エンジンオイルの違いが体感性能となって現れる事実は、ベテランライダーなら誰もが経験したことがあるはずだ。実は大排気量車以上に、常にコンディション良いエンジンオイルでありたいのが小排気量車。しかも久しぶりに走らせたい車両であれば、エンジン内部の汚れにも注目を。今回は、数多くのユーザーに注目されているエンジンオイル添加剤「スーパーゾイル」を使ってリポートする。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:パパコーポレーション
小排気量車の方が、エンジンオイルコンディションには気を配りたい
エンジンパワーが非力なほど、エンジン回転を高め、高回転キープで走る機会が多くなる。そんな使われ方をするのが小排気量車の特徴である。実は、ビッグトルクにモノを言わせ、エンジン回転を高めずに済む大排気量車の走り以上に、小排気量車の方がエンジンオイルコンディションには気を配りたいものなのだ。
小排気量車の場合は、ギンギンにエンジン回転を高めて走ることが多いため、オイル性能がどうしても低下しやすくなる。特に、市街地走行がメインで、暖機しては冷え、また始動してはエンジンが温まった頃には…。そんな繰り返しが多いことでも、オイル性能は低下しやすくなってしまう。温度変化によって水分が発生しやすくなるが、それがオイル内に混ざってしまうことで、オイル性能が著しく低下してしまうのだ。
また、しばらく放置されていた車両の場合は、保管環境によってもコンディションに大きな違いが出るものだ。ガソリンタンク内部がサビるような環境の場合は、同じようにエンジン内部にも湿気が混入しているはず。フィラーキャップのディップスティックやオイル点検窓を目視し「オイルが入っているから大丈夫」とは思わず、放置されていたバイクを公道復帰させる際には、最低でもエンジンオイルやブレーキフルード交換は実施しなくてはならない。
今回は、20年近く不動状況が続いているホンダの原付・ノーティダックスのエンジン始動を試みた。預かった車両のオイルフィラーを開けてエンジン内部を確認すると、ディップスティックにはオイルが付着。しかし、墨汁のように真っ黒…。エンジン内部は相当に汚れているようだ。オーバーホールが前提なら、そんな状況でも分解できるし、分解後にエンジン内壁や内部パーツを洗浄すれば良い!? と以前は考えていた。
ところが先日、バイク仲間がオーバーホール前のエンジンにシンセティックゾイルを入れ、毎日のようにエンジン始動。完全暖気するまでアイドリングさせ、それを何度も何度も繰り返しながら数日間を過ごし、オイルパンを取り外して内部を覗き込んでみたら、エンジン内部は真っ黒!! 汚れたオイルの油アカで壁面が黒ずんでいたそうだ。
そこで、フラッシングゾイルを利用して、徹底的に内部洗浄を行った後に、エンジンを降ろして分解したそうだ。するとエンジン内部の汚れは驚くほど落ちていて、分解したパーツは軽く洗浄する程度でも十分な状況になっていたそうだ。汚れた状態のエンジンを降ろして分解洗浄するのではなく、コンプリート状態でフラッシング洗浄することで、後々の部品洗浄の手間を少しでも減らすことができれば……と考えて大成功!!
もちろん、分解オーバーホール前提ではなく、純粋なエンジン内部洗浄ケミカルとしてのフラッシングゾイルも魅力的な商品だ。エンジン内部が汚れた状態でオイル交換しても、残留オイルやこびり付いていた油アカの影響で、新しいエンジンオイルは早いタイミングで汚れてしまう。そんなオイル交換では、充実度は低下してしまうもの…。
今回は、しっかりフラッシング処理を行った後に、特に旧車に相性の良いセミシンセティックゾイルを注入。100%化学合成で浸透性が良い高性能エンジンオイルは魅力的だが、旧車ならではの特性を考慮したセミシンセティックゾイルも、これまた魅力的な商品だ。
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