[ZX-4R SE/RRエキパイ交換] 高回転型エンジンにゆとりと優しさをプラス! ストリートで分かる“心地よさ”と“爽快感” POWERBOXパイプで「気持ちイー!」を実感
レッドゾーン1万5000回転オーバー/最高出力77馬力を発生する並列4気筒エンジンを搭載したカワサキNinja ZX-4Rは、現行400ccクラス最強なのはもちろん、600ccクラスに匹敵するポテンシャルを秘めたスーパースポーツモデルです。ハイレベルで完成されたNinja ZX-4Rに弱点はあるのか? SP忠男流に解釈するとどんな味付けになるのか? その回答として誕生したのが、[23-]Ninja ZX-4RSE/RR用POWERBOXパイプです。
●BRAND POST提供:スペシャルパーツ忠男
アラを探しても見つからない!? 完成度の高い並列4気筒エンジン
1980年代以降、250~750ccまでステイタス性とパフォーマンスの両面で高性能の代名詞となっていたのが並列4気筒エンジンです。とくに1980年代後半のレーサーレプリカモデルでは、250ccクラスのエンジン回転数が2万回転以上となるほどの高回転高出力ブームが訪れました。
同じ排気量であれば、4気筒エンジンは単気筒や2気筒に比べてピストン重量が軽くなり慣性重量が小さくなるため、高回転に適しているというのが“4気筒=高性能”とされる理由のひとつです。
ただし、1980年代の高回転高出力型4気筒モデルは、最高出力のためには低中速域が少しぐらい犠牲になるのは仕方ないという風潮があったのも事実です。1速発進時にはエンジン回転数を高めにキープして、長めの半クラッチでスタートするのが当たり前で、レーサーレプリカユーザーにはそれを乗りこなすテクニックも必要とされました。
そんなレーサーレプリカブーム終焉後も、4気筒エンジンはハイパフォーマンスの象徴として生き続けましたが、やがてスポーツモデルやスーパースポーツモデルのエンジンは2気筒が主流となり、400ccで最後まで4気筒エンジンを搭載してきたホンダCB400スーパーフォアも生産終了となりました。
そうした時代の流れの中で、2023年に登場したのがカワサキNinja ZX-4Rです。2020年に発売されたNinja ZX-25RのシリーズモデルであるZX-4Rは、クラス最強の最高出力77馬力/1万4500rpmの新設計4気筒エンジンを、ZX-25Rと変わらないコンパクトな車体に搭載したスーパースポーツモデルとして大きな話題となりました。
かつての高回転高出力型エンジンは低中速が頼りない印象がありましたが、フューエルインジェクションや電子スロットルなどの電子デバイスにより巧みに制御される最新の400cc4気筒モデルに、扱いにくさや気難しさは皆無です。
誰が乗っても楽しさと速さを気軽に体感できる仕上がりは、ユーザーには喜ばしいことです。一方で、決定的な弱点や改善すべき不満点が簡単に見つからないのは、私たちマフラーメーカーにとっては悩ましい問題でもあります。
誰が乗っても、クラッチをつないで走り出した瞬間に違いが分かるマフラー開発をモットーとしているSP忠男としては、まずは自分たちがしっかり走り込むことで伸びしろを見つけることが大きな課題となりました。
電子制御満載でも重要なエキゾーストパイプ
600ccや750ccクラスで120馬力を超える最高出力を記録する現行モデルとは比較の対象になりませんが、Ninja ZX-4Rの最高出力77馬力は1990年代までなら750ccクラスと同等の出力です。
ナナハンクラスの出力をコンパクトな400ccエンジンで発生させるには、低中回転域はシビアでデリケートで、一気に高回転まで引っ張らないと使い物にならないような気もしますが、実際には先述のようなハイレベルな制御によって、一般的なライダーが神経質さを感じることは皆無です。
それだけでなく、スロットル操作を電気信号に変換する電子スロットルには、ライダーの技量を補ってくれる利点もあります。一般的なスロットルワイヤー操作の場合、エンジン回転数が低い状態でスロットルを大きく開けると、スロットルボディのバタフライバルブが大きく開くため、吸気流速が上がらずスロットルレスポンス悪化の原因にになります。
しかし、電子スロットルなら、エンジン回転数や負荷とスロットル開度が連動するため、ライダーがスロットルを雑に操作しても、スロットボディのバタフライバルブはエンジンが求める開度でしか作動せず、結果としてスムーズに走行できることになるのです。
現代的なバイクでは当たり前となった電子制御は、出力特性の演出にも介入しています。誰が乗っても不満なくハイペースで走行できるNinja ZX-4Rですが、テスト走行を重ねるうちに4000rpm前後の回転数がひとつのカギを握っていることが分かってきました。
具体的には、4000rpmの手前にパワーの溜(ため)があり、そこから4000~7000rpmで爽快な加速感が得られ、8000rpm手前でもう一度、溜を作ってから1万5000rpmのレッドゾーンに向けて加速していくという味付けです。
このエンジンが本領を発揮するのは8000rpm以上の高回転領域にあるのは間違いないですし、そうでなければ1万4500rpmで77馬力は発揮できません。
ただし、サーキットのような特定の場所なら高回転をキープできるかもしれませんが、大多数のライダーはNinja ZX-4Rをシティライディングやツーリングで愛用するはずです。その場合、信号待ちからの発進や、他の車やバイクと並走している際の扱いやすさも重要になってきます。
電子制御によって賢くスマートに制御されていますが、先に挙げたように、エンジン回転数によるトルク特性はマフラー自体で決まる部分もあります。
私たちは、8000rpm以上のパワー感が強い分、4000~6000rpmのトルクラインに改善の余地=伸びしろがあると感じました。これは最高出力向上一辺倒ではなく、あくまで一般的なライディングテクニックのライダーが、ふだん使いで心地良さと爽快感を体感できるマフラーを開発したいというSP忠男の伝統でありこだわりの部分です。
SP忠男ならではのループ形状でメインパイプをロング化
フルカウルモデルのマフラー交換では、カウルに隠れてしまうエキゾーストパイプよりも、外から見えるスリップオンサイレンサーの方が見た目の変化が分かりやすく映えるのは確かです。しかし、SP忠男では30年以上にわたるマフラー開発の中で、エキゾーストパイプこそトルク特性に大きく影響し、“爽快感”と“心地良さ”を演出する最重要パーツであることを知り尽くしています。
一般公道でノーマルマフラーを徹底テストした結果、8000rpm以上ではとてもエキサイティングである反面、そこに至るまでの4000~7000rpm手前ぐらいのトルクがやや薄く、さらにその前後の溜も演出であるにせよ不安定なフィーリングであるように感じました。
クラス唯一の4気筒エンジンであり、2気筒エンジンとのキャラクターの違いをアピールする狙いもあるのでしょうが、私たちにはここが改善ポイントであると感じられました。
一般的に、エンジン回転数が低い領域から豊かなトルクを引き出すには、エキゾーストパイプやメインパイプの管長を長くするのが有効とされており、私たちも多くの機種でそのセオリーに沿ったマフラー開発を行ってきました。
とはいえ、管長を長くすればトルク型、短くすればパワー型になるかといえば、それほど単純ではありません。パイプの長さや太さをほんの少し変更しただけでトルク特性が一気に大きく変わることもありますし、その変化が狙ったものでなければ見直しが必要です。
4本のエキゾーストパイプをカウル内に収めるには、それぞれの長さやレイアウトに制限があり、エキゾーストパイプの後方には触媒も装着しなくてはなりません。
また、SP忠男のPOWERBOXパイプは純正サイレンサーの使用が前提となるため、触媒後部のメインパイプとサイレンサーの接合部分の位置を変更することはできません。
そこで私たちは、管長を伸ばすために、メインパイプをループさせてからサイレンサーにつながるPOWERBOXパイプを開発しました。
エキゾーストパイプやメインパイプをループさせて管長を変化させるのはSP忠男の常套手段のひとつですが、適切なパイプの太さや長さなどは機種によって異なり、レイアウト上の制約が生じることもあります。
完成した製品を見ていただければ分かりますが、スイングアームの下でループを描きながら、ノーマル位置に装着された純正サイレンサーにつながるようパイプをレイアウトするのは容易なことではありません。
一度の試作で思い描いたようなトルク特性を得られれば幸いですが、常に成功するとは限りません。その場合、感じた不満や不具合を解消するための仮説を立てて、次なる試作に反映させなくてはなりません。
リラックスした中に速さを実感できる「気持ちイー!」POWERBOXパイプ
ループさせたメインパイプによって、純正マフラーの試乗で気になった4000rpm手前から6000rpmにかけてのトルクはかなり良い感じに底上げできました。
ただ、8000rpm以上のエキサイティング領域につながる手前、7000rpm付近に残るトルクの谷が気になります。全開加速などで一気に回転を上げていくような走り方なら気になりませんが、コーナリングなどでこの回転領域にかかると力強いトラクションがフッと抜けてしまうように感じられるのです。
純正エキゾーストパイプをPOWERBOXパイプの試作品に交換して明らかな変化が生じた上で、さらに気になる部分が残る場合には、手間はかかりますがさらに仕様が異なる試作を行わなくてはなりません。
“トルクラインの立ち上がり”は私たちがマフラー開発の際に常に意識している重要なポイントで、これを街乗り領域でしっかり整えることで、多くのライダーがSP忠男のマフラーに対して“心地良さ”と”爽快感”を実感できるのです。
幾度の試作を繰り返した結果、4000~7000rpmのトルクラインがきれいに整い、力強くたくましく、なおかつライダーのスロットル操作に対してエンジンが常に忠実に追いかけていくようなイメージに仕上げることができました。
これは抽象的な表現ですが、エンジンが勝手に先走るのではなく、あくまでライダーの操作が先で、そこにエンジンが追従する特性に仕上げることで、ツーリングなどでまっすぐな道を淡々と走行する際や、街中で他の車両と並走する際に早めにシフトアップしてもギクシャクすることないライディングを満喫できます。
また、2000rpm付近のトルクラインも整えたことで、発進時にクラッチミートした際に出だしが唐突になりすぎないようになっている点も、街中での扱いやすさにつながっています。
4000rpmあたりと7000rpmあたりで感じられるトルクの溜(ため)が、高回転でのエキサイティングさを演出する目的で設定されているのであれば、POWERBOXパイプはトルクラインがスムーズになっている分、盛り上がりに欠けるのでは? と思うかもしれません。
しかし、トルクの谷と、それに続く山によるトルクの強弱は、ライダーを疲れさせ、緊張させる原因にもなる場合もあります。
今回開発したNinja ZX-4R SE/RR用POWERBOXパイプは、7000rpm以上の高回転領域の4気筒らしさはそのままに、400ccという排気量を感じさせないゆとりのあるトルク特性でライダーを疲れさせない仕様に仕上げています。
いざというときは77馬力のポテンシャルを引き出し、ふだんの街乗りやワインディングではゆとりを持って「気持ちイー!」走りを大切したいライダーには、きっと私たちの狙いをご理解いただけると思います。
全国各地のバイク用品店で開催中している快感体感試乗会ライドオンキャンペーンでの試乗をお待ちしています。
※本記事はスペシャルパーツ忠男が提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。