
かねてからバイクの様々なパーツ間で静電気由来のフリクションが生じていることに気づき、それを除去するアイテムを製作してきたNGCジャパン。今回はタイヤに注目。ホイールバランスに影響を与える重量増加を避けながら、各部に悪影響を及ぼすタイヤからの静電気を除去する「タイヤバルブ用放電ナット」を紹介する。
●文/写真:モトメカニック編集部(栗田晃) ●外部リンク:NGCジャパン
静電気を取り除く小さなパーツで多くの変化が起こる
回転でも摺動でも空気でも液体でも、何かが動くところには必ず発生する静電気。その”気づき”に大きな役割を果たしたのが、特許を取得したNGCジャパンの”スムースドライブシステム”である。
同社の小林史和代表は、スムースドライブシステムの花びらナット開発初期から「タイヤこそ静電気の巣窟である」と見込んでいた。しかしホイールから簡単に外れるようでは製品化はできないし、ホイールバランスに影響を与える重量増加も避けなければならない。
新製品の「タイヤバルブ用放電ナット」はこれらの条件をクリアするため、1.5mm厚のステンレスにタイヤバルブ用の雌ネジを切った丸ナットを製作し、花びらワッシャーを溶接した。その結果、重量は1.6グラムに収まり、タイヤバルブにしっかり固定できる構造となり、再バランス取りも不要となった。
気になる変化は、車両やタイヤ/ホイール、ライダーによって差があるが、接地感がしっかりする/ノイズが減少する/スロットルを閉じた際の空走距離が伸びる/追い越し加速が良くなる/路面の継ぎ目を越えた時の衝撃が柔らかくなる等、多くの変化が報告されている。
タイヤが転がる際に発生する静電気を想像するのは難しいし、簡単に理解はできない。しかし小さな放電ナットひとつで変化が実感できるとしたら、そこに何らかの作用があるのは間違いないだろう。
【NGCジャパン タイヤバルブ用放電ナット】バイクや自動車の米式バルブと一般的な自転車の英式バルブは、ネジ径とピッチがよく似ているが別物のため、放電ナットも別製品となる。自転車のロードバイク用の細い仏式バルブ用は、米式/英式よりも明らかに細い。別途、自操式車椅子用も用意されている。[左]仏式バルブ用 [中]英式バルブ用 [右]米式バルブ用 ●定価:1600円(1個 税別)
人力が動力となる自転車の方が、エンジンに頼るバイクや自動車より変化が分かりやすい。同じ道を同じ空気圧で走ってペダルが軽くなるのはどう考えても不思議な感覚だ。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
あなたにおすすめの関連記事
CT125はオールマイティに使える大変優れたバイクです CT125ハンターカブの実車を初めて見たのは、'19年秋の東京モーターショーでのこと。その後すぐに発売されるという噂を耳にし、さらに『ヤングマシ[…]
プラノ ツールボックス:大容量でお洒落なポルシェデザイン。着脱可能なおか持ち収納付き プラスチック製工具箱のパイオニア・プラノ(PLANO)は、アメリカで創業してヨーロッパで大きく成長したブランドだ。[…]
金属部品でも摩耗しやすい2サイクルエンジン向け 爆発燃焼圧力を保持し、往復運動するピストンの気密性を高めるのがピストンリングの役割。4サイクルエンジンのピストンリングは、シリンダーに対してフリー回転で[…]
ガレージで重宝する据え置き型チェストにバイクメンテの必須ツールをセット 工具の定位置がひと目で分かるウレタン製のトレイは、収納忘れを防止する2トーン仕様。上蓋の裏側はメッシュパネルを装着している。 デ[…]
乗り味を大きく変えるマフラー交換 マフラーの交換は、排気効率をアップさせることでエンジンの持つポテンシャルを引き出し、パワー特性も変化させるなど乗り味を大きく変えます。もちろんサウンドも変化します。令[…]
最新の記事
- 中古相場もわかる! カワサキ「ニンジャ400」歴代モデル図鑑【2021モデル:ツール感のあるティール色】
- 「1970年代のヤマハが築いたナナハンキラーの原点」1970年『RD350/RD250』【柏 秀樹の昭和~平成 カタログ蔵出しコラム Vol.16】
- 映画がさらに面白くなる! トップガン「GPZ900Rマーヴェリック号」外装ステッカーに秘められた意味
- 「2スト全盛期を代表する傑作」1986ホンダNSR250R:レーサーに保安部品を付けただけ!【あの素晴らしい名車をもう一度】
- 世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.142「“怖さ”をコントロールする変な人たち、それがレーシングライダー」
- 1
- 2