
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
白線部分は塗料が滑りやすい! “急”な運転には要注意!
公道を走行していると、必ずといっていいほど横断歩道をはじめとした路面標示を通過します。
横断歩道は、横断歩行者数や自動車の交通量などに応じて、各都道府県の公安委員会が安全のために設置しており、都心部はもちろん、郊外でも数多く設置されています。
そんな横断歩道は、白線の部分が滑りやすく、雨の日のスリップ事故が発生しがちなポイントとして挙げられます。なぜ、白線部分は滑りやすいのでしょうか?
白線の滑りやすさには、使用されている塗料が関係しています。
具体的な塗料の種類については後述しますが、路面標示用塗料メーカー10社から構成され、路面標示の安全性などを研究している“路面標示材協会”では、路面標示用塗料の滑りやすさについて次のように説明しています。
「路面標示の滑り抵抗性は、湿潤時において40〜50BPNといわれていますが、アスファルト舗装は40〜70BPN。そのため、一般的には、若干滑りやすく感じることもあると思います」
滑り抵抗性とは、アスファルトと自動車のタイヤなどの間に発生する摩擦抵抗値を指しており、数値が高ければ高いほど滑りにくいことを表します。同協会の説明から考えると、アスファルトと路面標示には20BPNほど滑りやすさの違いがあることがわかります。
なお、移動手段によっても滑りやすさは異なり、同協会によると「四輪車(自動車など)は、走行/制動に与える影響は少ない」「二輪車(バイクなど)は、路面標示材上での急ハンドル/急制動時に影響がある」「歩行者は、ゴムサンダルなどのような履物の場合、滑りやすいが、一般的靴底では影響が少ない」とのことです。
移動手段によっても路面の滑りやすさは異なります。バイクは比較的滑りやすい移動手段となっているので、とくに注意が必要です。
各路面標示用塗メーカーでは、滑りにくさを向上させた塗料の開発や販売も行なっていますが、それでも雨水などの影響や標示材の老朽化によって、標示の表面が平滑化されて滑りやすくなってしまうこともあるそうです。
このことからも、バイクは丁寧な運転操作を心がけないと、路面標示用でスリップしてしまう可能性が高いことがわかります。安全のために、いわゆる、急ハンドル/急アクセル/急ブレーキの「急」がつく運転を避けるようにしましょう。
横断歩道には“人や環境に優しい塗料”が使われている!
路面表示用の塗料は、別名「トラフィックペイント」とも呼ばれており、“液状塗料”(ペイント型)と“粉体塗料”(溶融型)の2つの種類が挙げられます。基本的に高速道路では液状塗料、一般道路では粉体塗料が使用されています。
一般道路では、“JIS”(日本産業規格)が規定している、“JIS K 5665”という種類の粉体塗料を用いることが定められており、夜間や雨天時の視認性に加え、耐久性や施工性が一定に保たれるようになっています。
なお、JIS K 5665のなかにも1種/2種/3種とやや特性の異なる種類がラインナップされており、標示の目的や役割などによって適する種類が使われています。標示の視認性を保つことで、道路上の安全が守られるように配慮されているのです。
また、粉体塗料には“有機溶剤”が使用されていないというメリットもあります。
有機溶剤とは、塗料や接着材などに広く用いられる有機化合物の総称です。通常は液状ですが、揮発性が高いため、常温でも自然と空気中に充満し、例えば、工事現場の作業員など現場で働く人々の体内に入り込んでしまうというデメリットがあります。
有機溶剤を含む資材は身の回りで多く活用されています。揮発性が高く、空気中に広まるため、人の体内に入り込んでしまう可能性も高くなっています。
有機溶剤の種類にもよりますが、慢性的に吸い込むことで、視力障害/精神症状/神経障害など重篤な健康被害を及ぼす可能性が高く、頭痛/めまい/意識不明といった急性症状が起こることがあります。
さらに、有機溶剤は大気汚染や水質汚染に繋がる物質とされており、環境保護が叫ばれる近年では抑制していくべきものとされています。
そんななか、路面標示材協会によると、各メーカーが使用する粉体塗料には、通常の塗料に含まれていることの多い有機溶剤のひとつ、“アスベスト”が一切含まれていないそうです。
そのため、公道の横断歩道およびほかの路面標示は、人体と環境にやさしいものになっているといえます。
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