運転技量に自信がないので、コストをかけ一番グリップするタイヤを装着します。ところがベテランにツーリングするなら急ブレーキさえ、サーキット仕様は安心できない、と信じられないことを言われたのですが……。
●記事提供: ライドハイ編集部
A.秋冬春はサーキット仕様のハイエンドタイヤだと、不意のブレーキなど確かにリスクはあります
ご質問の方のように、万一のことを考えたらコストをかけて一番グリップするタイヤを選ばれるのは心情的によくわかります。
しかし、ハイエンドのサーキットでレーシングタイヤ並みにグリップできるカテゴリーが本領発揮するのは、タイヤにコーナリングフォースをたっぷり与え、体重もガッチリ載せてタイヤを潰せるライディングに限られます。
確かに超ソフトなトレッド・コンパウンドは、火傷しそうなほど高温になれば路面に貼りつくような粘りがあります。
しかしこれは柔軟に路面の凹凸に追従できるカーカスが、たっぷりデフして(凹んで)押し付けられた状態でのこと。低い荷重では呆気なく滑る場合も少なくありません。
モーターサイクルタイヤは路面追従性の次に、この押し潰す荷重でグリップが変わる面が大きく、クルマのタイヤと違ってライダー次第で性能が左右されます。
つまりサーキットで攻めるライディングができるライダーでなければ、ハイグリップ仕様ほどグリップできるとは言えないのです。
そうなると、ハイグリップ仕様はツーリングに向いていません。ましてや20℃を下回る秋から冬を挟んで春までの期間は、むしろリスクが高いと言わざるを得ません。
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