルショーにて新型モデル「CB500スーパーフォア(CB500 SUPER FOUR)」を世界初公開した[…]
Honda CUV e:(2025) Hondaが「2050年カーボンニュートラル社会の実現」に向けた取り組みの一環として進めている、2輪車の電動化。その歴史は1994年の「CUV-ES」から始まり、[…]
ダークカラーに往年のオマージュカラーを乗せて 特別仕様車の製作を定期的に行うカブハウスは、1970年代のダックスをオマージュしたような限定仕様「DAX Royal Limited Edition」を発[…]
カウル付きSE&新たなカラバリお披露目 まずは鈴鹿8耐会場で披露されたCB1000F コンセプトの詳細をヤンマシ目線でお届け。一部保安部品(あとはミラーだけ!)とアクセサリーが判明したほか、カラバリも[…]
レブル250ではユーザーの8割が選択するというHonda E-Clutch ベストセラーモデルのレブル250と基本骨格を共有しながら、シートレールの変更や専用タンク、マフラー、ライディングポジション構[…]
人気記事ランキング(全体)
新設計の4気筒・502ccエンジンにEクラッチを搭載! ホンダは、中国で開催中の重慶モーターサイクルショーにて新型モデル「CB500スーパーフォア(CB500 SUPER FOUR)」を世界初公開した[…]
ダークカラーに往年のオマージュカラーを乗せて 特別仕様車の製作を定期的に行うカブハウスは、1970年代のダックスをオマージュしたような限定仕様「DAX Royal Limited Edition」を発[…]
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?! タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。 一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカ[…]
滑りにくさと耐久性を両立したソール設計 アシックスの安全靴「WINJOB CP113」は、油で劣化しにくく耐久性に優れたCPグリップソールを採用。濡れた床や油で汚れた現場でも安定したグリップ性能を発揮[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
最新の投稿記事(全体)
走って、摘んで、味わう極上のリトリート 「The STAY」を含む「千年オリーブテラス for your wellness」は、”千年生きるオリーブのすごい力を取り入れる”をコンセプトとした、宿泊・滞[…]
国産4社の400cc4ストツインの系譜 排気量上限が400cc以下の普通2輪免許、一昔前の言葉で言うなら中型限定免許は、日本独自の制度である。もっとも欧州では大昔から、排気量が400cc前後のロードス[…]
新設計の4気筒・502ccエンジンにEクラッチを搭載! ホンダは、中国で開催中の重慶モーターサイクルショーにて新型モデル「CB500スーパーフォア(CB500 SUPER FOUR)」を世界初公開した[…]
白バイ・ポケバイ展示とタイヤ安全点検で安全意識をレベルアップだ! このイベントの核となるのは、クルマ・バイク・自転車それぞれの交通安全知識の啓発だ。 とくに我々ライダーが注目すべきは、「バイク」のセク[…]
Honda CUV e:(2025) Hondaが「2050年カーボンニュートラル社会の実現」に向けた取り組みの一環として進めている、2輪車の電動化。その歴史は1994年の「CUV-ES」から始まり、[…]
- 1
- 2