漏れたり垂れたブレーキフルードは「中性洗剤+水道水」で洗おう【初心者メンテTips】

「ブレーキフルードが垂れると塗装を痛めるからすぐに洗い流したほうがいい」というけども、どうやって洗うのがベストなのか? そして垂れたとこだけを洗えばいいのか? 「ブレーキフルードの洗い流し方」をもう一歩深堀してみました。洗い方さえわかっちゃえばブレーキフルードも怖くない! のです。そんじゃさっそくいってみましょう~!
●文:[クリエイターチャンネル] DIY道楽テツ
ブレーキフルードは塗装を痛めます
「ブレーキフルードが垂れると塗装を痛める」という話を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。このフレーズはまるで呪いの言葉のように語り継がれて、いまも口コミで目にする言葉です。そしてまぎれもない事実で、ブレーキフルードは要注意なのです。
かくいう筆者も、昔バイク屋さんで教わった通り、ブレーキフルードの交換作業中に垂れたり飛び散った際には、大急ぎでパーツクリーナーで洗ったものです。でも、考えてみたら、パーツクリーナーも塗膜への攻撃性が高いクリーナーなんですよね?
ブレーキフルードって水と仲良しだった?
そもそも、ブレーキフルードというものは「ブレーキオイル」とも呼ばれることがありますが、実は「オイル」ではありません。ブレーキフルードの主成分は、グリコールエーテルという化学物質で、この成分は親水性が高く、水と非常によく混ざる性質を持っています。つまり、ブレーキフルードは水で洗い流すことが、可能なのです。
それならば、垂れたブレーキフルードは「中性洗剤+水道水」を使って洗浄する方法が有効ではないかと考え、実際に試してみました。そして、その結果は良好(以下、小芝居風)。
それはバイクのブレーキフルードのエア抜きをしている時のこと・・・
マスターシリンダーにフルードを継ぎ足そうとしたら・・・
事件発生! ブレーキフルードがフェンダーに垂れてしまいました(実はノンフィクション)
まず、垂れたフルードを水道水で軽く洗い流したあと、中性洗剤を用意して…
垂れた箇所とその周辺を中性洗剤で丁寧に洗います。
それから水道水で再び洗い流すことで…
匂いもヌルヌルもきれいさっぱり洗い流すことができました!
気づかない「隠れブレーキフルード」も洗い流すと吉
ブレーキフルード交換をしたあとのマスターシリンダーも、洗います。垂れてないつもりでも、少量のブレーキフルードが飛んでいたり、蓋を閉める際にフルードがあふれるなどして気が付かないうちにフルードが付着していて、後日塗装が剥がれている・・・というのは、中古車のマスターシリンダをみれば分かります。つまり、ブレーキフルードが漏れた覚えがなくても、洗っておくのが吉なのです。
ブレーキフルードのエア抜きをした場合は、キャリパーのまわりに飛び散っていたり、ホースを抜いたときに少量流れることがあるので、ここも中性洗剤であらっておくと、塗装はがれや腐食を防いでくれます。特にブリーダーバルブは間違いなく、ブレーキフルードが付着しているので、しっかり洗ってバルブ内のフルードも除去することで、確実に腐食を減らすことができます。
最後に忘れがちなのですが、作業に使用した工具も同様に中性洗剤で洗浄しましょう。工具に付着したブレーキフルードは、放置しておくと劣化や錆の原因となります。気づかないうちに、なんかヌルヌルしてるな?と思ったら、手についたフルードがほかの工具へも移っている、使った工具をまとめて洗っておけば安心、というワケなのです。
少し手間に感じるかもしれませんが、作業後に工具もきちんとケアすることで、工具自体の寿命を延ばし、次回以降の作業も気分よくスムーズにこなせるというものです。
まとめ:ブレーキフルードには中性洗剤!
ブレーキフルードというと危険で扱いにくい液体のイメージが強いですが、実は水溶性なので水だけでも洗い流せますが、中性洗剤を使うことで、きれいさっぱり洗い流すことが可能です。
危険なブレーキフルードですが、有効な洗浄手段があると、不思議と作業も気楽になります。中性洗剤で洗えば、その周辺も綺麗に保つことができるので、まさに一石二鳥。よかったら、次のブレーキフルード交換の時にでも試してみてください。
この記事が、皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
アクセルワイヤーが長すぎた!というトラブル ハンドルを交換して長さが合わなくなってしまったり、はたまたケーブルそのものが痛んでしまったり。こうしたアクセルワイヤー(スロットルケーブル)を交換する際、「[…]
セルが弱くなったらバッテリー交換のサイン スクーターのバッテリーが弱ってきたのか、始動性がイマイチになってきました。 そういえば、このバッテリーもずいぶんずいぶん古くなってきたので、バッテリーを買い替[…]
新品タイヤが滑るその理由 新しいタイヤは滑ります。 滑りたくないから新しいタイヤに交換したというのに、なぜか新しいタイヤはマジで滑るんです(経験者は語る)。 なぜ滑るかというと、それはタイヤの製造過程[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
スマートフォン連携でバッテリー管理が劇的に進化! 名古屋市に本社を置く株式会社SECONDが、LEADMAX-JAPANとの販売代理店契約を締結。2025年7月1日より、日本初上陸となるモーターサイク[…]
収納しやすく持ち運びやすいカード型くもり止めスプレー これからの時期、急に雨に降られて走行する際にシールドが曇りやすくなる。雨の中でシールドが曇ると余計に視界がなくなり、安全運転を阻害する要因となりか[…]
論より証拠! 試して実感、その効果!! 1947年カリフォルニア州ロングビーチで創業し、これまでにカーシャンプーやワックスをはじめ、さまざまなカー用品を手がけてきた「シュアラスター」。幅広いラインアッ[…]
なぜ「モンキーレンチ」って呼ぶのでしょうか? そういえば、筆者が幼いころに一番最初の覚えた工具の名前でもあります。最初は「なんでモンキーっていうの?」って親に聞いたけども「昔から決まっていることなんだ[…]
エンジンがかかりにくい→完全停止へ 今回直したのはスズキのZZです。2000年代初頭に登場した50ccスクーターで、「通勤快速」として人気を博し、油圧ディスクブレーキやアルミホイールなど、当時としては[…]
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
シリーズ第12回は最終回特別応用偏! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転のお手本として白バイ流の[…]
規制の根拠は「道路法・第46条第3項」 高速道路などを走っていると、時折インターチェンジの手前などで「危険物積載車両ここで出よ」という表示を目にすることがある。この表示を見かけた場合、その先に危険物積[…]
シリーズ第11回はクイーンスターズ・スペシャルQ&A! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運[…]
シリーズ第10回は『クイーンスターズ』に学ぶ「取り回し」だ! 白バイと言えばヤングマシン! 長きにわたって白バイを取材し、現役白バイ隊員による安全ライテク連載や白バイ全国大会密着取材など、公道安全運転[…]
日本語表記では「前部霧灯」。本来、濃霧の際に視界を確保するための装備 四輪車ではクロスオーバーSUVのブーム、二輪車においてもアドベンチャー系モデルが増えていることで、「フォグランプ」の装着率が高まっ[…]
人気記事ランキング(全体)
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
エンジン積み替えで規制対応!? なら水冷縦型しかないっ! 2023年末にタイで、続く年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりした[…]
スズキが鈴鹿8時間耐久ロードレースの参戦体制を発表! スズキは2025年8月1日(金)から3日(日)に鈴鹿サーキットで開催される「2025 FIM 世界耐久選手権 鈴鹿8 時間耐久ロードレース」に「チ[…]
高評価の2気筒エンジンや電子制御はそのままにスタイリングを大胆チェンジ! スズキは、新世代ネオクラシックモデル「GSX-8T」および「GSX-8TT」を発表。2025年夏頃より、欧州、北米を中心に世界[…]
なぜ「モンキーレンチ」って呼ぶのでしょうか? そういえば、筆者が幼いころに一番最初の覚えた工具の名前でもあります。最初は「なんでモンキーっていうの?」って親に聞いたけども「昔から決まっていることなんだ[…]
最新の投稿記事(全体)
7月上旬発売:ヒョースン「GV125Xロードスター」 ヒョースンモーター・ジャパンから、原付二種クラスに新型クルーザー「GV125Xロードスター」が投入される。発売は2025年7月上旬から日本国内向け[…]
モリワキイズムを変えずに継承していく モリワキの面白さは、ライダーが主役のもの作りだと思っています。サーキットを速く走るにはどうしたらいいのか、ライダーの意見を聞いて解決策をプロダクトとライダーの両方[…]
青春名車録「元祖中型限定」(昭和51年) CB400FOUR(CB400フォア)は、CB350フォアをベースとしたリニューアルバージョンとして1974年12月(昭和49年)に発売。クラス唯一のSOHC[…]
【モリワキエンジニアリング取締役名誉会長・森脇護氏】1944年、高知県生まれ。愛車だったホンダCB72のチューニングをヨシムラに依頼し、それをきっかけにPOPこと吉村秀雄氏に師事し、チューニングを学ぶ[…]
北海道という「ハードルの高さ」 ライダーにとってのひとつのあこがれ、北海道ツーリング。しかしフェリーの予約が面倒だったり、北海道までの移動で疲れてしまったり。 そういったライダーの悩みを解決し、「手ぶ[…]
- 1
- 2