エアロパーツは、MotoGPマシンから市販車へ
エアロパーツは市販車にも続々と採用されるようになった。市販スーパースポーツに初めて採用したのはアプリリアのRSV4だが、その後はドゥカティが積極的に採用している。今後もこのジャンルはかなり変わっていくはずだし、バイクのデザインを大きく左右するディテールだけに注目していきたいと思う。
将来のスーパースポーツは、さらなるエアロダイナミクスの進化や車高の変化を楽しめるのだろうか……。ぜひ、期待したい。
KAWASAKI Ninja H2R
2015年に発表されたカワサキのニンジャH2R。具体的な参戦レースカテゴリーを持たないまま2016年に発売された市販レーサー。搭載するスーパーチャージドエンジンは、310ps/14000rpm(ラムエア加圧時:326ps/14000rpm)という、いま見ても怒涛のスペックを発揮。カーボン製のウイングが当時はとても斬新だった。
DUCATI PANIGALE V4S
パニガーレはV4Rが最初に採用。V4Rはカーボン製だったが、同形状の樹脂製を翌年V4Sに採用している。
パニガーレV4Sは、実際にサーキットで走行した際にメーター読みで299km/hを何度も体験した。実測はおそらく270km/hほどだとは思うが、その時は約30kgのダウンフォースがかかっていたことになる。299km/hでも抜群の安定感を発揮し、体感速度はその数値より遥かに低かったし、ハンドリングの重さもまるで感じなかったのが印象的だ。
DUCATI SUPERLEGGERA V4
500台限定で発売されたスーパーレッジェーラV4。カーボン製のフレームやスイングアームを採用し、乾燥重量は159kg。224ps/15250rpm (レーシングフルエキゾースト装着時234ps/15500rpm)を発揮。2020年に1195万円で発売された。
DUCATI STREETFIGHTER V4 SP
ドゥカティはついにネイキッドであるストリートファイターにもウイングを採用。フロントマスクは映画『ジョーカー』をイメージしたデザイン。ネイキッドだが208psを発揮し、その加速をサポートするバイプレイン(二翼)ウィングが開発された。この空力パーツによって270km/h時に、28kgのダウンフォース(フロントホイール:20kg、リヤホイール:8kg)を発揮する。
HONDA CBR1000RR-R
ホンダのCBR1000RR-Rもウイングを装備。アンダーカウルは、リヤタイヤ近くまで後端を伸ばし、ドライ時にはリヤタイヤに当たる空気量を減少させて空気抵抗を低減、ウエット時はリヤタイヤにかかる水量を減らし、リヤタイヤの温度とグリップ力の低下を抑止する。サーキットの速度域で、効果的なダウンフォースを発揮するウイングレットは、左右のダクト内側に3枚ずつ配置し、加速時のウィリーを抑制。ブレーキングおよびコーナリング時における安定感の向上させている。
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