
●文:[クリエイターチャンネル] Peacock Blue K.K.
そもそもオービスってどんな仕組みで取り締まる?
バイクやクルマの運転者であれば、「オービス」についてはある程度ご存知でしょう。オービスは正式名称を「速度違反自動取締装置」といい、その名の通り、自動で速度違反を取り締まる装置です。
速度の計測機とカメラがセットになっており、道路を走行している車両の速度を計測しつつ、速度超過している車両がいた場合には、その車両の写真をフロントから撮影する仕組みです。
オービスは一般道路にもありますが、主に高速道路への設置が多く、本線の上部や路肩に設置されている様子をよく見かけます。
本来の速度違反取り締まりでは、複数名の警官の配備に加えて、取り締まった車両を停車させるための場所や計測機を設置する場所などが必要で、さらに深夜や早朝は取り締まることができないという弱点もありました。
そうしたなかで導入が増えていったオービスの撮影機能は精度が高く、高速走行している車両本体に加えて、ナンバーや運転者の顔までしっかりと収めます。
ちなみに、オービスによって取り締まりを受けた場合は、その場で罰金などを支払うのではなく、車種やナンバーといった情報から車両の所有者が割り出され、後日自宅に通達書が届くようになっています。
違反者は、届いた書類を持って警察署へ出頭したり、罰金を支払ったりと手続きを行うことになります。
無人なうえに24時間取り締まりが可能なので、これまでの速度違反取り締まりの弱点がうまく克服されているといえます。
もちろん、バイクの取り締まりもします!
ここで挙げられるのが、フロントにナンバーが装着されておらず、ライダーがヘルメットを被っているバイクの場合では、「クルマのように取り締まることはできないのでは?」といった疑問です。
結論から言うと、バイクでもしっかりと取り締まりを受けます。
オービスを活用した取り締まりは上述の方法が主流ではありますが、なかには、オービスの情報をすぐ近くで待機しているパトカーに即刻転送し、速度超過した車両をパトカーで追って、警官の手によって取り締まるという方法もあるようです。
この方法であれば、後日の個人特定が難しくても、オービスを通過した時間帯やバイクの車種によってその場での取り締まりが可能になります。バイクでもクルマでも、関係なく取り締まりを受けることになるのです。
バイクであってもオービスでの取り締まりが避けられるというわけではありません。パトカーとオービスの二重体制によって取り締まりを受ける可能性があります。
また過去には、同じ地点で速度超過を繰り返した常習犯を、警察が執念で割り出して取り締まったという事例もあります。そもそも絶対に速度超過をしてはいけませんが、「バイクだから捕まらない」なんて油断せず、しっかりと制限速度を守りましょう。
オービス光らせちゃった…。どういう手続きになる?
では、実際にオービスを光らせてしまった場合、具体的にはどのような手続きを取るのでしょうか? ここでは、上述したように、その場で警察官に取り締まられたケースを想定します。
まず、前提として押さえておきたいのは、オービスを光らせてしまった時点で違反点数6点が加点され、一発で免許停止処分となるということです。
さらに、刑事処分として扱われるため、違反金ではなく罰金を支払うことになります。その際には裁判所へ出頭する必要があり、略式裁判として、1日のうちに警察の聴取や裁判が行われます。
警察署への出頭が要請されたら速やかに指示に従うようにしましょう。自宅へ届く通達書には、その後の動き方についての案内が記載されているので、内容をしっかりと確認することが重要です。
ここでしっかりと自分の罪を認めれば問題はないのですが、速度超過をしたにも関わらず、悪質な反論や行動をとった場合には、正式裁判が行われる可能性も高くなります。正式裁判になると、判決によって実刑がつくことも考えられます。
絶対に速度超過しないようにするとともに、万が一、オービスを光らせてしまった場合には、素直に聴取に応じ、罪を認めて罰金を支払うようにしましょう。
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