![[知っておけば怖くない!] 大型トラック走行風&強い横風に負けない5つのテクニック](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/pl-999146641950.jpg)
バイクに乗っていて、高速道路で大型トラックを追い抜いたときや、大きな橋の上などで、強い横風で大きくフラれて怖い思いをしたことがありませんか? こうした挙動は空気の流れが悪さをして起こりますが、対処方法もあります。ライディングフォーム/テクニック/ウエア、そして知識でうまく乗り切りましょう。
●文:石橋知也(モーサイ編集部)
大型トラックの渦=乱流と負圧域でバイクを吸い寄せる
大型トラックでもバイクでも、空気の塊を突き破るように走っています。そのとき空気がキレイに車体に沿って流れてくれればいいのですが、そううまくは行かず、車体に近い所で風が渦を巻きます。それも車体に向かって、進行方向と逆向きで巻くのです。
ホンダCBR1000RR-Rファイアブレードで、ライダーがレーシングポジションをとったときの空気の流れ。
この渦ですが、大型トラックの車体側の空間は負圧になっている一方で、渦の外側は正圧です。流体は高いほう(正圧)から低いほう(負圧)に流れるので、風の渦に近づいたバイクは、負圧側に吸い寄せられたりフラついたりします。また、渦の大きさや強さ、トラックのどの位置にできるのかは、その車体サイズ/形状/走る速度によって変わります。
レースでは「スリップストリーム」が有効だとよく言われますが、風の渦と負圧域は、側面よりも後方でより大きく強くなります。バイクやクルマのレースで使われるスリップストリーム(アメリカではドラフティングとかトウと呼ばれます)は、この現象を利用しています。
後車が前車の真後ろに付けると、前から受ける抗力(空気抵抗)がとても小さくなり、同時に負圧域に入ると前車に吸い寄せられます。このため後車はスピードが上がり、前車を追い越す余裕が生まれます。
また、前車と同じスピードで走るなら、後者は単独走行時よりスロットルを開けなくて済むので、燃費も稼げます。
ただし、公道では前車との距離が近くなりすぎて危険です。渦は乱流(タービュランス)なので、常に流れの向きや強さが安定しているわけではなく、自分のバイクの安定性が乱れることもあります。そして前車のサイズが大きく/長く/高く/速度が速いほど、負圧域も大きくなります。
横風の危険な場所:トンネルの出口/橋の上/谷
次に横風の話ですが、何もさえぎる物のない場所はもちろんのこと、大きな橋の上、トンネルを出た直後、谷あいなど風が集まって吹き抜ける場所では、とくに横風の急激な強さに注意が必要です。
横風でも、ある程度一定の風力なら対処しやすいですが、実際には突風が吹いたり、風力・風向きが常に変化することも珍しくありません。
では、そうした“風の悪さ”に対して、ライダーはどんな対策をすればいいか考えてみましょう。
対策1:上半身を伏せる=横風で倒れにくくなる
伏せる=頭を低くして上半身を前傾姿勢にする目的は、前面投影面積を小さくして空気抵抗を減らすことです。これは前方からの風に有効です。また同時に、側面投影面積も若干小さく低くできる(腕などがタンクに重なり合うので)ので、横風にも有効です……
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
最新の関連記事(ライディングテクニック)
シリーズ第12回は最終回特別応用偏! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転のお手本として白バイ流の[…]
シリーズ第11回はクイーンスターズ・スペシャルQ&A! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運[…]
シリーズ第10回は『クイーンスターズ』に学ぶ「取り回し」だ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転[…]
シリーズ第9回は『クイーンスターズ』と一緒に「引き起こし」だ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運[…]
シリーズ第7回は「パイロンスラローム」。リズミカルな連係操作を身に付けよう! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材な[…]
人気記事ランキング(全体)
“水冷”と、その存在感から「ウォーターバッファロー」の愛称も 1971年の東京モーターショーにGT750が出品された当時、観客はラジエーターの大きさや、フィンの見えないシリンダーブロックに目を丸くした[…]
新設計の502cc・4気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツ ホンダは、中国で開催された重慶モーターサイクルショーにて4気筒エンジン搭載の新型モデル「CBR500Rフォア(CBR500R FOUR)[…]
250ccクラスは16歳から取得可能な“普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は全部で7種類ある。原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制[…]
裏地には90周年モデル限定カラー 1935年の創業から、絶えず革ジャンを作り続けてきた株式会社カドヤが、90周年という節目を迎える今秋、ブランドの歴史を象徴しつつ現代のライディングシーンに応える、特別[…]
BOAフィットとfuzeGELで安定&衝撃吸収 「ウィンジョブ CP306 BOA」はダイヤル操作で締め具合を調整するBOAフィットシステムを採用し、甲まわりをムラなくホールドできます。衝撃緩衝材とし[…]
最新の投稿記事(全体)
コンセプトは“気ままに走る時間をともに” 「ツーリングバッグに、新しい選択肢を届けたい」。その思いから「ライダース巾着ザック IMOCK」の開発はスタートした。コンセプトは“気ままに走る時間をともに”[…]
注目RCブランドが名車を忠実に再現 「WPL JAPAN」は、森林や岩場などの悪路を走破できるスケールクローラーRCを展開するRCカーブランド。 通常は高額なスケールクローラーを、すぐに遊べるRTRセ[…]
HONDA CB1000F Concept TeamCB & WITH ME やったぜ! CB1000F コンセプトのレースデビューウィン! 私が参戦したのはアイアンスポーツクラス。空冷・水[…]
“水冷”と、その存在感から「ウォーターバッファロー」の愛称も 1971年の東京モーターショーにGT750が出品された当時、観客はラジエーターの大きさや、フィンの見えないシリンダーブロックに目を丸くした[…]
125ccのMTバイクは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)[…]
- 1
- 2