
●記事提供: ライドハイ編集部
軽快だけど前輪にグリップ感がない、不安がつきまとうハンドリングの危うさ!
’80年代のバイクブームは、国産バイクだけでなくいわゆる”外車”、海外メーカーのバイクへ手を伸ばすライダーも徐々に増やしていた。
当時の大型バイクは既に日本車が圧倒的優位で、スポーツバイクではトライアンフやBSAにノートンなど英国勢は消滅していて、ドゥカティとBMWがかろうじて残っている程度。
そのBMWも空冷ボクサーだけで、一部のツーリングマニア向けとして捉えられていた。だから、スポーツライディングとなるとドゥカティのみだったのだ。
’70年代後半にマイク・ヘイルウッドがマン島T.T.で優勝したマシンのベースとなった、ベベル駆動の旧態ビッグLツイン750SSが唯一日本製スーパースポーツに対抗していたのである。
そのドゥカティが、ベベル駆動のOHCからコグドベルト駆動に換え、コンパクト化をはかったT.T.F-2マシンを開発。
強制開閉バルブのデスモを実用化させ、世界GPチャレンジ時代からドゥカティを牽引し続けてきた鬼才タリオーニ技師は、コンロッド1本分しか単気筒と幅の違わない超スリムな新型Lツインをデビューさせたのだ。
クランクケースにスイングアームピボットを配置し、トレリスフレームでバイク全体を中型サイズにまとめる、現在のドゥカティ・エンジニアリングへそのままへ受け継がれたベースが既に完成していた。
そして1985年、750F1として市販が開始されると、ドゥカティはアメリカAMAのデイトナへ出場。日本製4気筒勢と互角に渡り合うパフォーマンスをみせ、ファンを狂喜させたのだった。
エンジン幅が単気筒+コンロッド1本だけ、そんな750~1000ccは経験がない!
世界でプロダクションバイクのレースで、ルッキネリやフェラーリというイタリアの世界チャンピオンライダーによって圧巻の成績を収めた750F1だったが、市販車の750F1は初めてのフルカウルでレーシングマシンそのままのフォルムという話題性では群を抜いていたが、実際にライダーうけしていたかとなるとまだ微妙だった。
それもそのはず、まずイタリア製であることへのもうひとつ信頼できない気持ちが残ること。そして実際に試乗すると、それまでの日本車に慣れた感覚では違和感だらけの走行フィーリングだったのだ。
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