
ロイヤルエンフィールドの世界観を知るなら、ロイヤルエンフィールド東京ショールームを訪れるのがおすすめだ。バイクだけでなくアパレルやグッズなどを豊富に取り揃え、試乗と見学ができるショールームは、じっくりと時間をかけてブランドを知ることができる。
●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム
ロイヤルエンフィール東京ショールームは全ラインナップ試乗可(もちろん無料)!
「このバイクが欲しい!」と思った時、皆さんはどんな行動を取るだろうか?
ちょっと味見、ちょっと試着といった要望がなかなか叶わないのがバイクだ。タイヤやオイルなどの消耗、マフラーなどのカスタムパーツも、できれば試してから購入したいが、そうはいかないのがバイク趣味なのだ。
しかし、ロイヤルエンフィールドの場合、ディーラーによっては試乗車を豊富にラインナップしており、試すことが可能。さらに関東近郊のユーザーであればロイヤルエンフィールド東京ショールームを一度訪れるのがおすすめ。ロイヤルエンフィールドの世界観を色濃く反映した場所であり、スタッフも常駐しているため、気になるモデルの詳細を聞くこともできる。
バイクショップではなくバイクの販売を行っていないショールームというコンセプトだから、「試乗したら買わないといけないのかも…」というプレッシャーを感じることは皆無。もちろん「このモデルが欲しい」となった際には、デイーラーを紹介してもらうこともできる。
ただし、試乗は予約が必要なので、事前に連絡してから訪れるのがおすすめだ。
ロイヤルエンフィールドのラインナップを3つに分けて考えよう! まずは648ccの3兄弟!
今夏発売となったスーパーメテオ650も、もちろん試乗できる。
ロイヤルエンフィールドのエンジンはすべて空冷だ。近年、ほとんどのバイクメーカーがエンジンを水冷化する中、ロイヤルエンフィールドは空冷エンジンを開発し続け、そこにこだわりを持っている。そんな味わい深い空冷エンジンは大きく分けて3種類。
650ccのパラレルツインエンジンを搭載するモデルは、良き時代の英国カフェレーサー「コンチネンタルGT650」と、ブリティッシュトラディショナルネイキッドの「INT650」、そしてラインナップに加わったばかりの「スーパーメテオ650」の3機種。
コンチネンタルGT650とINT650はフレームやエンジンは共通でポジションが異なる。ハンドルは見た通りだが、実はステップ位置も異なり、跨っただけでその違いは体感できる。長距離を走った時のイメージはもちろん、街並みに馴染ませた時のライフスタイルを想像すると、自分の趣向に当てはめやすいと思う。
クルーザーのスーパーメテオ650は、前途の2台とは別物。クルーザーらしくエンジンは低速を強化し、フレームも新作。ホイールサイズやポジションも専用だが、クルーザーになってもオーセンティックなバイク作りは変わらない。
648ccエンジンを搭載した各バイクのキャラクターの差別化は、よくぞここまで作り分けたなぁと感心するほどなので、是非とも実際に体感していただきたい。
写真左から順に、コンチネンタルGT650/INT650。ハリスフレームに空冷ツインを搭載した正統派英国カフェレーサーと英国クラシックを感じさせてくれるアップハンドルのバイク。
411ccの兄弟はフレンドリーなアドベンチャーとストリートトラッカー
日本人的に411ccという排気量はとても微妙である。しかし、ここにこそロイヤルエンフィールドのフィロソフィーがある。このエンジンを最初に搭載した「ヒマラヤ」は、その車名の通りヒマラヤ山脈を走るために生まれたモデル。実際にヒマラヤでヒマラヤを走った僕としては、その生い立ちに大きな感動を覚えたが、そうは言っても中々伝わらないのも事実。
だからこそ乗ってみてほしいのだ。ズバリ言うと、ビッグアドベンチャーに疲れた大人にオススメで、オフ車とビッグアドベンチャーの良いとこ取りをしたヒマラヤなら、なんとか1人で林道に挑めそうな気持ちになるのだ。ビッグアドベンチャーは「何かあったら起こせないかも…」の不安が残り、なかなか1人で林道へ行く一歩を踏み出せない。もちろん東京ショールームの近くに林道はないのだが、馴染みやすいキャラクターが林道を走りたい気持ちにさせてくれることが、一度乗ると分かると思う。
同エンジンを搭載する「スクラム」は、ヒマラヤよりも前輪を小径化したストリートスクランブラー。もちろん大型自動二輪免許が必要だが、ストリートを軽快に駆ける相棒としてのバランスは秀逸。昔存在したヤマハSR500的な玄人好みするマニアックさを持ち、スポーツシングル好きには知ってほしい感性がここにあるのだ。
写真左から順に、ヒマラヤを走るために誕生したヒマラヤ、ヒマラヤをベースにしたストリートスクランブラーのスクラム411。ともに排気量411ccのロングストローク単気筒だ。
大人気の350cc3兄弟の作り分けは見事! ぜひ比較試乗を!
写真左から順に、ハンター350/メテオ350/クラシック350。350ccの3機種は少しでも悩んでいるなら、まずは試乗を。3兄弟それぞれ個性があるので、乗ってみて体感してほしい。
いま、ロイヤルエンフィールドでいちばん売れているのがこの350ccシリーズ。クルーザーのメテオ350、旧車感の高いクラシック350、そしてロードスポーツのハンター350の3機種が用意されている。
この3機種は基本的に同じエンジンと同じフレームを採用しているのだが、ルックスも乗り味も別物。まずは跨り比べてみてポジションをチェック。するとそれぞれのバイクのキャラクターが少し見えてくるはず。
基本的には好みのルックスやカラー、雰囲気で選んでいいと思うが、せっかくなので乗り味の違いも知っておくと良いかも。
ロイヤルエンフィールド全車の共通点は、排気量の割に低速のトルク感が強いこと。低いギヤで高回転まで引っ張るような乗り方でなく、早めにシフトアップをして高いギヤでアクセルを大きめに開ける(高いギヤであれば、急に加速しないので安心を)ような乗り方がオススメ。
短い時間では分かりにくいかもしれないが、鼓動感や味わいといったフィーリングを感じてほしい。また車種によってはローシートでの試乗も可能。足着き性に不安がある方はスタッフに相談してみよう。
また、営業は基本的には平日になるけれど、最近は月に1回ほど土日営業もしているとのことなので、WEBサイトをチェックしてみよう!
ロイヤルエンフィールドの350ccシリーズ、スペックやキャラクターの比較はこちら>> ロイヤルエンフィールドの350ccシリーズ3機種は、何が違う?【メテオ/クラシック/ハンターの個性を比べてみよう】
ついにブランド初となる水冷エンジン搭載モデルが爆誕!?
味わい深い空冷エンジンを現代に伝え続けてきたロイヤルエンフィールドだが、ここにきてついに水冷エンジンを搭載した新モデルの情報が届いた! 資料として届いた動画を見るかぎり、エンジン前部にはラジエーターがはっきりと映っており、かつバイクの形状から推測するにヒマラヤがベースになっていることが窺える。
ちなみに動画の最後に表示される「32.2432° N 77.1892° E」を緯度と経度の座標で地図検索すると、インド北部にあるマナリという街を示す。標高2050mのマナリで、新生ヒマラヤ×水冷エンジンのお披露目となるのだろうか? 期待は高まるばかりだ。
しかし、ロイヤルエンフィールド初の水冷モデルがヒマラヤの後継モデルになるとは思いもせず、意表をつかれたような感覚はなんとも言えない。それだけヒマラヤはロイヤルエンフィールドにとって大切なアイコンなのだろう。続報を待ちたい。
ロイヤルエンフィールド東京ショールーム
東京都杉並区宮前4-25-19
営業時間:10:00~18:00(店休日はWEBにて確認を)
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
あなたにおすすめの関連記事
ターゲットを変えて3機種を作り分けるロイヤルエンフィールドの350ccシリーズ よく作り分けているなぁ、と感心する。普通自動二輪免許で乗れるロイヤルエンフィールド、メテオ350/クラシック350/ハン[…]
中型モーターサイクル市場をリードするロイヤルエンフィールド 世界最古のモーターサイクルブランドであるロイヤルエンフィールドは「Pure Ride, Pure Motorcycling」をコンセプトに掲[…]
微妙に大型。でも、こだわる価値はある。 この日、早朝の都内は空気がピシッと音を立てて凍ってしまいそうな冷気に包まれていた。でも、こんな日は、空冷単気筒が抜群に気持ちが良い。空気が圧縮されてガソリンと燃[…]
インドとイギリスに550名ほどのスタッフを抱え、年間100万台を生産 ──2021年度(2021年4月〜2022年3月)のロイヤルエンフィールドの年間生産量を教えてください。 Anuj Dua「202[…]
ロイヤルエンフィールド「ヒマラヤ」、お前はなぜ411ccなのか? ところで、皆さんはロイヤルエンフィールドの「ヒマラヤ」というバイクをご存知だろうか? 詳細は、ぜひこちらの記事↓をチェックしてみて! […]
最新の関連記事(ロイヤルエンフィールド)
関東では200台以上が集結! 『One Ride 2025 in 関東』の会場となったのは、週末ともなると大勢のライダーの憩いの場所となっている『バイカーズパラダイス南箱根』(静岡県函南町)だ。この日[…]
世界に羽ばたくカスタムビルダー「CUSTOM WORKS ZON」 ZONは、吉澤雄一氏と植田良和氏によって2003年に設立されたカスタムファクトリーだ。彼らの真骨頂は、他に類を見ない高いデザイン力と[…]
インドにも影響を与えたヒッピー文化をオマージュ ロイヤルエンフィールドジャパンが「ゴアンクラシック350」を正式発表。4つのカラーバリエーションをラインナップし、価格は74万9100円から。2025年[…]
“クラシック”シリーズ初の2気筒モデル ミドルクラスでグローバルな存在感を増しているロイヤルエンフィールドは、空冷350cc単気筒シリーズと空冷650cc 2気筒シリーズを多数展開。これに水冷450c[…]
スペシャルラテを飲みながら新型 ハンター350を堪能 東京・浅草の雷門の近くにあるカフェ「ORTIGA(オルティガ)」。ライダーが集うライダーズカフェとしても有名だ。 そのORTIGAで、8月17日([…]
最新の関連記事(ディーラー&ショップ)
旧車を維持管理するために必要なのは、駆け込み寺的存在 2010年にBMWモトラッドの販売に参入して以来、15年間で6店舗を展開してきたモトラッドミツオカグループ。母体である光岡自動車は創業55年以上と[…]
厳格な基準をクリアした車両のみが“認定中古車”を名乗れる 国内外のほとんどの2輪/4輪メーカーが設けているのが“認定中古車制度”だ。これは自社のブランド価値を保ち、中古車市場においても顧客に安心して車[…]
ショベル以前からエボリューションまで国内最大級の在庫数! まるでミュージアムだ。コンディションを整えたビンテージハーレーをはじめ、エボリューションモデルに至るまで、広い店内には常時100台以上を在庫す[…]
ファイヤープレイスやカフェカウンターなど、ゆとりある店内でそれぞれの時間を楽しむ 広々とした店内は320m2というゆとりの空間だ。ダークブラウンとブラックを中心とした落ち着いたトーンで、従来のショール[…]
コラボイベントの事前告知はSNS 「ウィズハーレー誌とのコラボ企画! イベントの模様は誌面にて掲載されます!!」 イベント開催が決定後、すぐにハーレーダビッドソン川口、そして関連店舗のSNSやホームペ[…]
人気記事ランキング(全体)
世界初公開の2機種はいずれもモーターサイクル カワサキが発表したジャパンモビリティショー2025出展モデルで確定しているのは、日本初公開となる「Z1100 SE」、スーパーチャージドエンジンを搭載した[…]
電子制御CVTにより街乗りもスポーティ走りも思いのまま! ヤマハは、インドネシアや日本に続いて新型スクーター「NMAX155」を欧州市場に投入する。これまでNMAX125のみラインナップ(一部地域では[…]
ENGINE:世界最速を目指してたどり着いた型式 ヤマハやスズキのような“専業メーカー”ではなかったけれど、’54年から2輪事業への参入を開始したカワサキは、基本的に2ストロークを得意とするメーカーだ[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
重点的な交通取締り場所は決まっている 安全運転を心がけていても、パトカーや白バイの姿を目にすると、必要以上にドキッとしたり、速度メーターを確認したりするといった経験がある、ドライバーやライダーは少なく[…]
最新の投稿記事(全体)
防水・防寒性能も万全。オールシーズン対応のスタイリッシュパーカ:MOBLAST WP JACKET 街の景色に溶け込むことを意識した、スタイリッシュな防水パーカ。メイン生地に防水メンブレンとソフトシェ[…]
最新Z900/Z500らに共通する3眼LEDヘッドライトやファットバーを採用してデザイン刷新 カワサキは欧州で、2026年モデルとして新型車「Z650 S」を発表。つい最近、スタンダードの「Z650」[…]
バイクバッテリー上がりの原因とは? エンジン始動時のセルモーター駆動やヘッドライトの常時点灯、ABS制御、デジタルメーターなど、バイクは高性能化するにつれてバッテリーの負担がどんどん増加していきます。[…]
北米レブル300にEクラッチ仕様が登場 ホンダEクラッチが世界戦略進行中だ。欧州で人気のグローバル車・CBR650R/CB650Rを皮切りに、日本では軽二輪クラスのベストセラーであるレブル250に搭載[…]
兄貴分とは一線を画す軽さと扱いやすさ ’72/’73年にZ1/2を世に送り出した直後から、カワサキは新時代の4ストモデルとして、コミューターの400RS、W1系の資質を受け継ぐZ750ツイン、Z1/2[…]
- 1
- 2