QSTARZで走りを数値化&見える化!【原田哲也の走りは何が凄い? 趣味ライダーとプロの走りを比較してみた!】
トップライダーとサンデーレーサーの走りは何が違うのか? タイムで追いつけないのはともかく、どこを頑張ればトップライダーやベテランのスキルに近づけるのか? じつはアクティブが取り扱うQスターズのGPSラップタイマー「LT-8000GT」を使えば、走りの違いを「見える化」できる!
●文:ミリオーレ編集部(伊藤康司) ●写真:安井宏充 ●BRAND POST提供:アクティブ
Qスターズは、便利なラップタイマー…だけじゃない!
サーキット走行やレースを楽しむホビーライダーにとって、「タイム計測」は重要。もちろんバイクの楽しさはタイムがすべてではないが、サーキットにおいて自分がどれだけ上達したのか、イベントレースに参戦したらどのレベルで闘えるのかなど、タイムがスポーツ走行の「ひとつの基準」であることは間違いない。
タイム計測はもちろんストップウォッチでもできるが、より正確で簡単に記録するには「ラップタイマー」が便利。しかもGPS計測の独立型なら、マシンに取り付けるだけでOK。アクティブが取り扱うQSTARZ(キュースターズ)のLT-8000GTは、そんな便利で正確なGPSラップタイマーだ。
さらに、LT-8000GTのメリットはそれだけではない。ロギングしたデータを専用の走行解析ソフトウエア「QRacing」にインポートすることで、走行ラインや加速/減速ポイントなどを詳細に分析が可能。そしてトップライダーと自分の走りの違いを感覚ではなく視覚的に理解でき、ライディングの改善点が明確になるのだ。
細かい分析には「QRacing PC」がおすすめだが、現場でさっと見て簡易解析するにはスマホアプリ「QRacing APP」も便利! ぜひシーンで使い分けてみていただきたい。
2023年の「もて耐」で、走りの違いを検証!
というワケで、今回は国内最大級のサンデーレースである「もてぎ7時間耐久ロードレース」、通称『もて耐』に参戦。マシンに『Qスターズ LT-8000GT』を装備して、各ライダーの走りの違いを検証してみた。
マシンはカワサキNinja ZX-25R。そしてライダーは当Webミリオーレのディレクターである小川が、かねてから一緒にバイクやレースを楽しむメンバーが集結。以前も一緒にもて耐に参戦した元世界GP250チャンピオンの原田哲也さんとマジカルレーシング代表の蛭田貢さんに加え、アジアロードレース選手権の2015年AP250チャンピオンの山本剛大さん、そしてモトサロン代表の岡正人さんの5人だ。
Qスターズ LT-8000GTの専用ソフトで各自の走りを分析!
前述したように『Qスターズ LT-8000GT』で計測・記録したデータは、パソコンにダウンロードして専用の走行解析ソフト「QRacing」で詳細に分析することができる。トラック画面では同時に3つの走行ラップを比較できるので、たとえば自分のベストラップと、タイムの出なかったラップを比較すれば、どこで失敗したのかもわかりやすい。
そして今回の耐久レースのように、同じマシンを複数のライダーが走行した時は、ライダー同士の走りの比較が可能。上手いライダーと自分の走りのどこが違うのか、走行ラインや加速/減速のタイミング、ボトムスピードなど一目瞭然だ!
チャンピオンライダーの走りはどこが凄い?
まず「お手本」となる原田さんと山本さんの走りだが、じつは「特別なこと」は何もしていない。鋭く加速してコーナーではきちんとスロットルを閉じて減速し、しっかり向きを変えてパ-シャルを使わずに、可能な限り早くスロットルを開けて加速して立ち上がる。誤解を恐れずに言えば「ライテクのセオリー通り」の走りだ。
ただし、その「精度の高さ」は別格。レース中は他車も絡むので思い通りに走りにくいはずだが、どのラップを見ても減速/加速タイミングや走行ラインにズレというかブレが無い。じつはこれこそがトップライダーの「特別なこと」というのが見て取れる。
向き変えの甘さが「開け遅れ」の原因に!
それでは今回『もて耐』初参戦となった岡さんの走りをトラック画面下段のチャートで見ると、多くのコーナーの立ち上がりで「開け遅れ」しているのが伺える。主たる原因はコーナーに入った際にしっかり向き変えができていない……と推測。その根拠はヘアピンカーブに注目するとよくわかる。
きちんと向き変えするには、しっかり減速することが重要だが、じつは岡さんのヘアピンのボトムスピードは、山本さんより速いのだ。速度的にはわずか3~4km/hの差だが、このように曲率が小さいコーナーでは向きを変えられない大きな要因になる。
じつはこれ、岡さんに限らず「もっとタイムを速く=もっとコーナーを速く曲がろう」と考えるライダーがよく陥るケース。ボトムスピードが高いためにしっかり向き変えできないと、車体が出口を向く(車体を起こす)のが遅くなるので、結果としてスロットルを開けるのが遅れたりパーシャル気味になるのだ。
ラインの違いが「その後」に響く
もてぎロードコースの走行回数も多く、過去に『もて耐』にも原田さんと一緒に参戦している小川の走りをチェックしてみよう。相応にコースを攻略しているが、難しさを感じている個所もあり、そのひとつがビクトリーコーナー(最終コーナー)だ。
山本さんはかなりタイトなラインでインに付けて切り返しているが、小川はあえて大きめなライン取りで、これはどちらかというと大排気量車のライン取り。このラインが悪いワケではないが、その後のストレートでけっこうな速度差が生じるので、250クラスなら山本さんの走り方の方がタイムに繋がるだろう。
「わかってるんですよ。原田さんとはこれまでに何度も走りを『Qスターズ』で比較してきたし、山本さんの走りの凄さもわかっています。でもそれをなかなか自分の走りに反映できない。とはいえ、何ができていないかわかること、苦手な箇所がわかることってとても良い勉強になります。『Qスターズ』のおかげで、常に課題を持って走れるようになりました。原田さんの走りと比較して、僕は『向き変え』が永遠のテーマになりましたね。今回は山本さんのラインどりもとても参考になりました。ほぼすべてのコーナーで僕よりもタイトに回っていましたので……」と小川。
何歳になっても進化できる!
さて、当チームのセンターポジション的存在の蛭田さん。御年71歳とは思えない元気な走りとバイク愛は、チーム全員が目指すところだ。その蛭田さんの走りを見てみよう。
もてぎロードコースの難所のひとつ「S字カーブ」だが、原田さんや山本さんの走りはやはり正確で美しい。最初の左カーブをハイスピードからしっかりスロットルを閉じて進入し、スパッと一瞬開けた後にきちんと閉じて切り返し、開けて加速して行く一連の流れは、トラック表示やチャートで見ても明らか。
しかし、一般ライダーには難所ゆえに探るようなパーシャルになりがちで、チャートの蛭田さん(青線)を見ると、迷っているさまが伺える。……とはいえここは、岡さんや小川も大なり小なり似たような悩みがあり、原田さんや山本さんのような理想的な走りはハードルが高いのも事実だ。
とはいえ蛭田さんの素晴らしいのが、原田さんとチャートを重ねると、かなり相似形を描いているところ。速度差があるのは当然として、減速や加速のタイミングなどが原田さんの「セオリー通りのライディング」にかなり近しいのだ。これは蛭田さんが原田さんのレクチャーを正しく受け止めて、チャンピオン譲りのスムーズな走りを目指しているからだろう。
走りの「見える化」と「数値化」がスポーツ走行をもっと楽しくしてくれる!
このように『Qスターズ LT-8000GT』で計測したデータは、専用解析ソフト「QRacing」を用いることで、自分のライディングをしっかりと検証できる。そして正しく改善点を見つけて次に走る時に意識すれば、ライテク向上の早道になるのは間違いない。
実際今回も走行前にプロの走りと3名のホビーライダーの走りの違いを見せたところ、みんな着実にタイムアップして帰ってきた。
特にこういった耐久レースでタイムが出ているライダーと出ていないライダーで何が違うのかを知ることはとても大切。自分自身の走りを知ることと、走りを進化させるために『Qスターズ LT-8000GT』は欠かせないのである。
走りを「見える化」&「数値化」し、サンデーライダーの走りと楽しみをサポートする『Qスターズ LT-8000GT』。あなたのマシンにも、ぜひ装備してみてはいかがだろうか。
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