250ccとは思えないほどのゆとりのあるトルクとライダーの意思に応えるエンジン特性を実現「気持ちイー!」を実感【レブル250用POWERBOXパイプ】
スリムで個性的な車体デザインとボリューム感のある足まわり、足つき性の良さと歯切れの良い250ccシングルエンジンの組み合わせが人気のホンダレブル250。2017年のデビュー以来、好調なセールスを続ける人気モデル向けに、SP忠男はこれまで2タイプのPOWERBOX PIPEとサイレンサーを開発し、今なおご好評をいただいています。そして、新たな排気ガス規制に対応して登場した2023年モデル向けPOWERBOX PIPEの開発をスタート。250ccを超えるおおらかな乗り味を求める過程で試行錯誤があったものの、これなら誰もが「気持ちイー!」と言える納得の出来に仕上がりました。
●BRAND POST提供:スペシャルパーツ忠男
2022年型以前モデル用POWERBOXは2023年モデル発表後もセールス好調
現行モデルのホンダレブル250がデビューしたのは2017年。それまでになかったスタイリッシュなデザインと軽量で扱いやすい車体やエンジン特性、そしてカスタムの素材としての魅力により、あっという間にベストセラーモデルの座に就きました。
SP忠男は2018年にマフラー開発に着手したものの、当初は出力ラインに盛り上がりのないエンジン特性に苦労しました。そこで、エキゾーストパイプの長さや太さ、膨張室の仕様を何度も変更しながらトルク特性を変更し、一般的な走行でもっとも多用し重要な40~60km/h前後のトルクをしっかり引き出すことに成功。
ちょっとした上り坂や向かい風ぐらいならシフトダウンの必要もなくグングン進む特性に、多くのレブルユーザーから「気持ちイー!」の声を聞くことができました。
続いて2019年にはサイレンサーも開発。レブル250はアフターマーケットのサイレンサーに交換することで5速30~50km/hあたりのトルクが細くなりがちですが、通常走行でノーマルより1速高いギヤで走行できるほどのトルクを引き出すことができ、今でもニーズの高い製品となっています。
さらに2021年にはエキゾーストパイプ内部に膨張室を設けたインナーボックスタイプのPOWERBOXパイプも発売しました。これはエキゾーストパイプにボリューム感が欲しいというリクエストに応えたもので、このように同一機種でバリエーションが増えていくのはバイク自体のセールスが好調であることの証しと言えます。
質感と完成度が大幅に向上した2023年モデル向けに、POWERBOXパイプの開発をスタート
2022年末に発売が開始された2023モデルのレブル250は、コンセプトやスタイリングは従来モデルを踏襲しながら、各部の質感と仕上がりがグッと向上しています。さすがロングセラーの人気モデルならではの進化だと思います。
しかしマフラーメーカーであるSP忠男にとっては、平成32年(令和2年)排出ガス規制に対応しているのが最大のトピックです。
世界的な環境問題に対応するため、ガソリンエンジン車の排気ガス規制は段階的に強化されており、今回の規制は欧米諸国の水準に足並みをそろえた厳しい基準となっています。この規制をクリアして継続販売されるモデルは、登録時の型式が新規となります。
ユーザーにとっては、規制を正しくクリアしていればあまり関係はありませんが、型式に合わせて製品開発を行い政府認証を取得しているアフターマーケットのマフラーメーカーにとっては、見た目も性能も大きな変化はなさそうなレブル250であっても、2022年以前と2023年以降モデルはまったくの別物です。
単気筒のエンジンが2気筒になるような劇的な違いはありませんが、2023年モデルには2023年の特性に合わせたマフラーを開発し、新たに認証を取得することが必要なのです。
有名なカスタムショップからのリクエストや既存パーツ(エンジンガード)との併用を希望する声が集まるなど、2018年以来好評をいただいているPOWERBOXに対する期待値も高い中で開発がスタートしました。
今までのマフラー開発のセオリーが通用しない!? 2023モデル
2023モデル用POWERBOXパイプは、従来モデル用と同じく、高いギヤを維持して走行できるよう、スタンダードより低い回転数から豊かなトルクを引き出すことを目標としました。
そのためにまず試したのは、エキゾーストパイプ長の変更です。短いエキゾーストパイプが高回転の伸びと最高出力アップにつながり、長いパイプは低速時に豊かなトルクを引き出すというのはマフラー開発のセオリーであり、そのためS字を描く長いエキパイを試作しました。
ところがこれが低速トルクはスカスカ、スタンダードで心地よい5速50~60km/hあたりの印象も様変わりしてしまい、その代わりに高回転域のパワーがグンと上がったのです。
2023年型のレブル250に関しては従来のセオリーが通用しないと悟ったSP忠男では、長さを稼いだ試作エキゾーストパイプに見切りを付けて、実績のある2022年までのエキパイをベースに開発を仕切り直します。
アジア系諸国でも販売されるレブルのエンジンは、基本的に高回転で本領を発揮する味付けとなっているようですが、SP忠男では5速40km/h以下の速度域からでもシフトダウンせず、スロットル操作だけで車速を上げられるような豊かなトルク特性を重視しています。
これが「心地よさ」と「爽快感」につながり、ライダーを「気持ちイー!」に導く重要な要素だと確信しています。
メインパイプの長さや形状、SP忠男ならではの膨張室のセッティングで、250ccとは思えない「気持ちイー!」を実現
極端に長くしてみたS字形状のエキゾーストパイプ長を改め、従来のPOWERBOXパイプに近いエキパイを装着したことで状況は改善したので、2023年型によりいっそう適した開発のツメを行います。
250ccクラスのスタンダードモデルでは、各ギヤともエンジン回転を上げながらシフトアップしていくのが前提で、高いギヤで速度を落とした際のトルク特性はあまり重要視されないこともあります。このレブル250もスタンダードでは5速40km/hあたりからスロットルを開けた際にトルクラインに谷があります。
SP忠男では、そうした領域からスロットル操作だけでおおらかに加速していくトルク特性、250ccなのにそれ以上の余裕のある走りを求めて開発を続けています。とはいえ低速トルクが強いだけではダメで、ライダーの右手の操作に対して、エンジン回転が速すぎず遅すぎず連動して上昇することも重要です。
ノーマルサイレンサーを使用するPOWERBOXパイプはエキゾーストパイプとメインパイプで構成されており、今回の開発ではメインパイプの長さやエキゾーストパイプとつながる部分のテーパー角やテーパー長などを細かく変更して変化を確かめています。
先に従来のマフラー開発のセオリーが通用しないと書いたとおり、2022年までと2023年のレブル250はスタイル的には大差はありませんが、マフラーの変更によるライディング時の印象の変化はかなり大きく感じられます。
エキゾーストパイプとメインパイプの仕様を決めた後に、最後の味付けでPOWERBOXパイプならではの膨張室を調整しました。膨張室は容積はもちろん、その形状やメインパイプからのバイパスパイプの取り出し位置やパイプの太さによって特性が変わってきます。
こういった開発には、シャシーダイナモによる測定だけでは表すことができないニュアンスも多分に含まれていますが、誰もが「気持ちイー!」を実感できるにはその感覚を研ぎ澄ませることが重要で、すべてはマフラー開発の要点のひとつであるトルクラインを整えるためであり、妥協せず地道に試作とテストを繰り返すことが、SP忠男ならではの物作りだと考えて実践しています。
継続販売モデルであっても、実際はゼロベースで開発を行った2023年型レブル250用POWERBOXは、低い回転数からシフトアップでき小気味よくクルージングでき、6速50km/hからゆっくり右手をひねると、ノッキングしたりグズることなく直線的にスピードがアップしていく特性に仕上がりました。
街中でもロングツーリングでもタンデムランでも、エンジンに急かされることなく心地よさと爽快感を実感でき、ヘルメットの中で「気持ちイー!」と微笑んでいただけると確信しています。
※本記事はスペシャルパーツ忠男が提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。