ワークマン史上 最強のコスパと防寒性を備えたバイク用イージスが爆誕

ワークマンが2022秋冬新作を発表。その中でもライダーが注目したいのは「REBORN 再始動」をコンセプトに生まれ変わったイージス。ヤングマシンでも連載を担当している二輪ジャーナリストの相京雅行氏が開発協力。本記事では魅力を伝えて頂いた。
●文/写真:相京雅行 ●外部リンク:ワークマン
【ナビゲーター:相京雅行(あいきょうまさゆき)】某バイクパーツメーカーに立ち上げから10年勤務し、現在は2輪ジャーナリスト/動画クリエイター/ワークマンのアンバサダーなど、多岐にわたって活動中。小学生の女の子二人の父親。ヤングマシンでは主に初心者ライダー向けに記事を書いていこうと思います。
ワークマン躍進のきっかけとなったイージスがリニューアル
ワークマンが大ヒットした理由の一つは防水防寒スーツ「イージス」が冬のバイクでも寒くないとライダー間の口コミが広がったことです。
筆者がワークマンのアンバサダーとして打ち合わせに参加していると、ワークマンが顧客としてライダーを大事にしてくれていることを感じます。
ですがアンバサダー就任以来、筆者が担当者に言い続けてきたことがあります。それはバイク用品メーカーの製品に寄せ過ぎない事。
安全性や防御力に関しては、何十年もノウハウを積み上げてきたバイク用品メーカーに勝つことは不可能。
ならばセーフティはバイク用品メーカーに任せて、ワーカー向けに製品を製造してきたノウハウを使って、ライダーが快適に過ごせるアイテムを作ってほしいとお願いしてきたのです。
今回はそんな筆者の思いが一つの形になりました。
2022年モデルの防水防寒スーツのイージスは一新されました
バイク、ワーク、フィッシング、スノーの4つの用途向けに製品が開発され、各製品一色のみとする思い切った展開に。バイクはライムグリーンが選ばれました。多くのライダーに受け入れられた初代イージスを象徴するカラーです。
カラーバリエーションは減りましたが、価格は6800円→4900円に。当然海外生産ですが、円安であらゆる物価が上がっている中で信じられない設定です。
加えて防水性能は10000mmのままですが、透湿性能は大幅にアップし20000g/m2/24hとなり、初代に比べておおよそ7倍のスペックとなりました。
用途別に4種類発表されましたが、なんと各モデル一色という思い切った展開です
形とカラー
多くのライダーの口コミで火が付いた初代イージスを象徴するカラーだったライムグリーン。各用途に一色だけ選ぶのであればライムグリーンが選ばれるのはわかります。
ですが、初回サンプルを見せて頂いた際に一つだけお願いをして、受け入れて頂きました。
初回のサンプルはあまりにもライムグリーンの面積が広く、差し色の黒が少ない状態でした。
そこで体の横部分や腕の部分など可能な限り差し色の黒を追加して頂きました。中綿入りのイージスですが、体の横ラインに黒が入ることで全体的にキュッとしまった印象を強めています。
体の横に黒が入ると全体的にしまった印象になる
圧倒的な防寒性能
初回サンプルはウエストのアジャスターの他に、腕にもアジャスターが配置されていましたが、それらを除いても優先してほしいポイントがありました。
それが中綿の量です。
昨年優れた防水性と防寒性を兼ねた製品「透湿防水防寒ジャケットバイカーズ」も開発協力させて頂き、多くの方から反響を頂きましたが、一部のユーザーから初代イージスよりも寒いという意見を頂戴しました。
そこでバイク用に関しては、まずは圧倒的な防寒性能を追求してほしいとお願いしました。バイク用イージスの中綿量は200gとほかのイージスに比べてたっぷり。
まだ夏なので、性能テストをすることはできませんが、初代イージスと比べても暖かさを感じて頂くことができるはずです。
従来比1.4倍の中綿量で他のイージスシリーズよりも防寒性能が高い
ライダーに必要な機能は残しました
4900円という目標価格と中綿の量を実現するために色々な機能は削いでしまいましたが、ライダーとして譲れない機能は残して頂きました。
三か所のポケットは全て止水ファスナーを採用し、防水性を高めると共にポケとからの落下を防ぎます。更に胸元は両脇よりも大容量なので3シーズン用グローブぐらいなら入ります。
一番浸水しやすい前立ては二重構造、更に止水ファスナーを採用し、後ろ側にもタテを入れているので簡単には侵入を許しません。
袖口部分はマジックテープでアジャストできますが、二重になっており内側はサムホールを採用することで防寒性をアップ。
背中のウインドアジャスタはバタつきを防ぐだけでなく、たっぷりの中綿入りでポッテリしがちなシルエットをシャープに整えます。
初代のイージスに関してはバイク乗車中に足の上げ下げで突っ張る感じがあり、それを開発陣に告げたところ翌年には改善。
現在のモデルもジャケット、パンツ共にバイクの操作を一切邪魔しません。
ポケットは全て止水ファスナー付き
バタつきが気になる場合にはフードは脱着可能
二重の前立てと止水ファスナー、更に裏側にもタテを配することで浸水を徹底的に防ぐ
手首はアジャスターと二重袖、サムホール装備で防寒性アップ
サイズ感
身長164cm、体重62kgの筋肉質体系で、一般的なアパレルメーカーのジャケット、パンツはSサイズを選んでいますが、イージスもSサイズで問題なし。
ワークマンは近年中綿入りのブルゾンやフリースなど中間着として重ね着しやすい製品も充実していますが、これらを着用した上から重ね着する余裕もあります。
全体的なシルエットは緩めなので、いつも通りのサイズを選べば問題なし
色がどうしても受け入れられない!という方は
ワークマンの担当者にも伝えましたが、ライダー全員がライムグリーンが好きなわけではありません。
できれば黒などのベーシックな色で作ってほしかったところですが、現在のワークマンの快進撃はライムグリーンの初代イージスから始まったといっても過言ではありません。
性能的には2022年型ライダー向けイージスはお勧めなのですが、どうしても色が受け入れられないという方にはワーカー向けイージスがお勧めです。
こちらは前立てなし、胸ポケットのサイズが小、中綿の量がライダー向けに比べて少ないですが、動きやすさや防水防風性に優れており使い勝手の良いイージスです。
ワーカー向けイージスは黒なので使いやすい
動画でインプレッションを見たい方はこちら
正直カラーバリエーションは欲しかった
初回サンプルから色々なところを修正して頂いたので仕上がりには満足しているのですが、正直に言えばやっぱりカラーバリエーションは欲しかった。
ただ今回はカラー展開を抑えることでコストを削減し、販売価格を下げているので仕方がないのかなとは思います。
REBORN【再始動】というテーマが掲げられて開発された2022年型イージス。ぜひ手にとって頂き、感想を頂ければと思います。
※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
人気記事ランキング(全体)
森脇護氏が考案した画期的なアルミフィン構造 画期的なアイデアマンとしても有名なモリワキエンジニアリングの創始者・森脇護氏。そんな氏が数多く考案した製品群の中でも代表作のひとつに挙げられるのが、1980[…]
MotoGP黎明期のレプリカマフラーだ このマフラーは4スト990ccが導入されて、世界GPがMotoGPに代わった翌年の2003年に、ホンダRC211VエンジンのモリワキMotoGPレーサー・MD2[…]
勝手に妄想、クーリーレプリカ! スズキの『8』プラットフォームに新顔の「GSX-8T」と「GSX-8TT」が登場した。まずは欧州や北米で発売され、順次日本にも導入の見込みだ。 この新型については以前ヤ[…]
1位:ワークマン「ペルチェベストPRO2」使用レビュー ワークマンの「ペルチェベストPRO2」を猛暑日で徹底検証。最新モデルはペルチェデバイスの数が昨年モデルの3個から合計5個に増加し、バッテリーもコ[…]
美しい孔雀の羽根の色味が変わる特殊ペイントで仕上げた新グラフィック 『エクシード-2』は、カブトがラインナップするオープンフェイスの上級モデルで、赤外線(IR)と紫外線(UV)を大幅にカットしつつ、空[…]
最新の記事
- 年間1000万台に採用される部品も?! ケーヒン、ショーワ、ニッシンなどを擁するAstemoの本領は『アジアの足を支える』こと
- 「MotoGPマシンの“音”に抱いたモヤモヤ……ドゥカティ、何かやってる?」【ノブ青木の上毛グランプリ新聞 Vol.29】
- 最新中古相場もわかる! 人気バイク歴代モデル図鑑:カワサキW800シリーズ【2019~2025年モデル】
- スズキの新型ネオクラシック「GSX-8TT」2027年モデルはクーリー仕様だっ!? 角ばったデザインに青白が映えそう!
- 「超ショートストローク250cc直4」1987スズキGSX-R250:過激さマシマシのR250Rも【ニッポン旧車列伝】
- 1
- 2