エンジンオイルの違いが、体感性能となって現れる事実は、ベテランライダーなら誰もが経験したことがあるはずだ。使い慣れたエンジンオイルがあるのなら、スーパーゾイルを添加することで、気持ちが良い走りを獲得することができる。本記事ではBMW K75Sに対し、スーパーゾイルを添加したオイル交換を実践してみた。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:パパコーポレーション
乗りっ放しだった原付バイクのエンジン部品を取り外すと、内側がブローバイガスによるカーボン汚れで、真っ黒になっていることが多い。しかし、このBMWのエンジン内は、アルミ部品や鉄部品がマテリアル色そのもの。以前のオーナーさんが大切に乗ってきた証拠であり、定期的なオイル交換もしっかり行われてきたのだろう。エンジンオイルを抜いてから各種カバーを取り外したが、覗き込んだエンジン内部は驚くほどきれい!!
仮に、エンジン内部が汚れていたら、フラッシングゾイルを使ってエンジン始動を試み、内部洗浄を行ってから、お気に入りのエンジンオイルを入れて……などと考えていたが、そんな心配は無用だった。
エンジン始動前にオイル漏れやオイル滲みを見つけた時には、カバーを外してガスケット交換、もしくは応急処置で液状ガスケットを併用することになるが、そんな時には、エンジン内に作業ライトを照射し、エンジン内側の汚れ方をしっかり確認してみよう。部品同士が擦れあっている摺動面が輝いていても、部品の表面が真っ黒に汚れているような場合は、エンジンコンディションを疑う必要もある。
エンジン内部の汚れは、ブローバイガスによるものが多い。ピストンリングの減りやバルブガイドの摩耗によって、爆発燃焼ガスが摩耗部品の隙間からクランクケース内に侵入。その燃焼ガスのカーボンが部品を真っ黒に汚していることが多い。
また、摩耗限界に達していなくても、長い期間エンジンオイルを交換しないで走り続けてしまうと、エンジンオイルは真っ黒に汚れ、性能低下してしまう。そんな汚れでエンジン内部が真っ黒になってしまう前に、定期的なオイル交換が必要なのだ。逆説的には、定期的なオイル交換の実践によって、部品摺動部がケアされ、摩耗が減り、エンジンオイルも汚れなくなるものだ。
そんなオイル交換時に利用したいのが、高性能エンジンオイル添加剤の「スーパーゾイル」だ。スーパーゾイルを添加済の化学合成オイル=シンセティックゾイルや、鉱物油ベースの部分合成オイル=セミシンセティックゾイルもあるが、これまで使い続けてきたブランドオイルに信頼を寄せているオーナーなら、利用オイル量に対し10%添加する4サイクルエンジン用スーパーゾイルや、5%の添加でも4サイクル用スーパーゾイルと同等の効果を得られるスーパーゾイルエコもある。ここでは、手持ちの鉱物油10W-40に4サイクル用スーパーゾイルを10%添加してオイル交換を実践。オイル交換時に、一気に規定量のオイルを注入してしまいがちだが、これは大間違い。まずは規定量に対して最低限(LOWレベル)まで注入してエンジン始動し、しばらくアイドリングさせたらエンジン停止。さらに数分後に再度オイルレベルを確認して、規定の範囲内でオイルレベルを調整する。その手順が正解だ。
オイルを規定レベル以上入れてしまうと、稼働中のエンジン内部の空気室容量が減り、ブリーザー穴からエンジンオイルを吹き出してしまうため、オイル量は規定の範囲内で調整するように心がけよう。
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