ネジがナメたor折れた!? どんなネジも(ほぼ)外せる最終手段に挑戦!
こんにちは! DIY道楽のテツです。これまでいくつかの「抜けないボルト抜き」をやってきましたが、今回は最難関クラスをシェアしたいと思います。しっかりとした道具が必要になりますが、この方法ならばサビや腐食などでどうしようもない状態のボルトもほぼ99.9%抜く(というか破壊)できます! ほぼ最終手段とも言える「抜けないボルト抜き」トライしてみましょう~!
●文:[クリエイターチャンネル]:DIY道楽テツ
今回の「折れたボルト」はちょっと強敵ですぞ…? だけどやってできないことはない!?
これまでいくつかの「抜けないボルト抜き」をやってきましたが、今回は文句なしの最難関クラスをシェアしたいと思います。
「手回しのドライバーで回せない/ボルトの頭をナメかけている」のを初級とするならば、「ボルトの頭が完全にナメてしまった/頭が折れてしまった」のが中級。
では、「頭が折れた上に、しかも奥まったところにボルトのネジ部分が残っている状態!」…これを上級と呼ばずしていかがいたしましょうか(笑)。
というわけで、今回はバイクのクラッチレバーホルダーから折れたボルトを除去したいと思います。
今回は、どんなネジも除去できる「最終兵器」にご登場願います
いつの間に便利になったもので、今や「折れたボルト抜き」で探せばあまたのツールが検索にヒットします。
歴史のある「エキストラクター」に始まり、下穴からすべてオールインワンで終わる便利なビットや、叩き込んでそのまま回せるものまで。正直、私が試したことがないものもあります。
ですが…ここではいきなり「最終兵器」に登場していただきます。最終兵器とは、「ボール盤」そして「バイス(万力)」!!
これはつまり、ガッチリ固定して、ねじ穴に対して垂直かつ正確に穴あけできる道具、というチョイスです。
車体に取り付けたままの状態で、電動ドリルでも同じ作業は(難易度がハネ上がりますが)可能です。
ボール盤ではなく電気ドリルでも同じ作業は可能です。何なら、電気ドリルであればボール盤が使えないような場所のネジを除去することも(難易度がハネ上がりますが)できます。もちろん仕上がりは荒くなりますし、最後の抜去作業がやや面倒になりますが…。
とはいえ、今回は作業を確実に遂行するため、ボール盤とバイスの使用を前提とさせてください。
使うアイテムは2種のドリル/仕上げ用のタップ
今回除去するネジは6mmでした。というわけで、まずぴったり合う6mmのドリルを当てて位置決め。その位置で固定してから、M6ネジを破壊しつつ、かつネジ穴を傷めないギリギリの5.5mmドリルを使っていきます。
もし、固定の精度に不安がある場合は、ドリルをもっと細くすることで作業の難易度は下がります。ただ、そのあとの抜去作業の手間が増えてくるという欠点がありますね。
M6のタップは最後の仕上げ用。ドリルを通した後のネジ溝を掃除するために使用します。
【折れたネジの破壊:その1】最初の固定がもっとも肝心!
いきなり最重要ポイントですが、抜きたいボルトが残っているネジ穴を、とにかくボール盤に対して垂直にしてください。とにかくそれが大事。バイスに固定するのが困難な形をしている場合は、木材を挟んだり薄板で調整したりして、何とか固定します。
次に、ドリルがまっすぐ入るかどうかの確認。今回除去するネジはM6なので、同サイズのドリルをボール盤にクランプすれば確かめられます。
バイス(万力)もしっかり固定。がっちりした作業台というのはなかなかないと思いますが、ボール盤とバイクを共締めするイメージで、動かないようにしっかりと固定しましょう。
ドリルが垂直にまっすぐ入る状態と、ボール盤/バイスの固定が完璧であれば、もう作業は90%成功したようなものです。
【折れたネジの破壊:その2】ネジ穴よりちょっと小さいドリルで掘削開始!
固定が済んだら、M6よりもちょっと小さい5.5mmのドリルを使用します。あえてギリギリを狙うことで、最後の仕上げが楽になります。
ドリルを交換したらしっかり締め付けて、ボール盤をスイッチオン。穴のセンターに来てることを確認しつつ、かつ、ちゃんとセンターに当たるように最初はコツコツとノックするように当てて、ゆっくりとレバーを下げながら慎重に穴をあけていきます。
もし目視できるようでれば、センターポンチで中心に凹みを打っておくと作業自体は楽になります。また、いきなり本チャンドリルに不安がある場合は二回りくらい細いドリルでセンター穴を作っておくとブレが少ないかもしれません。
…とはいえ、ワタシの経験談になってしまいますが、ねじ切れた痕というのはあまり平らでないことが多いことと、ど真ん中にポンチを打つのがそもそも難しいってことがあり、慎重に作業しているつもりがかえって難度をあげてしまったことがよくありました。
この作業って意外にも、いきなり本チャンのドリル(太いほうがブレが少ない)で、コンコン叩くように開け始めると割と成功率が高いような気がします。
…ちょっとマニアックな話になってしまいましたが、絶対に失敗できない工作機械の補修作業とかでなければ、それほど緊張する必要もありません!
最悪の場合ねじ山を削ってしまったとしても、長めのボルトにして裏からナットを当てたり、または穴自体をタップでワンサイズ大きく切り直すという補修方法もあるので、「できればラッキー」くらいの気持ちで望めば、逆に意外と上手くいったりします。
【折れたネジの破壊:その3】ネジ穴開通! あとは掃除してタップ立てれば復活!
ドリルがセンターに垂直&まっすぐ入っているならば、あとはドリルでゴリゴリ穴を開けていけば、すんなりと祝! 開通!! するはずです!
しかも今回はM6に対して5.5mmという攻め攻めのクリアランスだったので、さしもの折れたボルトも削りカスくらいしか残りませんでした。それもエア吹きだけでほとんどが無くなってしまうレベル。
ちょっとハイレベルですが、これで外せなかったネジはなし!
いかがでしょうか?
この方法ならば、びたっと場所さえキマっていれば、ドリルを通しただけでボルトだった残骸がパラパラと落ちて、ネジ穴が姿をみせてくれるはずです。この瞬間がまた快感だったりするんですよね~! なにせ、勝った感が半端ないです(笑)
折れたボルトを抜く方法としては「エキストラクター」が一般的ですが、ワタシ個人的にはこの穴あけ方法を使うことが多いです。なにせ、サビや腐食でもはや一体化しちゃってる? というレベルのボルトでも外すことが可能。ちょっとでも大変そうかな? と思ったら、いつも迷わずこの最終手段を使っちゃいます。
今回はボール盤を使いましたが、バイスまたはしっかり固定さえできれば、電気ドリルでも十分できます。その際、とにかくドリルを垂直にあてることに全神経を使いますが、ちょっと細めのドリルで穴をあけて、あとは先の細い道具で屑を掻き出してタップで仕上げれば、よっぽどの状態じゃない限り抜去が可能なはずです。
ボルトが折れた時などは気分的にも凹みますが、いちど覚えてしまえば「ボルト抜き」はやればやるほどスキルアップできると思いますので、是非皆様も挑戦してみてください~!
この記事がどなたかのお役に立てば嬉しいです。今回もご視聴ありがとうございました~!!
動画解説はこちら↓
(↓)YouTube動画のほうでは映像付きで解説しているのでよかったら参考にしてください♪
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