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スーパースポーツは進化し続けなければならない!

パニガーレV4を研ぎ続けるドゥカティ【2023年のアップデートは、2022年モデルのオーナーにも有効!】

リッタースーパースポーツが数年に一度フルモデルチェンジを繰り返した時代はとっくに終わり、いまはダウンサイジングやカーボンニュートラル化へ各メーカーがどのように対応していくかの過渡期。もちろんドゥカティも持続可能な未来のためのMotoEマシンの開発を進めている。しかし、一方でパニガーレV4の開発を手を決して緩めないのがドゥカティなのである。


●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ドゥカティ ●外部リンク:ドゥカティ



超トップエンドであるリッタースーパースポーツの需要は減っているが……

日本メーカーが大ブームを巻き起こしたリッタースーパースポーツブーム。1998年に登場したヤマハYZF-R1が火付け役となり、そこから国産メーカーの開発合戦が激化。2003年からはこのカテゴリーがWSBのホモロゲーションモデルとなり、国産1000ccも積極的に参戦を開始した。

2気筒のドゥカティvs4気筒の日本車という戦いが続き、マシンは2〜3年ごとにフルモデルチェンジ。そんな流れが2010年代中盤まで続き電子制御もどんどん熟成。その制御は、いまは様々なカテゴリーに普及している。その後、スーパースポーツの販売台数が落ち着くと同時に開発のスパンも長くなり、いま国産メーカーは開発の手を緩めている。

そんな中、現在も貪欲にパフォーマンスを追求し続け、カスタマーへフィードバックしているのがドゥカティのパニガーレV4である。

|MIGLIORE|ミリオーレ|ドゥカティ|スーパーバイク|2023 パニガーレV4|V4 S|V4 SP2
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派手なグラフィックに頼らないのがドゥカティのデザインの基本。面をしっかりとつくり込み、その存在を力強く主張している。 [写真タップで拡大]

レースで培った技術をすぐに市販車へフィードバック

ドゥカティはレースで培った技術をいち早く市販車に投入してくるメーカーだ。パニガーレV4もMotoGPマシンであるデスモセディチからのフィードバックであり、MotoGPマシンレプリカと呼ぶにふさわしい仕上がりを見せる。

パニガーレV4は、2018年にデビュー。スーパーバイクが2気筒から4気筒になった衝撃は世界中を震撼させた。そして、登場からわずか2年後の2020年には、シャシーやエアロダイナミクスなどを変更。さらに2022年にはエアロダイナミクス、エンジン、シャーシ、電子制御、ディメンションを大幅に見直してきた。そして2023年も電子制御のアップデート繰り返し、その進化は止まることを知らない。

今やメーカーの技術の集大成ともいえるトップエンドのリッタースーパースポーツを、このスピードで進化させているのはドゥカティだけで、その意気込みは本当にすごいと思う。

ちなみに現在パニガーレV4シリーズの最高峰であるV4 SP2は、1万3000rpmで215.5psを発揮。車重は194.5kgである(写真はすべてパニガーレV4 S)。

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MotoGPマシンの片鱗を見せてくれるスーパースポーツ。それがパニガーレV4シリーズだ。 [写真タップで拡大]



いま、ドゥカティが考える最高の技術がここに集結

2022年に大幅なアップデートをしているため、2023年は大きな変更はないが、電子制御の細かいバージョンアップを実施。こういった変更にすぐ対応するドゥカティのスピード感はとても気持ちが良い。

●新しいエンジン・ブレーキ・コントロール(EBC) EVO 2
3段階から選ぶことができ、ギヤごとに異なるキャリブレーションを導入。リヤブレーキにかかった負荷を検知してエンジンブレーキを最適化している。ブレーキの初期段階で、リヤホイールに負荷がかかっていない場合、EBC EVO 2は、エンジンブレーキの効きを少なくし、コーナーへのアプローチをしやすくしている。また、ハードブレーキング時におけるリヤホイールのロックを抑制する。

新しいドゥカティ・クイック・シフト(DQS)
あらゆるスロットル開度において、ギヤチェンジがスムーズに。スロットル半開の状況でギヤチェンジを行う場合、以前は燃料噴射をカットしていたが、今回は点火時期を遅らせることで、よりスムーズなシフトを実現。

新しいドゥカティ・トラクション・コントロール(DTC)
DTCはコーナリング時における精度を上げ、ライド・バイ・ワイヤはライダーが要求するトルクと実際に供給されるトルクとの関係を、より理想的なものに改善している。

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サーキットがよく似合うパニガーレV4。2023モデルもレースで培った技術を惜しみなく投入し、進化を果たす! [写真タップで拡大]

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サーキットでのラップタイム計測用のダッシュボード。モードはレースAで、リヤのABSはオフに。タコメーターは5000rpmから表示する割り切った仕様だが、1103ccの大排気量なのに1万6000rpmまで表示があるのが凄い。そして、制御の介入具合やギヤポジションがとても明確なのがわかる。 [写真タップで拡大]

2023年のアップデートは、2022年モデルのオーナーにも恩恵が!

ドゥカティのこうした電子制御系のアップデートは、旧モデルオーナーも恩恵を受けられることがあり、そのスタンスは素晴らしいと思う。今回のアップデートは、2022年モデルのオーナーの方も受けることができ、2022年7月末からドゥカティ正規ディーラーネットワークでソフトウエアの更新作業が可能だ。

メーカーのフラッグシップモデルであるスーパースポーツ。そしてそのトップエンドのパニガーレV4シリーズだけでV4、V4 S、V4 SP2ときちんとつくり分けるドゥカティ。レースと市販車開発が密接で、その姿勢がとても潔くて美しい。そしてこのスタンスを貫けるメーカーは、もはやドゥカティだけな気もする。

僕が抱く、パニガーレV4シリーズ唯一の懸念は、WSBのホモロゲーションモデルであるV4Rがユーロ5規制に適合せず、販売されていないことだ。WSBはドゥカティにとってとても大切なR&Dの場所だから、このまま……ということはないと思うが、さらなるパフォーマンスアップを期待しつつ続報を待ちたいと思う。

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2023モデルの導入時期や価格は、発表され次第お伝えしたい。 [写真タップで拡大]


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