![[バイクDIYメンテ] 作動性低下で乗り心地が悪くなる足まわり。オイル交換だけではなくグリースアップも重要〈スーパーゾイル〉](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
我々サンデーメカニックがリピーターとなって、数多くのクチコミが広がり、ユーザーがその「気持ち良い走り」に納得しているエンジンオイル添加剤、それがスーパーゾイル。これまで使ってきたブランドオイルはもちろん、何より安心のメーカー純正オイルに添加することでも、より一層、安心かつ気持ちが良い走りをゲットできるのがスーパーゾイルの特徴である。シリーズ商品にはスーパーゾイル成分を含有したマルチパーパスグリースやスプレーグリースがあるので、足まわりのグリースアップも実践しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:パパコーポレーション
金属部品同士の摺動摩擦に対して高い潤滑効果を持つスーパーゾイルグリース
通称「角目カスタム」と呼ばれるスーパーカブのカスタムシリーズ(角目ヘッドライトを標準装備するので角目カスタムと呼ばれる)。1980年代から2000年代まで、キャブレターエンジン時代に数多く販売されたモデルで、50/70/90の3シリーズ。
なかでも唯一50ccモデルのみ、フロントブレーキが異なる。ブレーキパネルがボトムリンクに直受けされた標準仕様に対して、トルクロッド付きの50カスタムは、ブレーキング時に“ホップアップ”しにくい特徴がある。
スーパーカブといえば、前進しながらフロントブレーキレバーを握ると、ポンッと前が浮き上がることで知られているが、トルクロッド付きのフローティングブレーキパネル仕様モデルは、この浮き上がりが抑制される。
スーパーカブの初代シリーズ/スポーツカブシリーズ/初代C90シリーズ、そしてこの角目のカスタム50には、このタイプのフロントブレーキが採用されていた。
アクスルシャフトを受けるブレーキパネル内にフローティングカラーが組み込まれていて、トルクロッドを外すとブレーキパネルが回転するのも特徴。したがって、その摺動部分がスムーズに作動しないと、狙った通りのフィーリングを得られなくなってしまう。
このカラーとブレーキパネルの作動性が悪くなると、フロントブレーキの効き具合が悪く違和感が出るので、パンク修理や何らかの理由でフロントホイールを取り外すような機会がある時には、このカラー周辺/アクスルシャフト/スピードメーターギヤ周辺へのグリースアップも積極的に行うようにしよう。
そんなグリースアップ時にお勧めしたいのが、スーパーゾイルグリースだ。金属部品同士、とくに、鉄製部品同士の摺動摩擦に対して高い潤滑効果を発揮する特徴もある。
【SUPER ZOIL グリース 金属表面改質再生剤配合・消音グリース】金属同士の摩擦熱に反応し、摺動部を平滑にして異音をなくす効果があるグリース。摩耗の進行を軽減するロングライフタイプ。-35℃〜+130℃の温度帯で使用可能。酸化や劣化が少ないのも大きな特徴で、長期間安定した潤滑性能を得られる。フローティング式ブレーキパネルのアクスルブッシュ部分などへの塗布には効果あり。スーパーカブに限らず他のモデルでも、潤滑性アップに効果があるグリースだ。●価格:2420円(100g)
摩擦熱によってスーパーゾイル成分が反応し、金属表面に化合物を形成。それが金属表面のただれや偏摩耗を抑制してくれる。したがってホイールベアリングやメーターギヤ周辺のケアにも優れている。
ここでは、アクスルシャフトへも塗布したが、実用車は雨天時でも走らなけらばならないケースが多いので、雨水の浸入によって気が付かないうちに起こってしまうアクスルシャフトのサビを防止できる。シャフトがサビると抜き差しに大変苦労してしまうこともあるので、防錆目的にもグリースの塗布はじつに有効なのだ。
ブレーキング時にブレーキパネルの動きをコントロールするトルクロッド付きモデルのアクスル部には、フローティングカラーが入る。この部品の作動性がカギを握るカスタム50。
2個のブレーキシューは2つ折にして取り外し、ブレーキカムをフリーにして、パネルを押さえながらアームを動かして作動性を確認してみよう。渋さがあってはダメ。
ブレーキカムへアームを組み込むセレーション端面部には、カムとアームの組み合わせ位置を示すポンチマークがある。分解前にはマークが一致しているか必ず確認しよう。
ポンチマークの一致を確認した後にアームを取り外し、ブレーキカムを引き抜いてみる。なんとか作動する程度の油分しか残っていなかったので、スーパーゾイルグリースを塗布。
グリース塗布時にはカム軸の汚れを洗い流してから作業しよう。アーム側にはダストシールの役割を果たすオイルフェルトが付く。この布リングにもグリースを染み込ませる。
1980年代以降の生産車になると、ブレーキシューの減り具合を外部へ知らせるインジケータプレートが付く。セレーション溝が1か所だけ異なるので、そこで合わせて組み立てる。
ブレーキパネルに対するブレーキカムの作動性を確認しつつ、グリースアップを終えたら、フローティングパネルのアクスル部分へ入るカラーへもグリースアップしよう。
メーターギヤのグリースが完全に固着している時には、綿棒で除去した後にパーツクリーナーで洗浄。今回は追加でグリースを塗布した。マイナスドライバーなどが使いやすい。
2つ折りに取り外したブレーキシューをパーツクリーナーで洗浄したら、摺動軸×カム受け面にもグリースをうっすら塗布しよう。ブレーキ時のビビリ音防止になる。
すべてのパーツを復元したらブレーキドラムと組み合わせるが、スピードメーターギヤの凸凹の組み合わせは確実に!! 間違って組み込むとメーターギヤの破損原因になる!!
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
“機械遺産”のコンディションをどう維持するか 電気自動車や電動バイクの普及が進めば進むほど、旧車や絶版車ムーブメントは一段と熱くなりそうだ。内燃機関に対する注目度が高まるのと同時に、ユーザー自身は“機[…]
擦らず拭くだけでOK。デリケートな素材も傷つけることなく赤サビを除去できる バイクや自動車の部品はもちろん、橋梁/建築物/工具/アウトドア用品の材料として当たり前のように使われている鉄素材。豊富な埋蔵[…]
車種別専用パーツのラインナップも豊富なキジマ バイクメーカーが開発するニューモデルは、ビギナーからベテランに至る幅広いニーズに応えるべく仕様を決定しているが、それでもすべてのライダーの希望を叶えられる[…]
メンテナンスで覚えて、カスタムで楽しむホンダのモンキー&ゴリラ シフトアップ製88ccキットを組み込み、ノーマルキャブのままでセッティング変更せずに普通に走ることができた、6ボルト仕様の初期型黄色ゴリ[…]
ネットで注文できる1サイズ&1プライスガレージ。完成状態で運搬されてクレーンで据え置きされる サンデーメカニックなら誰もが知る工具ショップ・アストロプロダクツのホームページ上に「BIKE小屋」という商[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
エンジンがかかりにくい→完全停止へ 今回直したのはスズキのZZです。2000年代初頭に登場した50ccスクーターで、「通勤快速」として人気を博し、油圧ディスクブレーキやアルミホイールなど、当時としては[…]
大和ハウスグループが手がけたD-Wash 愛車を長持ちさせるためにも、大切にしたい「洗車」という作業。 汚れの放置はサビや各部品の劣化が進むことにもつながるし、洗車をしながら、緩んでいるボルトやパーツ[…]
“機械遺産”のコンディションをどう維持するか 電気自動車や電動バイクの普及が進めば進むほど、旧車や絶版車ムーブメントは一段と熱くなりそうだ。内燃機関に対する注目度が高まるのと同時に、ユーザー自身は“機[…]
擦らず拭くだけでOK。デリケートな素材も傷つけることなく赤サビを除去できる バイクや自動車の部品はもちろん、橋梁/建築物/工具/アウトドア用品の材料として当たり前のように使われている鉄素材。豊富な埋蔵[…]
スパナやレンチの長さが違うのはナゼ? 工具箱に並ぶスパナやレンチ。 10mm、12mm、14mm…サイズごとに全長が違うのは、当たり前の光景ですよね。これもそうだし。 コッチもそう。狭所作業用の短いス[…]
最新の関連記事(オイル/ケミカル)
“機械遺産”のコンディションをどう維持するか 電気自動車や電動バイクの普及が進めば進むほど、旧車や絶版車ムーブメントは一段と熱くなりそうだ。内燃機関に対する注目度が高まるのと同時に、ユーザー自身は“機[…]
擦らず拭くだけでOK。デリケートな素材も傷つけることなく赤サビを除去できる バイクや自動車の部品はもちろん、橋梁/建築物/工具/アウトドア用品の材料として当たり前のように使われている鉄素材。豊富な埋蔵[…]
オイルひとつでエンジン特性が激変!! ヤマハ純正オイル「ヤマルーブ」。4ストロークエンジン用のオイルだけでもさまざまなグレードが用意されているが、いったいナニがどう違うのだろうか? はたして一般ライダ[…]
チェーンメンテナンスって難しそう 日常的なバイクメンテナンスの代表格といえば洗車ですが、その次に作業頻度が高いと思われるのは「チェーンメンテナンス」 チェーンメンテナンスの工程は大きく分けて以下の3つ[…]
論より証拠! 試して実感、その効果!! カーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がける老舗ブランド・シュアラスター。そのガソリン添加剤シリーズ「LOOP」のフラッグシップモデルが、この[…]
人気記事ランキング(全体)
日本を代表するツーリングロードのティア表だっ! 「次のツーリングは、どこへ行こう?」 そんな嬉しい悩みを抱える全てのライダーに捧げる、究極のツーリングスポット・ティア表が完成した。 ……いや、そもそも[…]
Z1、GPz900R、Ninja ZX-9Rから連なる“マジックナイン”の最新進化系 カワサキは、948cc並列4気筒エンジンを搭載したスーパーネイキッド「Z900」および上級モデル「Z900 SE」[…]
幻のヤマハロータリー〈RZ201〉 1972年東京モーターショウの最大の話題は彗星のように登場したこのローターリー車だ。水冷・横置きツインローターを搭載、また前輪とともに後輪にもディスクブレーキを採用[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
機能性を損なうことなく利便性を高めた、期待の新製品 おたふく手袋は、長年、多くのプロフェッショナルから信頼され続けている老舗軍手メーカー。同社が展開する「BODY TOUGHNESS(ボディタフネス)[…]
最新の投稿記事(全体)
バイク駐車場の拡充に取り組む千葉市 千葉市内には6区で50の鉄道駅がある。中でも千葉駅は千葉県の中心駅として、JR東日本の在来線6線と京成電鉄、さらに千葉都市モノレールが乗り入れている。 都心や成田空[…]
州知事や政府関係者のほか、従業員も参加し祝う 四輪車はもちろん、ビジネスジェット機でも知られ、最近では再使用型ロケットでも話題のホンダ。その始まり、つまり「祖業」は二輪車にある。 スタートは自転車用補[…]
2024年モデル概要:XSRらしさを受け継いだ末弟 海外で先行して展開されていたXSR125の国内導入が明かされたのは、2023年春のモーターサイクルショーでのこと。発売は同年の12月8日だった。 X[…]
似ているようでカブとはまったく違うのだ アウトドアテイストの強いCT125ハンターカブが人気だからといって、ここまでキャラクターを寄せてくることないんじゃない? なんて穿った見方で今回の主役であるPG[…]
実績豊富なディーラーによる絶妙なバランス感覚 全国のハーレーダビッドソンジャパン販売網がカスタムの腕とセンスを競うコンテスト『バトルオブザキングス』にて2年連続で日本一になった実績を持つワタナベモータ[…]
- 1
- 2