
●文/写真:モトツーリング編集部(カン吉)
日本一の規模を誇るカルスト台地は秘境感も味わえる
緩やかな丘が点在する大草原の中、まるでヒツジの群れのように点在する石灰岩の露出。日本一の規模を誇る、異世界感抜群のカルスト台地がここ秋吉台だ。 この大草原を縦断する国内屈指の絶景ロードが、山口県道242号秋吉台公園線、通称「カルストロード」と呼ばれる観光ロードである。
総延約13km。かつては有料道路だったのだが現在は無料開放されており、その特異な風景と共に、山中とは思えない解放感溢れる爽快ロードとして有名なルートである。
熱狂的ファンも多い上、山口県を代表する観光資源として大々的にPRされており、休日や連休ともなれば各地より観光客が殺到する為、ある意味では「定番」の観光地と言っても良いだろう。しかし、定番には定番なりの理由がある。渋滞があろうが、観光客が多かろうが、この日本一の大絶景は一生に一度は拝んでおいて絶対に損はない。
また、たまに観光バスの往来はあるものの、平日は意外と交通量は少なく、機会のある方であれば爽快さもプラスされた大変満足度の高いルートでもある。
また、この大平原ではとっておきの観賞方法がある。それは、カルストロード途中にある駐車場にバイクを置き、約1時間程度の時間を費やして徒歩で散策する事だ。ツアーの観光客が大変少ない為、一大観光地にも関わらず、秘境感すら堪能する事もできるのだ。
本記事に掲載した写真は許可を取った上で撮影しており、実際はバイクでの進入は不可。しかし、カルストロードから見える稜線の先まで歩けば、それまでの絶景すらチープに思える程の大展望が潜んでいる。
徒歩観賞ルートは看板も整備されており、迷う心配も皆無。散策路も比較的平坦な為、ライディングシューズでも全く問題ない。カルストロードを訪れた際は、絶対に時間を惜しまず散策する事をお勧めしたい。
国内最大級のカルスト地形であると言う事は、その地下には大鍾乳洞もある。「秋芳洞」と呼ばれるこの鍾乳洞、こちらも規模は国内屈指だ。
現在判明しているだけでも総延は約8.5km。国内第4位の規模を誇っている。冥王の神殿の如く、様々な奇岩や特異な地形が連なっており、こちらも見応えは抜群だ。
走って良し。観て良し。定番ながら大変満足度の高い道路&観光地域。タイトコーナーも少なく、マスツーリングにも大変お勧めな絶景ロードだろう。
観光バスや人混みとは一切無縁の大展望。目前の稜線を先をカルストロードが走っている。こちらが裏秋吉台。マイナーながら独り占めの絶景が潜んでいるのだ。
幅は軽トラ1台分。地元民用の細い踏み跡があるのみの秘密の裏道ルート。進入には許可が必要な為、通常バイクで走れる場所でないのが残念だが、徒歩では十分来れる。
あの丘の先がカルストロード。裏からの景色は解放感抜群だ。この風景は、駐車場より徒歩で往復約60分程度の時間があれば堪能可能だ。
秋芳洞は国内屈指の洞窟であると共に国内屈指の観光地でもある。しかし、ルートによっては中々エキサイティングなルートもあり冒険的要素も強い為、かなり楽しめるぞ。
まるで魔王のシャンデリアのような石灰岩のツララ。このような特異な光景が洞窟内に多数点在している。国定天然記念物にも指定されており見応え抜群だ。
こちらは秋芳洞で最も大定番の光景。教科書等で見た方も多いかもしれないが、やはりナマで見るとスケールの大きさに圧倒される。
別府弁天池湧水
カルストロード周辺のマイナーながら素晴らしいポイントを1件。本当に蒼い水が大量に湧き出す泉がある。これは写真加工をしている訳ではなく見たままの色。毎秒168Lもの湧水を噴出させるドリーネ池なのだ。名水100選にも選定されており、実際に飲用する事も可能。池畔にある蕎麦屋も隠れた名店としてファンが多い。
蒼い水が大量に湧き出すドリーネ池。●住所:山口県美祢市秋芳町別府水上 ●電話:0837-62-0304(秋芳洞観光センター)
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ツーリング)
日本を代表する3000m級の高峰絶景が楽しめる北アルプス山脈(飛騨山脈)。その雄大な北アルプス山脈の絶景が楽しめるのが、長野県小川村を横断する「小川アルプスライン」だ。約12kmにわたる全ルートとスポ[…]
朝6時台には伊豆に到着? バイクならではの伊豆巡りを 週末の伊豆半島といえば“渋滞”。そんなイメージだろう。実際、東名高速下り線は朝の6時台には渋滞が始まり、伊豆に入っても沼津市街/東伊豆/下田といっ[…]
宗一郎の生まれ故郷に位置するツーリングホテル 〈152INN〉が立地するのはホンダの創業者、本田宗一郎氏が生まれ育ったものづくりの町、二俣。国道152号線沿いというバイク乗りには馴染み深いロケーション[…]
「バイクのスプロケットの交換タイミングはいつなんだろう?」 これは、バイク仲間や先輩、バイク屋さんやバイク雑誌などでも昔からとずっと語られてきたことで、今ではインターネット検索すればいくらでも情報が出[…]
ツーリングの目的地としても楽しめる「日本の峠」たち ツーリングの醍醐味にはいろいろあるが、バイクならではの「五感で感じる風景」や「季節の移ろい」を楽しむことも大きな魅力。 山/海/川/田園風景など、走[…]
最新の関連記事(モトツーリング)
チェリーパークラインはピストン路 信州とは長野県のことである。古来より信濃国であった同地は、国を表す州の字を用い信州と呼ばれるようになった(他に甲州や武州などあり)。信州と言うと絶景道のビーナスライン[…]
まるで極楽浄土に迷い込んだような景色 例年は、9月ごろが見頃の埼玉県日高市の巾着田の曼珠沙華。2024年は暑さが長引いたせいか、10月前半が見頃とのことで、さっそく、日高市に向けてツーリングに出かけた[…]
市内の対象各店舗で割引やプレゼントが 魚沼市と福島県を結ぶ国道252号線・国道352号線は、風景の良さなどでライダーから好評価を集めている、国道だ。ほかにも、魚沼市には自然景観、グルメ、体験、温泉など[…]
2つのワイヤーシステムで足全体をホールド 足との一体感を構成し、足首まで保護してくれるハイカットシューズ。登山靴やレーシングブーツ、バスケットシューズなどに多いのも足首をしっかりホールドすることで靴の[…]
Screenshot バイクだからこそ行きやすい秘密の絶景を紹介! インバウンドが活況の中、日本の著名な絶景地はどこも混雑していて、せっかくリフレッシュしにツーリングに出かけたのに、人が多くて景色も見[…]
人気記事ランキング(全体)
ガチの原付二種ライバルを徹底比較! 原付二種と呼ばれる、50cc超~125cc以下のバイクはユーザーメリットが多い。任意保険は4輪車などに付帯させるファミリーバイク特約が使えるし、自動車税も90cc以[…]
情熱は昔も今も変わらず 「土日ともなると、ヘルメットとその周辺パーツだけで1日の売り上げが200万円、それに加えて革ツナギやグローブ、ブーツなどの用品関係だけで1日に500万円とか600万円とかの売り[…]
660ccの3気筒エンジンを搭載するトライアンフ「デイトナ660」 イギリスのバイクメーカー・トライアンフから新型車「デイトナ660」が発表された際、クルマ好きの中でも話題となったことをご存知でしょう[…]
日本を代表する3000m級の高峰絶景が楽しめる北アルプス山脈(飛騨山脈)。その雄大な北アルプス山脈の絶景が楽しめるのが、長野県小川村を横断する「小川アルプスライン」だ。約12kmにわたる全ルートとスポ[…]
電子の力で瞬時に冷却する「ペルチェ素子」を採用 このベスト最大の売りは、その冷却システムに「ペルチェ素子」を採用していること。これは、半導体の一種で、電気を流すと素子の片面が熱を吸収(冷却)、もう片面[…]
最新の投稿記事(全体)
バイクライフをサポートするラインアップ Pro Hondaのラインアップとして、4サイクルエンジン用オイル×5種類/2サイクルエンジン用オイル×3種類/ブレーキフルード×1種類/クッションオイル×2種[…]
2007年モデル概要:平成19年国内排出ガス規制に適合しつつ進化 二度目のフルモデルチェンジを果たしたのが、この2007年モデル。動力性能と車体の取り回しやすさの向上を目指し、それまでのモデルと比べて[…]
1位:「CBR500R FOUR」最新情報/予測まとめ 今なお復活が待たれているCB400スーパーフォアの後継モデル「新型CB400」。そのフルカウルモデルに、500cc版が登場するかもしれない。中国[…]
参加自由で無料、レッドバロンユーザーじゃなくても大歓迎! 全国に直営300店舗のバイク販売店を展開するレッドバロンのユーザー参加型イベント『FanFunミーティング』が、来たる6月21日(土)に、栃木[…]
[1996] ゼファーχ(ZR400-G1):4バルブ化でパワーアップ 1996年3月20日発売 ネイキッド人気でしのぎを削るライバル車に対抗し、カワサキの空冷4気筒で初の4バルブとなるχ(カイ)が登[…]
- 1
- 2