
六角穴付きボルト=キャップボルトを回す工具といえば、セット工具に付属することも多いL字型の六角棒レンチで、六角ビットやビットソケットを買い足せば手数はかなり増えてくる。しかしフレックスヘックスレンチを手にすることで、さらに新たな世界が開けてくる。ストレートのレンチは六角ビットとホルダーを一体成型することでスリムに仕上げ、クリアランスが小さい場所でもスムーズにアクセスできるなど、使い勝手の良さとコスパの高さが脱帽ものだ。その他にもモトメカニック編集部が見つけたストレートの便利な工具を紹介しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:ストレート
ダブルフレックスヘックスレンチ:L形ヘックスにはできない微妙な角度調整で使い勝手アップ
一般的な六角棒レンチは、ビット部分が5mmなら軸部も5mmの六角で、手に食い込んで痛いこともある。だがこのレンチはグリップ部分に力を加えやすく、しならないため安心して使用できる。六角軸部分が短く強度面で有利な反面、深い穴の奥にあるボルトに届かない場合もある。それでも総合的に見ればとても魅力的である。
【ストレート ダブルフレックスヘックスレンチ】力を加えるか早回しをするかによって長軸と短軸を使い分けるL字型の六角棒レンチに対して、作業によってハンドル角度を変えて対応できるため、両端のビットサイズが異なる。●価格:(8×10mm 11-0810)1250円/(5×6mm 11-0506)1080円/(3×4mm 11-0304)920円
六角ビットソケットの根元をジョイントに加工したような形状なので、キャップボルト上方のクリアランスが小さい場面でショートヘッドタイプのL字型レンチが必要。そこは臨機応変の対応が必要だ。
L字型の六角レンチは最初に短軸側で緩めてから長軸に差し替えるが、フレックスレンチなら最初の緩めから早回しまでグリップ部の角度変更で対応できる。中途半端な角度で使えるのもありがたい。
オイルドレンパン:細く突き出たクチバシ形状がポイント。原付クラスやスクーター向けサイズ
フェルトやコットンに染みこませて捨てられる処理ボックスもあるが、オイル交換時は切り粉の有無を確認するため、いったんドレンパンに排出したい。このドレンパンは容量2L/高さ85mmで、スタンド類や車体下部との干渉を避けながらオイルドレンボルトの下までアプローチできるよう、くちばしのように長く伸びているのがデザイン上の特長だ。
【ストレート オイルドレンパン 2L バイク用 36-508】●価格:800円
カップリングプライヤー:配線カプラーのツメを狙ってつまめる、電気いじりの必須アイテム
汎用カプラーのツメには指先で押して外れるシンプルなタイプも多いが、バイクや自動車メーカーが純正採用するカプラーのロックやツメは簡単に外れないものも多く、ラジオペンチやプライヤーでいい加減に掴むと破損することもある。
そんな時にピンポイントで狙って押せるカップリングプライヤーが役に立つ。電気系いじりの必需品だ。
【ストレート カップリングプライヤー 12-9972】全長約180mm/最大開口幅約40mm。ストレートにはツメだけを押し込むプレートタイプのカプラー外しもあり、2タイプを用意しておけば大半のカプラーは引き抜ける。なお、カプラーのロックの中にはツメを押し上げて解除するタイプもあり、その場合はプライヤーは使えないので、事前の観察と見極めが必要。●価格:980円
ロックやツメ以外の部分に乗り上げないように曲げられた先端部分の直径は約φ3mmで、小さなカプラーの細いツメも狙いやすい。経年劣化した樹脂に圧力をかけすぎると割れるので慎重に。
ラチェットレンチ:高級感を演出するポリッシュ仕上げ。基本に忠実なプッシュリリースハンドル
ラチェットレンチは自動車整備を行うメカニック間で根強い需要があり、ストレートでは定期的にニューモデルを追加している。質実剛健と表現するにふさわしいオーソドックスなクイックリリース仕様の3/8″ポリッシュハンドルの全長198mmで、信頼性の高い60歯ギヤを採用したヘッドとグリップの重量バランスが良く手になじむ。
【ストレート ラチェットレンチ 60ギアタイプ 差込角3/8″(9.5mm) 10-6038】基本的なフォルムが同一で差込角1/4″/3/8″/1/2″が揃うシリーズ展開が特長。クイックリリースボタンや回転切り替えレバーの節度感はしっかりしており、202Nmの耐トルクもあることから、日常使用で不安を感じることはない。●価格:2980円
クルマのエンジンルーム内で、ハンドルからソケットが抜けて見えない場所に落下すると悲惨だ。それだけに、ボタンを押さないとロックボールが解除されないクイックリリースは安心装備となる。
ラチェットレンチヘッド:早回しに便利なギザ付きディスクをラチェットヘッドに装備
ボルトやナットを緩めた後に早回しする際、ソケットやスピンナーディスクではなくヘッド上面を回せるディスクを追加したアイデア製品。ディスクの外周には滑り止め加工が施されているので、油分が付着した手で操作してもスリップしにくい。ヘッドはスリムでコンパクトながらギヤは72歯なので、狭い場所でもギヤを送りやすい。
【ストレート ラチェットレンチ スリム スピンディスクヘッド 差込角3/8″(9.5mm) 10-7072】全長は195mmで、ストレート製ラチェットハンドルとしては珍しい樹脂製グリップを採用。グリップエンドに貫通穴があるので、壁面フックなどにかけて収納することもできる。●価格:2980円
スリムなヘッドは狭所作業で強みを発揮し、スピンディスクを使った早回しはラチェットハンドルを大きく振れない場面で有効だ。ディスク外径とヘッド幅がほぼ同一なので、作業中に邪魔になることはない。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
構成要素のすべてに技術的な裏付けがあるSP2シリーズ そもそも山口県のバイクショップからスタートしたASウオタニ。SP2フルパワーキット/SP2パワーコイルキット/SP2ハイパワーコイルセットといった[…]
エンジンと同時進行で開発されるオイルの重要性を再確認 シリンダーとピストンやクランクシャフトのジャーナル部分、クリアランスが狭い部分など、エンジンの隅々にまで行き渡って潤滑や冷却などの役割を果たしてい[…]
メッキのプロが開発したクロームメッキ専用品!! 鉄素材のさまざまな表面処理の中で光沢や質感、高級感のいずれにおいても秀でているのがクロームメッキだ。しかしながら近年では、メッキ工程で使用される六価クロ[…]
“機械遺産”のコンディションをどう維持するか 電気自動車や電動バイクの普及が進めば進むほど、旧車や絶版車ムーブメントは一段と熱くなりそうだ。内燃機関に対する注目度が高まるのと同時に、ユーザー自身は“機[…]
擦らず拭くだけでOK。デリケートな素材も傷つけることなく赤サビを除去できる バイクや自動車の部品はもちろん、橋梁/建築物/工具/アウトドア用品の材料として当たり前のように使われている鉄素材。豊富な埋蔵[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
バイクのパンク修理を自分でやるときに知っておきたい基本知識 どんなに注意して走っていても、路面の釘やネジなどを拾ってパンクすることは少なくありません。とくにバイクは路肩を走行する場合も多く、路肩には車[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回は2025年4月に発売されたばかり、ヤマハの新型「YZF-R25[…]
バイクオイル交換とは? エンジンオイルの役割 バイクのオイル交換とは、エンジン内部の潤滑や冷却、清浄などを担うエンジンオイルを新しいものに入れ替える作業です。 エンジン(内燃機)内部は精密パーツが高速[…]
あったよね~ガンスパーク! 「ガンスパーク」ってありましたね~。覚えてるだけじゃなくて、実際に使ってみたという方も多いのではないでしょうか。1980年代後半~1990年代前半は、どのバイク雑誌を開いて[…]
ギラギラの深い艶でボディが潤うと評判のチューブ入りのクリーム状ワックス「ゼロクリーム」に、新しい仲間が加わります。 白と緑が反転したパッケージが目を惹く「ゼロクリーム ノーコンパウンド」! その名の通[…]
最新の関連記事(工具)
ある日チョークが折れてた エンジン始動でチョークを引っ張ったらいきなり「スポッ」と抜けた。何事かと思ったら・・・折れてたんですよ、チョークケーブルのアウターが。 アクセルやクラッチ、スロットルやチョー[…]
レストアでのつまづきはそこかしこに 古いバイクをレストアしていると意外なところでつまずいたりするものですが、今回引っかかったのが8インチのチューブタイヤの「リムバンド」。 こちらのホイール、別にリムバ[…]
ヤフオクで入手したバイクのフレーム。ネジ穴に折れたボルトが詰まってた!? ヤフーオークションでとあるバイクのフレームを買ったところから話が始まります。 フレーム曲がりや大きな傷もなく、塗装面も小傷があ[…]
エンジンオイルにとって過酷な時期 オイル交換のタイミングって、地味に悩みますよね。「走行距離3000km~5000kmで交換が目安」とか「半年ごとに交換を!」なんて、よく聞くけれど、あくまでそれは“目[…]
なぜ「モンキーレンチ」って呼ぶのでしょうか? そういえば、筆者が幼いころに一番最初の覚えた工具の名前でもあります。最初は「なんでモンキーっていうの?」って親に聞いたけども「昔から決まっていることなんだ[…]
人気記事ランキング(全体)
バイク好きの軽トラ乗りに刺さるお手軽Ninja( ? )カスタム 実際に交換した方に使い勝手&機能性を深掘りしてみた!! 今回ご協力いただいたのは、日本最大級のクルマSNS『みんカラ』で愛車情[…]
あったよね~ガンスパーク! 「ガンスパーク」ってありましたね~。覚えてるだけじゃなくて、実際に使ってみたという方も多いのではないでしょうか。1980年代後半~1990年代前半は、どのバイク雑誌を開いて[…]
取り付け簡単!バイク用4K超高画質ドラレコ このたび、タナックスよりオートバイ用のポータブルドライブレコーダー「AKY-710S」が発売された。取り付けが簡単で、小型/軽量/4K高画質の3拍子が揃って[…]
どんなジャケットにも合わせられるベルトタイププロテクター ライダーの命を守る胸部プロテクターは、万が一の事故の際に内蔵への衝撃を和らげ、重篤なダメージから身を守る重要な役割を果たす。これまでも多くのプ[…]
本記事は配信を終了しました。→ WEBヤングマシントップへ 2025年モデルではさらなる排熱&快適性を徹底追求! 空冷式ジーンズは2022年の登場以来、完成度を高め続けてきた。2024年には走行風取り[…]
最新の投稿記事(全体)
3度目のタイトルに向け、鈴鹿8耐に挑む 2017-18年シーズンと2022年シーズンにEWCチャンピオンを獲得を獲得している「F.C.C. TSR Honda France」は、3度目のタイトル獲得に[…]
スーパーフォアをベースにシリンダー前傾角を変更、フレームも新設計した4本マフラーのトラディショナル感性! 1997年、ホンダは4本マフラーのCB400FOURをリリース。 すでに1992年からCB40[…]
海外超速報(動画付き) ついに本気のネオクラ来た! スズキGSX-8T/TT 1960年代の俊足ネイキッド「T500」(GT500の先祖)を現代的にオマージュした、スズキ渾身のネオクラシックが、海外で[…]
レーダーでの速度取締の現場 赤切符と青切符の違いとは? 冬から春にかけては卒業や就職をひかえて新たに運転免許を取得する人が増えてくる時期です。自動車学校・教習所で習ったとおりの運転を心がけているつもり[…]
バイクのパンク修理を自分でやるときに知っておきたい基本知識 どんなに注意して走っていても、路面の釘やネジなどを拾ってパンクすることは少なくありません。とくにバイクは路肩を走行する場合も多く、路肩には車[…]
- 1
- 2