1970年代と現代のバイクの違いについて70代の先輩に聞いてみた【CB750 GT750 マッハetc】
昨今、旧車の需要が高まっていますよね。私が憧れているバイクのほとんども旧車です。しかし…先日のこと。「やっぱ旧車はかっけぇんだよ!」と友人に熱弁していると「旧車と今のバイクで何が違うの?」と聞かれてしまいました。
「えっと、え…んっと、と、とにかくかっこいいんだよ!」しか言い返せなかった私。案の定「何もわかってないんじゃん」と突っ込まれてしまい、赤っ恥をかいてしまいました。そこで、もっとバイクの知識をつけなければ!と、1970年代にバイクに乗っていた先輩に話を聞いてみました。
1970年代当時の主流バイクは?
正直なところ、1970年代に私は生まれてもいないので、当時流行っていたバイクについてはまったくわかりません…。そこで、当時の人に聞いてみたところ、1970年代はナナハンが流行りだした頃とのこと。
まず注目されたのがHONDAのCB750。これをきっかけにスズキのGT750やカワサキの750SS(マッハ)などが誕生。では、当時の人たちが全員ナナハンに乗っていたのか?というと、決してそうではありませんでした。
聞いてみると、「ナナハンが出る前は、スーパーカブに乗ってる人が多かったよ。ナナハンが出てからは乗り換える人も多かったけど、当時はバイクは高かったし、若い世代だとカブを乗り続けていた人もいたね」という回答。
他にはどんなバイクに乗っている人が多かったのか、ぜひ当時ガンガンバイクに乗っていた人たちにもっと聞いてみたいところです。
1970年代のバイクと今のバイクの違いは?
1970年代に流行ったバイクについてはわかりましたが、機能性の違いがどの程度あるのでしょうか。私でもわかるようなところであれば…前にバイク屋さんに聞いた「キャブレター」と「インジェクション」位。
その他に、現代のバイクと昔のバイクで大きく違うところはどこなのか?具体的な違いについて聞いてみました。
ブレーキがききにくいドラムブレーキ
「昔はディスクブレーキじゃなくてドラムブレーキだったんだよ」
…さっそく、私にはサッパリわからない単語が出てきました。ブレーキの種類について、まず教えてもらいました。
「今のディスクブレーキっていうのは、簡単にいえば車輪をパッドで挟んでブレーキをかけるのね。ドラムブレーキは車輪の内側に装着されてて、内側から外側へ圧着させてブレーキをかけるんだよ」
なんとなくはわかりましたが…けっきょくディスクブレーキのほうが効きやすいということだろうか?と聞くと、じつは当時はそこまで大きな差はなかったとのこと。
時代とともにディスクブレーキの方がどんどん進化が進み、いつしかドラムブレーキが太刀打ちできなくなったんだそうです。
ハンドルはアップハンだった!
現在のバイクは、セパレートハンドル(セパハン)・アップハンドル(アップハン)どちらも問題ありませんが、1970~1980年にかけては、アップハンのみだったそうです。
個人的には暴走族のイメージはアップハンですが、当時はセパハンの方がイリーガルでした。関連する有名な出来事としては1980年代前半になりますが、「カタナ狩り」と呼ばれる取り締まりがありました。スズキのGSX750S(カタナ)は本来、セパハンやメーターカウルを前提としてデザインされていたのですが、当時の国内保安基準に適合していなかったため、耕運機ハンドルとよばれるアップハンに、カウルなしのイマイチなデザインになってしまっていたのです。
当然ながら、このカタナは当時のバイク乗りから大不評。そこで、セパハンに戻して乗る人が横行し、「カタナ狩り」と呼ばれる取り締まりが増えたのです。「アップハン=暴走族っぽい」という私のイメージが覆される歴史です…。
1970年代のバイク乗りは整備を自分でやってた!?
ハンドルの話を聞いた私がまず思ったのが「え?そもそもみんなハンドルを自分で替えてたってこと?」でした(笑)
バイクをまったくいじれない私からすると、自分でハンドルを替えるなんて想像もつきません。そもそも免許すら持ってないですからね…。ただ、この点についても、当時と今とで違いがあるそうです。
「当時は今みたいに気軽に乗るって人よりも、バイクを好きだったりいじるのが好きだったりする人が乗ってたからね。だからバイク乗りのほとんどは自分でいじれる人ばっかりだったよ。今みたいに何かあったらお店に持っていくってい人は、少なかったんじゃないかな」
たしかに私のイメージする昭和のバイク乗りは、単に「乗る」だけを楽しむのではなく「いじる」まで楽しんでいるイメージです。
そういえば…私の好きなヤンキー漫画も、ガレージでバイクいじって楽しんでいる描写がたくさん描かれているなぁ…。
バイクに乗りやすい今だからこそ安全に楽しみましょう!
当時の人の話を聞くと、現代の方がバイクが手に入りやすく気軽に乗れるものになったんだなぁ…という印象を受けました。たしかに昔は男性が乗るイメージでしたが、現代では老若男女問わずバイクを楽しんでいる人が多いですよね。
この点についても、当時の人の想いを聞いてみました。
「メンテナンスも昔より楽になったし、誰でもバイク買える時代になった。それはそれで良いことだと思うよ。別にいじる、いじらないは個人の自由だから、いじりたい人はいじればいいよね。だからといって、違法なことはしないでとにかく安全に乗ってほしいね。たまにガンガンすり抜けする人もいるんだけどさ、車乗ってると怖いんだよ。やんちゃに乗りたい気持ちもわかるけど、安全が一番大事。」
私は、これまでバイク乗りといえば、自分でバイクをいじって、乗るときはビュンビュン飛ばして…というイメージでしたが、なんだかバイクの見方が少し変わりました。何年も上の先輩が「安全に」というのであれば間違いないですね。「身近なものになったからこそより安全に乗る」物凄く大切なことを教わった気がします。
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