“MADE IN JAPAN”にこだわり、日本のメーカーとの協業による自社ブランド製品の開発を行うアドバンテージ。市販車/レース用マシン向けにサスペンションを製造する日立アステモSHOWAとも、“アドバンテージSHOWA”として数多くの製品を作り出してきた。一方で、SHOWA製品の整備やメンテナンスができるディーラーとしての側面を持つ同社は、話題のZ900RSサスペンションキットやモトクロス用A-kitの販売も積極的に行っている。
●文/写真:栗田晃 ●外部リンク:アドバンテージ
アドバンテージ創業以来協力関係にある“HITACHI Astemo SHOWA”ブランドのサスペンションを販売
2022年春に発売されたSHOWA製カワサキZ900RS用サスペンションキットは、スーパーバイクモデル用に開発されたBFF(バランスフリーフロントフォーク)&BFRC-lite(バランスフリーリアクッションライト)をZ900RS向けに専用チューニングしたカスタムパーツとして話題となった。
そのマーケティングに関与したのがアドバンテージである。同社はSHOWAと共同して“アドバンテージSHOWA”製品を開発する一方、SHOWAが開発を主導したこのキットに関してはディーラーとして重要な役割を果たしている。2022年12月に製造される第2ロットの30台分もすでにオーダー済みで、アドバンテージからユーザーに販売される。
モトクロス世界選手権やAMAモトクロスに参戦するホンダCRF450RとKTM450SX-F用サスペンションキット「GP Series A-Kit」はニッチな製品だが、モトクロス界に精通し海外のチームとも関係の深いアドバンテージだからこそ、確固たる販売実績を築いている。
絶版車ユーザーにとって現行モデルのサスペンションは馴染みが薄いかもしれない。だがアドバンテージは、最新の技術を扱い続けることで、絶版車に通用するフットワークパーツを生み出すヒントやモチベーションとしているのだ。
“アドバンテージ”ネームが付かないSHOWAも積極販売
30年にわたってユーザー向けの製品を開発してきたアドバンテージ。一方自動車部品メーカーは、完成車メーカー向けの製品開発に軸足があり、エンドユーザー向けの製品がない。そこで部品メーカーのアフターマーケット直接参入を応援する目的もあり、アドバンテージでは自社ネームの付かないSHOWAサスペンションキットも積極的に取り扱っている。
会社名は「日立Astemo」になってもSHOWAブランドは継続
ケーヒン/ニッシン/ショーワ/日立オートモーティブシステムズが経営統合して誕生した「日立Astemo」。バイクユーザーに馴染みの深いSHOWAは“HITACHI Astemo SHOWA”ブランドとなり、新車向けパーツだけでなく今後はアフターパーツの開発販売にも力を入れていく。Z900RS用サスペンションキットはその第1弾となる。
アドバンテージ社内にZ900RS用/モトクロッサー用A-kitをディスプレイ
スーパーバイク選手権で技術を磨いたBFF(右)は、フロントフォークがストロークする際にピストンの表裏に発生する圧力差をなくすことで、キャビテーションを原因とした減衰抜けを解消。FIMモトクロス世界選手権で実証されたマイクロディンプル加工アウターチューブとエメラルドコーティングインナーチューブ技術を適用したA-Kit(左)。どちらもSHOWA独自の技術で、“MADE IN JAPAN”にこだわるアドバンテージにとって不可欠なアイテムだ。
ホンダCRFとKTMに対応するA-kit
SHOWA GP Series A-Kitは、ホンダCRF450RとKTM450SX-Fの2機種用に開発されたサスペンションキット。競技用車両といっても市販車とワークスマシンには素材や技術に隔たりがあり、A-Kitはワークスクオリティをフィードバック。アドバンテージの実績があるからこそ取り扱える製品だ。
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