同じエンジン&フレームでここまで作りわける!

ロイヤルエンフィールドの350ccシリーズ3機種は、何が違う?【メテオ/クラシック/ハンターの個性を比べてみよう】

2023年にハンターが登場し、3兄弟になったロイヤルエンフィールドの350ccシリーズ。今回はスペックやキャラクターを比較。3兄弟それぞれの個性を知り、自分に合ったモデルを探そう! ちなみにロイヤルエンフィールドの全機種、杉並の東京ショールームで跨ったり試乗が可能。気になる方はぜひ実車を見てほしい。


●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ロイヤルエンフィールド ●外部リンク::ロイヤルエンフィールド東京ショールーム

ターゲットを変えて3機種を作り分けるロイヤルエンフィールドの350ccシリーズ

よく作り分けているなぁ、と感心する。普通自動二輪免許で乗れるロイヤルエンフィールド、メテオ350/クラシック350/ハンター350の3機種それぞれに乗って感心するのは、きちんとカスタマーのターゲットを変え、キャラクターを作り分けているところだ。Jプラットホームというフレームとエンジンを使いつつも、この3機種は別物に仕上がっているのだ。

購入される方は僕(47歳)よりも若い方が多く、ロイヤルエンフィールドのディーラーに聞くと、初めてのバイクに選ぶ人も珍しくないし、女性ライダーも多いという。しかしながら各々の個性が異なるゆえに、このライダーにはコレ! といった明確なおすすめはない。それぐらいフィーリングが異なるので、試乗の機会があるのなら3モデルすべて試してみることを強くおすすめしたい。

とはいえ、試乗前にまずは価格やキャラクターを決める各部の数値を見てみよう!

★まずは価格を比較。

  • メテオ350:71万〜74万3600円
  • クラシック350:69万4100〜72万8200円
  • ハンター:65万7800〜66万4400円

★見た目にもわかりやすいホイールサイズを比較。

  • メテオ350:前19、後17インチ
  • クラシック350:前19、後18インチ
  • ハンター350:前後17インチ

ハンター350は他の2台と比べると小径で、ロイヤルエンフィールドでは唯一前後に17インチを履く

★シート高を比較。

  • メテオ350:765cm
  • クラシック350:805cm
  • ハンター350:790cm

ちなみにロイヤルエンフィールドは、純正でローシートも用意しているので、足着き性が気になる方はこちらを検討するのもアリだろう。

★次に装備重量(ガソリンが入った状態の重量)を比較。

  • メテオ350:191kg
  • クラシック350:195kg
  • ハンター350:181kg

ハンター350が圧倒的に軽く、それはバイクを起こす瞬間はもちろん、取り回し時も恩恵を受けられる。

★ホイールベース(前後ホイールのセンターの距離)を比較。

  • メテオ350:1400mm
  • クラシック350:1390mm
  • ハンター:1370mm

ここでも注目したいのはハンター350で、スポーティーなキャラクターを実現させるために、軽くて短い車体を実現。しかも軽量化の大半がバネ下に集約しており、走り出すと数値以上の軽快感を約束。まさにライトウエイトシングルと呼びたくなる1台だ。

また、軽さは様々なメリットをもたらす。「バイクに乗りたい!」と思った時に取り回しが楽なら気軽に走り出せるだろう。

エンジンは全車、最高出力が20ps/6100rpm、最大トルクが27Nm/4000rpmと共通数値的には共通だが、ハンター350は特に低中速のレスポンスが良く、軽い車体と合わせてダッシュが痛快。なぜスペックでハンターに注目したかというと、この3機種の中でハンターのみがスペックの数値が走りの性能に反映されているから。そして、メテオ350やクラシック350はスペックの数値など考えなくても気持ちの良い大らかな走りを約束してくれるのである。

350ccシリーズの中では最後発となるハンター350。軽量&コンパクトで、昔ながらのライトウエイトスポーツシングルを彷彿させるパッケージが新鮮。

ツーリングメインならメテオ350やクラシック350もオススメ

メテオ350やクラシック350の気持ちの良い大らかな走りは、重量やホイールベースの長さがもたらしている。それは安定感にも繋がっていて、高速道路の巡航などでメリットを発揮。確かにハンター350は高速道路などでちょっと軽すぎるように感じるシーンもあるのだ。

メテオ350やクラシック350は、いかなる時もライダーを急かさない。ギャップに乗った時の車体の収束性なども高く、ライダーに気を使わせないため、こういった作り込みが長距離ツーリング時の疲労軽減に直結。特にメテオは常にリラックスしたポジションでいられるため、どんな速度でも車体の挙動が穏やか。エンジンの鼓動を感じながらスロットルを開けると、力強さを披露。余裕を感じさせながら、気持ちの良い加速を約束してくれる。ちなみにロイヤルエンフィールドの350シリーズは、全車120km/h巡航が可能で、排気量以上のポテンシャルを発揮してくれるのも魅力だ。

350ccシリーズに関しては試乗車を持っているディーラーも多いため、実際に乗り比べてみるのがオススメ。試乗車がなくても跨り比べてみるだけで、自分に合っているのかはある程度わかるはず。同じフレームとは思えないくらいにポジションは異なるため、色々と比較してみると面白いと思う。

また、他メーカーにないカラーバリエーションの展開も魅力的。これならキャリアや世代を超えて様々なバイクライフを投影できるはずだ。

クルーザースタイルのメテオ350。ロー&ロングなスタイルとフォワードステップが生み出すポジションが特徴。

個人的なオススメはクラシック350

実は僕は個人的にヤマハのSR400&500が大好きで、何台も所有してきたし、カスタムやチューニングもしてきた。そんな僕が魅力を感じるのはやはりクラシック350。元々英国のクラシックバイクが好きでバイクに乗り始めた僕にとってクラシック350は「待ってました!」というモデル。

クラシカルな意匠に空冷単気筒を搭載するその姿は、他にない英国らしさを持っている。それはロイヤルエンフィールドが本物の英国クラシックバイクを知る現存する最古のメーカーだから。現在はインドのメーカーだが、そのフィロソフィーを英国に持ち、1901年創業、121年の歴史がある。現在もR&Dをイギリスで行い、歴史継承しているバックボーンも良い。

空冷エンジンを伝統のハリスフレームに搭載し、さらにはメッキパーツを多用したモデルも展開。往年のクラシックバイクを彷彿させる佇まいに加えて、ロングストローク空冷単気筒ならではのまろやかなサウンドにはベテランも納得する説得力の高さがある。愛らしさと美しさを兼ね備え、その安心感は世代を超えて支持されている。

冒頭でスペックを紹介したが、クラシック350には数値など気にならない圧倒的な気持ちよさや楽しさがある。「ピュアモーターサイクリング」これはロイヤルエンフィールドが掲げるバイクづくりの哲学である。

僕は、今回紹介した3モデルの中でその哲学を一番体現しているのがクラシック350だと思っている。

ちなみにロイヤルエンフィールドは全車新車3年保証付き。東京ショールームでは試乗もできるので、興味のある方はぜひ!

良き時代の英国を思わせるスタイル。ゆったりとしたポジションとしっとりとした乗り味が魅力で、シートもとても上質。

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