![[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_01.jpg)
塗料開発製造メーカー・BAN-ZI製の「サビキラープロ」は、サビの上から塗るだけでサビの進行を止める、たしかに便利だ。だがバイク用パーツのサビは、上から塗るのではなく根こそぎ取り除きたい。「サビトルキラー」「サビタンキラー」は、そんな絶版車オーナーにこそ活用してもらいたいアイテムだ。
●文/写真:栗田晃(モトメカニック編集部) ●外部リンク:株式会社BAN-ZI
旧車や絶版車のメンテナンスに最適。使い勝手の良い水性&中性タイプ
塗装やメッキで表面処理を行っても、進行していく金属のサビ。旧車や絶版車ユーザーにとって、サビは常に悩みのタネだ。
サビの上から直接ペイントできる錆転換塗料「サビキラープロ」と防錆塗料「サビキラーカラー」、そして今回紹介する錆除去剤「サビトルキラー」「サビタンキラー」は、いずれもサビの専門メーカーであるBAN-ZIが開発した製品だが、アプローチの方法がそれぞれまったく異なるのが興味深い。
サビトルキラーもサビタンキラーも金属表面のサビを除去する製品で、サビキラープロのような塗料ではない。そのため、サビに覆われたクロームメッキパーツのように、サビは落としたいが質感は変えたくないという場面で最適。
スプレーボトルで吹き付けるサビトルキラーの主成分はチオグリコール酸塩で、スプレー後30秒程度で反応が始まり、5〜10分待つと赤紫色に変色した溶液が流れ落ちる即効性が特長。この反応はブレーキダストクリーナーにも共通するもので、サビとともに鉄粉除去にも使用できる。
一方のサビタンキラーは、有機酸アミン塩がじっくり反応してサビを落としていくタイプで、ガソリンタンク内部のサビ取りに適している。また、バケツに入れたサビタンキラー溶液にパーツを浸せば、表面のサビ取りにも使える。どちらも金属素材や環境や肌に優しい中性タイプなので、安全に使えるのも魅力。
ワイヤーブラシなどで擦らなくてもサビが溶けるように落ちるサビトルキラーも、手が届かないガソリンタンク内のサビも確実に除去するサビタンキラーも、旧車や絶版車のメンテナンスやレストアには欠かせないアイテムである。
サビを研究し尽くしたBAN-ZIが開発したサビ取りケミカル
サビに対抗すると言っても、赤サビを不活性化する錆転換塗料のサビキラープロと、錆自体を取り除くサビトルキラーやサビタンキラーの原理は別。この2製品も成分や特性が異なり、それぞれに得意分野がある。ただどちらとも、性質を理解して使えばサビ取り効果が秀逸なのは確かなので、錆に悩むサンデーメカニックは活用すると良いだろう。
【BAN-ZI サビトルキラー/サビタンキラー】●価格:3487円(300ml)/6831円(1L)
サビトルキラー:スプレーすれば赤サビが溶け出す即効性が魅力
鉄やステンレスのサビだけでなく、プラスチックやコンクリートに付着したサビ汁(サビ汚れ)にも反応するため、幅広いジャンルで効果を発揮する。スプレーすると秒単位で赤紫色に変色する反応の早さも特長で、目の前のサビを今すぐ落としたい時に好都合。すすぎ後は防錆処理を行うと良い。
クロームメッキのサビはメッキ表面の目に見えないクラックから浸入した水分が原因となって発生し、コンパウンドなどで物理的に磨いても取り除けない。サビトルキラーは成分中のチオグリコール酸塩がサビを溶かすため、表面のツブツブ感がなくなるのが特長。
サビ部分に確実に付着させるため、油汚れや泥汚れは事前に洗い落としておくことが重要だが、水分が残っているとサビトルキラーが定着せず流れてしまうので、しっかり拭き取ってからスプレーする。
独特の匂いとともに、サビに付着すると10〜30秒ほどで赤紫色に変色が始まり、そのまま5〜10分程度放置した後に水で洗い流す。
クロームメッキ被膜の奥から出てきたサビの痕跡は残るものの、メッキ自体の光沢は回復し、メッキの表面を指先でなぞってもサビが引っかかることはない。
一度で落ちきらない場合は、洗い流した水を拭き取った後に再度スプレーする。短時間で確実にサビに反応するのが最大の魅力だ。
サビタンキラー:根深いサビは漬け込み処理を。20倍希釈で繰り返し使えるエコタイプ
サビタンキラーは水やぬるま湯で20倍に希釈して使用する。製品が1Lなので、ガソリンタンク容量20Lまで1本で対応できる。
サビの程度が酷いからといって、水を減らして濃度をアップしてもサビ取り効果がアップするわけではない。一度でサビが落ちきらなかった場合は、20倍に希釈した溶液で再度サビ取りを行う。
真っ赤なサビで固着しているポイントベースを漬け込んだところ、5時間ほどで赤サビが落ち、さらに5時間(合計10時間)でほぼ完全に地肌が露出した。この状態で浸透潤滑剤をスプレーしたところ、固着が解消してガバナーを分解することができた。使えそうには思えないパーツが再使用できるのは、エコにもつながる。
サビ取りを促進するのに40〜60℃のお湯で希釈して、反応中も保温状態を保つと効果的。サビトルキラーに比べると反応は穏やかで、このマフラーガードは5時間程度では変化は皆無だった。そのまま常温で12時間程度漬けたところサビが落ち、素地がはっきり露出した。サビが残った場合は水洗いしてから再度作業するが、連続して48時間以上漬けてはいけない。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
素材を痛めない万能クリーナーは、長期放置車&レストアの徹底洗車に最適 最近は、1970年代のカワサキZ系やホンダCB系に加えて、ホンダNSR250RやヤマハTZR250Rといったレーサーレプリカモデル[…]
まめなオイル管理が、良コンディションを維持できる秘訣 新型スーパーカブが発表されて以降、新型のシリーズモデルは、週末に限らず、毎日のように街中で見かけるようになった。軽く気ままに走ることができるモデル[…]
必要なのはキャブ本体とパーツリスト! 燃調キット開発プロセスとは 日本製自動車の性能は優秀で、日本国内で役目を終えた後も中古車として世界各地に輸出され、何十年という時を経ても現役で活躍していることが多[…]
“思い出の1台”に乗りたい バイクメーカーがニューモデルを開発する際は、ユーザーがそれを受容できるか、あるいは新たなマーケットを作り出せるかが重要。レーサーレプリカもネイキッドも、それがウケると分かっ[…]
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!! いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
点火トラブルって多いよね 昔から「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」の三大要素が調子の良いエンジンの条件として言われておりますが、それはそのまま調子が悪くなったバイクのチェック項目でもあります。その[…]
論より証拠! 試して実感その効果!! カーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がけてきた老舗ブランド「シュアラスター」。そのガソリン添加剤シリーズ「LOOP」のフラッグシップモデルが、[…]
高い耐久性、IP65防水性能がライダーのギアを守る ミルウォーキーツールが誇るツールボックス、PACKOUTシリーズの最大の特長は、その「高い耐久性・防水性・防塵性」を備えているという点。ガレージや作[…]
入れないとどうなる?フロントフォークのオイル はいどうも、みなさんこんにちは。本日は愛車DT50のフロントフォーク定期メンテナンスをやっております。 トップのキャップボルトを外してカラーを取り出して、[…]
「特殊ボルト」で困ったこと、ありませんか? 今回は「でかい六角穴のボルト」を特殊工具なしで外してみようというお話。 バイクを整備していると時々変なボルトに出会うことがあります。今回は古い原付オフロード[…]
最新の関連記事(オイル/ケミカル)
論より証拠! 試して実感その効果!! カーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がけてきた老舗ブランド「シュアラスター」。そのガソリン添加剤シリーズ「LOOP」のフラッグシップモデルが、[…]
Honda純正オイルは新ブランド「Pro Honda」へ Hondaのバイクのエンジン性能を100%発揮させる純正オイルが、2025年4月より新ブランド「Pro Honda(プロホンダ)」として生まれ[…]
古いゴムは硬化するのが自然の節理、だが・・・ ゴム部品は古くなると硬くなります。これは熱・酸素・紫外線などによる化学変化(酸化劣化)で、柔軟性の元である分子の網目構造が変化したり、柔らかくする成分(可[…]
原付バイクのオイル交換目安とは? 交換頻度のポイント 内燃エンジンにとって、潤滑/冷却/密封/清浄分散/防錆を担うエンジンオイルは、まさに血液とも言うべき重要なパーツです。 常に高温にさらされてエンジ[…]
単気筒1ボディと4連キャブでは洗浄段取りに違いあり。 超音波洗浄が可能なら、完璧に近い仕上がりに!! いつかそのうち乗るつもり…という「いつか」が数ヶ月から数年になり、もうダメか…となるのが長期放置車[…]
人気記事ランキング(全体)
11/1発売:カワサキ Z250 カワサキ「Z250」はニンジャ250と骨格を共有するこの軽二輪スーパーネイキッドは、アグレッシブな「Sugomi」デザインを継承。軽さと力強さを併せ持つ本格的スーパー[…]
薄くても温かい、保温性に優れる設計 GK-847は、ポリエステル素材をベースとしたサーマル構造を採用しており、薄手ながらも高い保温性を実現している。厚手のウインターグローブの下に装着しても動きが妨げら[…]
厳冬期ツーリングで感じる“インナーの限界” 真冬のツーリングでは、防寒ジャケットやグローブを重ねても、冷えは完全には防ぎきれない。風を受け続ける上半身は体温が下がりやすく、体幹が冷えることで集中力や操[…]
長距離や寒冷地ツーリングで感じる“防寒装備の限界” 真冬のツーリングでは、重ね着をしても上半身の冷えは避けにくい。特に風を受ける胸や腹部は冷えやすく、体幹が冷えることで集中力や操作精度が低下する。グリ[…]
より高度な電子制御でいつでもどこでも快適な走りを!! 【動画】2026 CB1000GT | Honda Motorcycles ホンダがEICMA 2025にて発表した「CB1000GT」は、「Hi[…]
最新の投稿記事(全体)
白バイ隊員の主な装備 オートバイが好きな方であれば一度は、白バイの装備や白バイ隊員の制服ってどうなっているんだろうって思ったことがあるのではないかと思います。私も警察官になる前は興味津々で、走っている[…]
11/1発売:カワサキ カワサキ ニンジャH2 SX SE カワサキの最高峰スポーツツアラー「ニンジャH2 SX SE」の2026年モデルが、11月1日に発売された。スーパーチャージャー搭載のバランス[…]
世界初公開! 3タイプのEVバイクが未来の二輪車シーンを牽引する!? 10月30日(木)から11月9日(日)まで東京ビッグサイトにて開催されている「ジャパンモビリティショー2025」。ヤマハのブースで[…]
革新メカERC装備の本格アドベンチャー EICMA2024、そして今春の東京モーターサイクルショーでも展示された「Concept F450GS」が、EICMA2025で正式モデル「F450GS」として[…]
風のように静かで、1000㏄並みにトルクフル! ホンダは昨年のEICMA2024で「EV Fun Concept」を出展したが、今回のEICMA2025では「WN7」を発表。基本スタイルは踏襲するもの[…]


![BAN-ZI|サビトルキラーとサビタンキラー|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_02-768x512.jpg)


![BAN-ZI|サビのついたマフラー|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_08a-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビトルキラー|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_03a-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビトルキラーをスプレー|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_04a-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビトルキラー|溶けたサビ|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_05a-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビトルキラー|拭き取り|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_06a-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビトルキラー|水で洗い流す|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_07a-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビタンキラー|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_09b-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビタンキラー|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_10b-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビタンキラー|錆びたポイントベース|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_13b-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビタンキラー|施工後|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_14b-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビタンキラー|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_12b-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビタンキラー|錆びたマフラーガード|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_15b-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビタンキラー|つけおき|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_16b-768x512.jpg)
![BAN-ZI|サビタンキラー|つけおき後|[絶版車の大敵=サビと戦え!] スプレーするか漬け込むか、程度で使い分けたい強力サビ除去剤](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/10/BAN-Zi_SabiKiller_17b-768x512.jpg)







































