
●文:[クリエイターチャンネル] 相京雅行
日本のヘルメットトップブランドといえば、SHOEIかARAIのいずれかという事に異論があるライダーは少ないと思います。
ARAIはシステムヘルメットを作っていないので、SHOEIのNEOTEC2が最高峰のモデルと言えます。
今回はyoutubeの視聴者様からNEOTEC2のレビューリクエストがあったので、製品をSHOEIからお借りしました。
NEOTEC2の付属品とカラーバリエーション

NEOTEC2にはヘルメット収納袋、安全マニュアル、取扱説明書、ピンロックシート、SHOEIロゴステッカー×2、シリコンオイル、サービスツール、ブレスガードが付属されています。

収納袋は裏起毛、縫い目は外側にすることで塗装やシールドに小傷がつかないように配慮され、入り口を絞る、肩掛けする際に使う紐は太く切れにくそうです。

安全マニュアルにはSGマークの被害者救済制度に関してやヘルメットの被り方、耐用年数など基本的な事が書かれていますが、保証書も兼ねているので3年間捨てないようにしましょう。

取り扱い説明書は日本語、英語だけでなく、マレー語、ハングル語などにも対応していて、内装やシールドの脱着方法など細かく表記されています。

ピンロックシートは強力な曇り止め効果があるもの、冬場の雨天時などにも強力な効果を発揮するので必ず装着しておきましょう。製造ロットによってはSHOEI独自の防曇シート「ドライレンズ301」が付属されることもあるはずです。

サービスツールはピンロックシートやインナーバイザーの脱着時などに使うもので、使い方に関しては取扱説明書に書いてあるので安心です。

ステッカーは額の部分に貼られているものと同じですが、クリアの下に貼られているので剥がすことはできません。ステッカーは工具箱などに貼るのにちょうど良いサイズ。

シリコンオイルはプラスチックパーツの動きが悪くなった時に使うもので、こちらも使い方は取扱説明書に記載されています。

カラーは8色用意され価格は2022年10月1日から7万1500円。

グラフィックモデルが4色用意されていて価格は8万2500円です。
個人的な推しはリスペクトというグラフィックモデルのブルー×赤モデルです。ガンダムっぽいカラーリングがたまりません。
NEOTEC2の見た目

全体的には丸くしなやかなフォルムを採用していますが、各所にエッジを効かせたSHOEIらしいデザインです。

特にスタビライザーとアウトレットを兼ねたパーツが後頭部に装着されていますが、下に掛けてエッジと曲線を効かせたデザインが美しく、他のSHOEIヘルメットにもみられる造形です。

コメカミにあたる部分と頬の部分もエッジを効かせつつ、ギュッと絞り込むようなデザインは帽体をコンパクトに見せますが、頬のエッジに関しては風切り音を低減するボーテックスジェネレーターとのこと。

筆者が愛用しているSHOEI Z-8のボーテックスジェネレーターはシールドの両端にリブを設けているものですが、形状ではなく機能を表すもののようです。

チンカーテンの下淵にはエアロディフレクターを設けており、デザインのアクセントにもなっていますが、空力性能もアップ。

上や後ろから見てみるとコンパクトな帽体に対して、シールドと一体化しているフェイスガードがマウントされており厚みがあります。
ヘルメット全体が大きく見えてしまうのは複雑な機構を備えるシステムヘルメットならではと言えるでしょう。ただ帽体のサイズは3つ用意されているので、帽体共通のシステムヘルメットと比べるとコンパクトに見えます。

チンオープンのボタンは大きく操作がしやすそうですが、どのカラーでも赤のようです。今回のグラフィックモデルでは良い差し色になっていますが、色によっては黒などの目立たない色でも良かったのでは?という感想をもちました。
NEOTEC2の機能性

最大の特徴ともいえるチンオープンは口元のボタンを押すとロックが解除されある程度持ち上げると固定される仕組みとなっています。SHOEIのページだと二段階とのことですが体感的には一段階でした。

全閉時のロックに関しては両頬の金属製パーツなので節度があります。

またもう一つの特徴は専用インカムを装着できるという点です。左右それぞれと後頭部のプラスチックパーツを外してSENAのSRL2が装着可能。
筆者自身もZ-8に専用インカムを装着して使っていますが、専用インカムの良い点はスマートに装着できる点よりも、風切り音が発生しにくい事だと思います。静粛性に拘る人は検討してみても良いでしょう。

インナーバイザーはシールドベース下のレバーで出し入れが可能。縦にも長いので走行中は顔を隠したいという人にも最適。

メインシールドはNEOTEC2用に開発された専用品が採用されており、一般的なシールドと異なり、上部が帽体側に折れ曲がった形状になっていて、淵ゴムも厚めなので密閉性が高そう。

開閉時はシールド左下のリブを掴む形状はセンターロックが苦手というユーザーには嬉しい仕様。

顎紐はラチェットバックル式で剛性に優れた金属製を採用しつつ、ヘルメットホルダー用にDリングも用意されています。
内装

内装はトップ、チークパッド左右、顎紐カバー左右、イヤーパッド左右、チンカーテンの8点が取り外し可能。
取扱説明書によるとトップは各サイズ専用が用意され、チークパッドは共通でXXLのみ31mmで他のサイズは35mm。別売りで39mmも用意されているので、チークパッドの締め付け具合は調整が可能です。

トップ内装は頭の外周に関してはポリエステルメッシュ、額の部分には肌触りの良いさらっとした素材でいずれも吸湿速乾性に優れており、後頭部は裏起毛に切り替えられています。
特に後頭部に関してはクッションが厚めになっていて安心感があり、ベンチレーションから取り込まれた空気が頭に当たるようにスリットも用意されています。

チークパッドは厚みがあり肌に当たる部分は起毛処理され、目に見える部分は高級感のある合皮素材を採用するなど凝った形状になっていますが、何より特徴的なのは下側にヒダのようなものがついている点です。
こちらはノイズアイソレーターと呼ばれるもので、静粛性を高める効果があるとのこと。オプションで更に静粛性を高めるレザータイプが7150円。アイソレーター無しが6600円で用意されています。
標準仕様はメッシュのはずですが、お借りした製品にはレザータイプが装着されていたので、静粛性に期待したいところです。

眼鏡のツルが通りやすいようにコメカミ部分は多少内装が薄くなっていますが、裏側からクッションを露出させてみると、2層になっていて接着剤で装着されていることがわかります。
これはドライヤーなどをあてながら剥がすことも可能で、入りにくい場合には試しても良いかもしれません。ちなみに「ヘルメットでメシを食っている」という視聴者から教えて頂きました。

顎紐カバーがちょっと凝った形状になっていますが、これは顎紐の根元に一本補強が入っているからで、万が一の際に根元から切れたりしないようにという配慮でしょう。
目に触れる部分は合皮、肌が触れる部分は裏起毛を採用するなど、快適性や見た目も考慮しています。

イヤーパッドはインカムを使わない場合にイヤーホールに装着しておくもので、音の反響を抑えて静粛性をアップします。溝にはめるタイプの装着なので取り外しは気軽に行えます。

チンカーテンは差し込み式ではなく、ピンで固定する形なので節度があり脱着が楽。

内装を外した帽体を見るとイヤーホールは深めなので、スピーカーに多少厚みがあっても対応はできそうです。
NEOTEC2 リスペクトMサイズの重さ

NEOTEC2リスペクトMサイズ(ピンロックシート込み)の重さをチェックしてみると1712gでした。
インナーバイザーとラチェットバックルを備えるヘルメットの重さは1600gていど。
ラチェットバックルは剛性の高い金属製、加えてSRL2を装着するためのプラスチックパーツ多数、更にチンオープン機能を備えながら1712gなので軽量にするための努力を感じます。
※ヘルメットは製造の過程で重さに個体差が生じます。また単色に比べてグラフィックモデルの方が使う塗料やステッカーの量が多くなるため重くなる傾向があります。
NEOTEC2のフィット感

筆者はARAI、SHOEI、KabutoはいずれもMサイズを愛用しており、愛用中のSHOEIヘルメットはパーソナルフィッティングでクッションを追加しているので、実質SからMサイズの中間といったところ。
NEOTEC2もMサイズで問題なかったのですが、驚いたのはチークパッドの圧迫感がないこと。
ピッタリ沿うようにフィットするものの、圧迫感がないので頬が潰れずインカムの通話などでストレスがなく、被り口も広めなので脱着も楽におこなえます。

フェイスガードが帽体に対して一回り大きいので、前側から見ると低身長の筆者だとマッチ棒に。
ただ斜め、サイド、後ろから見るとコンパクトに見えます。
レブル1100Tでテストしてみた

レブル1100Tに乗ってネオテック2をチェックしてみました。
一番懸念していたヘルメットの重さに関しては、思っていた以上に感じませんでした。インナーバイザーやラチェットバックルを備えたヘルメットを被った経験があれば大きな違いはありません。
走行中にシールドの上げ下げをしてみましたが、センターロックと比べても楽におこなえ、インナーバイザーの出し入れも簡単なのでトンネル手前で操作する際も慌てません。
静粛性に優れており風切り音も少なめ。今までの経験上、チークパッドの締め付け感がきつかったり、被り口が狭かったりすると密閉性が高く静かな傾向がありますが、NEOTEC2はノイズアイソレーターの効果が高いのかもしれません。
しばらく走って頭が蒸れてきたところでベンチレーションを開けてみましたが、パーツが大きいので走りながらでも簡単に行えます。
驚いたのは口元のベンチレーションの性能で、口元から入った走行風はシールド方向に導入され、目元からおでこまでしっかりと風が当たります。
ただ目元周りにしっかり風が当たるので、開けたままで長い時間走っていると、目が乾きやすく感じました。特に高速道路では導入される風が多くなるので顕著に感じるでしょう。
頭頂部のベンチレーションも低速走行時から効果抜群なので、開けておけば暑い時期も蒸れることはないでしょう。

空力に関しては一般道、高速道路で制限速度内で走っている分には問題ありません。
追い越しなどの際に多少オーバーに首を振ってみても抵抗を感じることはありませんでした。
多機能だけど基本性も高いシステムヘルメット
チンオープン、専用インカム装着、インナーバイザー、ラチェットバックルなどヘルメットの多機能さに目が行くヘルメットですが、静粛性、ベンチレーション機能、操作性など基本性能が高いヘルメットです。
重さも重量バランスに優れているからか目立ちませんが、唯一の弱点は正面から見た時に帽体が大きく見える事。
身長が大きい人は気にならないかもしれませんが、筆者のように身長が低いライダーは特に気になるかもしれません。
NEOTEC2のレビューを動画で見たい方はこちら
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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